砂抜きにはごま油をちょっとだけ
上海は海も近いため、上海ガニに代表されるように海産物も多く出回っています。
「あさりは比較的リーズナブルに手に入り、料理の工程も簡単です。砂抜きに、ごま油をちょっとだけ使うのがコツです」
砂抜きは海水の濃度の食塩水が基本ですが、そこにごま油を入れるといいます。
「中国ではごま油の香りで貝の中に潜む寄生虫が出ていくといわれます」
なんという裏ワザ。ほのかな香りもついて一石二鳥です。
「もう一つ手間を加えるとしたら、砂抜きしたあとは、炒める前に軽く湯通しをすると、あさりがふっくらします」
道理であさりの身がぷっくりしています。噛み締めるとエキスが口いっぱいに広がって、これは紹興酒が進む一品です。
「中国人はカニやエビなど殻付きや鶏の骨付きなど、面倒なものを紹興酒を飲みながら、ちびちびやるのが好きなんです」
【材料】
・あさり 250グラム
・万能ネギ 4本
・スライス生姜 5グラム
・醤油 小さじ2
・コショウ 少々
・紹興酒 小さじ2
・砂糖 小さじ2分の1
・水 25cc
・サラダ油 適量
【レシピ】
(1)塩水にごま油(分量外)を少量加えてあさりの砂抜きをする。
(2)フライパンに油を引きネギ、生姜をさっと炒め、香りが油に移ったらあさりを入れて炒める。
(3)あさりのすぐ後に紹興酒を入れサッと火を通したら水を加えて炒める。
(4)醤油、砂糖、コショウで味付けしたあと蓋をして2分間蒸し焼きにする。
本日のダンツマ達人…胡 建軍さん
▽胡 建軍(こ・けんぐん)
中国・上海出身。10年間、上海グランドハイアットの料理長を務め、2012年に中國飯店に入社。潮夢来店の料理長を経て、現在は倶楽湾店料理長。
▽中國飯店 倶楽湾(ちゅうごくはんてん くらわん)
中國飯店の倶楽湾店はフランス租界時代の上海をイメージした店。一流シェフを現地から招き、本場の上海料理を租界時代に思いを馳せながら食事ができる。中國飯店では初めてのパティシエ常駐の店。
東京都港区芝浦3-11-4
(日刊ゲンダイ2020年6月10日付記事を再編集)
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