未来の義兄とノーパンデートSEX!開発される悦びを知った#3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-07-19 14:18
投稿日:2022-07-08 06:00

真実を告げられない心苦しさ

 ただ、心配もありました。

 それは私が『モデルをしている』と偽っていることです。

 タイミングを見て『実はモデルはやめて、銀座のクラブでホステスをしている』と何度も打ち明けようとしました……。

 でも、事実を述べて嫌われるのが怖かった。彼はIT業界で活躍しているエリートビジネスマン。いっぽうの私は水商売ですから……。

 そして、私は平日の夜は仕事のため、思い通りに逢えません。

 Rさんと逢う時は、店に許可をもらって休んでいました。もちろん、土日は逢えますが……。

彼のお誘いとママのバースデーパーティーがまさかのブッキング

 ある日、クラブのママのバースデー予定日に、Rさんが『僕たちが出会って、ちょうど半年だね。せっかくだから、最初に会った六本木のイタリアンで食事をしよう』と誘ってきたんです。

 私は、彼が出会った日のことを覚えていてくれた感動と共に、究極の選択を迫られることになりました。

 高級クラブのママのバースデーともなれば、一年でもっとも売り上げをあげねばいけない特別な日です。多くのお客さまがお見えになり、派遣ホステスにもヘルプしてもらわねばならないほど、大忙しの日。

 当時、私は30名のホステスのうち、常にトップ5に入っていましたから、休めるはずがありません。

 でも、Rさんの誘いも断れず、『その日は大きな仕事が入っているけれど、変更できるかどうか、相手方に確認してみるね』と、その場を乗り切りました」

スマホごしにも冷淡な声が

――大変な事態になりましたね。続けてください。

「すごく悩みました。そして、Rさんには『相手方に何度もお願いしたんだけれど、やはり日程をずらすのは無理みたい。ごめんなさい。別な日ならどうかしら?』と提案したんです。

 すると、『夜遅くでもいいよ。21時ごろならどう? さすがに仕事は終わっているよね?』と言ってきたんですね。

 彼の言っていることはごもっともです。モデルなら、泊りの仕事でもない限り、21時には終わっています。

 結局その日はクラブの仕事を優先しました。

 Rさんには『仕事後も、クライアントやマネジャーとの重要な打ち合わせがある』と言い訳して――。

 彼『ふうん、モデルっていろいろ大変なんだね』と、一応理解してくれましたが、その声はスマホごしでも、冷淡でした。

最悪のコンディションでのデート

 そして、ママのバースデーの翌日に休みをもらい、彼とデートをすることになったのですが、前夜の疲れと、浴びるように飲んだお酒のせいで、まったく食事ができない最悪の体調でした。

 彼、『大丈夫? 顔色が悪いよ』と言ってくれましたが、私は食事中、いくども化粧室に駆けこまねばなりませんでした。

 胃がムカついて、吐いてしまって……。

 彼は、食後にホテルを予約してくれているとのことで、この後もセックスに流れる予定です。

 普段なら有頂天になっている私ですが、今はそれどころではありません。

 呼吸するのも、目を開けているのも苦しくて、ひたすら吐き続けました。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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