毒親育ちの彼は“宿敵”大御所男性カメラマンとも肉体関係に#6

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-02-25 06:00
投稿日:2022-02-25 06:00

「人生、明るく生きた者が勝ち」

女に生まれてきてよかった(写真:iStock)
女に生まれてきてよかった (写真:iStock)

ーーお気持ちお察ししします。続けてください。

「ある時、職場の同期六名との呑み会で、さりげなく『自分の恋人に、肉体関係のある同性パートナーがいたらどうする?』という話題を振ってみたんです。ちょうどLGBTの映画の話で盛り上がっていたので……。すると、一人の女性が『私ならOKかな。彼が女と浮気するくらいなら同性とエッチしてくれた方がいい』と言ったんです。次いで『私も同性ならOK。イケメンなら私も交じって3Pしちゃうかも』なんて言い出して……。思わず苦笑しました。

 男性陣は『俺は即刻別れる』という反対派と、『美人ならOKかも。俺も3Pに興味あるし』という賛成派に分かれましたね。皆、お酒が入っていたせいもあるのでしょうが、ジョーク交じりの明るさで、性に奔放な女性の意見も聞けて、救われましたね……。

 事態は深刻なんですが、『人生、明るく生きた者が勝ちだな』って、しみじみ考えちゃいました。

 そのせいでしょうか、彼とのセックスの際も以前ほど苦しむことは無くなりましたね。たとえ、別な男と肌を合わせても、今私を抱きしめてくれている彼は、まぎれもなく私の彼だから……と思えるようになって……。

 いや、強引にでもそう思ったほうがエッチも感じるし、以前のようにたっぷりとアソコが潤うんです。

 彼がクンニリングスをしてくれる時、そして彼のモノがスブスブッ……と挿入されるあの快楽は、女に生まれてきてよかったと心底思えるほど気持ちよくて……」

至福のセックス…そして体に表れたある変化

密着している幸福感に酔いしれる(写真:iStock)
密着している幸福感に酔いしれる (写真:iStock)

ーー続けてください。

「そして、以前のようにセクシーなランジェリーをまとって鏡の前でバックから突きまくられる快楽も、何物にもかえがたい至福のひと時となりました。

 私の膣肉が彼の勃起の形状通りに収縮していく。一分の隙もなく密着していると思うだけで幸せで……話している今も、下腹が熱く潤ってきます(笑)。

 何よりも、彼が射精する瞬間……膣奥で勢いよくザーメンが噴射する時、体がとろけそうになりますね。ああ、私の中でイッてくれてるって……。

 実は……ここ三か月ほど、生理がないんです。

 もしかしたら妊娠したのかもしれません」

どんな時でも彼の味方でいよう

明るい未来へ(写真:iStock)
明るい未来へ (写真:iStock)

ーーえっ、本当ですか?

「はい、まだ検査したわけじゃないので、分かりませんが……最近はずっと中でイッてもらっているし、近い将来、妊娠することも視野に入れています。

 私、毒親育ちだから、ずっと親に言われていたように『家の恥になるようなことはしてはいけない』『礼儀正しく、優秀であれ』ということを守ってきました。でも、それは親の呪いでしかありません。

 いつまでもそんな呪いに支配されたくない。だから、『授かり婚』をもくろんでいます」

 ニッコリ笑うC子さんに、筆者は一瞬、困惑した。万が一、妊娠した場合、同じ毒親育ちの彼がどのような反応をするか気になったのだ。

 しかし、それは杞憂に終わった。

「彼も『早く子供が欲しいね』って言ってくれているんです。自分が毒親育ちだから、子供には大らかに接して、めいっぱい褒めてあげようって」

 大御所カメラマンとの関係には一切触れず、二人は明るい未来の話をすることが増えたという。

「この先、まだまだ衝撃的なことが起きると思いますが、私は確実に強くなりました。彼を守ってあげよう、どんな時も彼の味方でいようと誓っています」

  ◇  ◇  ◇

 ほほ笑む姿は、すでに「母」になったかのような幸せと逞しさが感じられる。

 衝撃的な話題から一転、未来に向かって確かな一歩を踏み出した彼女は、いっそう美しい輝きに満ちていた。

(了)

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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