4. 漢方薬で体質改善をめざす!
プレ更年期・更年期は女性ホルモンの影響を受けやすく、自律神経のバランスが崩れやすい時期です。
漢方医学の考え方では、血流や水分バランスの乱れによって、内臓や自律神経の働きが悪くなり、倦怠感やイライラ、ホットフラッシュ、動悸などの更年期症状に強く影響するといわれています。
更年期のケアでは、気流を改善し、胃腸の働きを回復させて消化・吸収をよくし、栄養を全身に届けることで疲労感を軽減します。
また、水の巡りをよくして自律神経を整え、精神状態を安定させることで、ストレスが原因となる疲労を軽減させる漢方薬を選びます。
婦人科などの医療機関でも、更年期の不調に対して漢方薬が頻繁に処方されています。
また、血流や水分のバランスが整うと睡眠の質も上がり、さらに疲労を回復する効果が見込めます。
忙しい現代女性が、バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは大変です。漢方薬なら症状や体質に合ったものを毎日続けて飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
更年期の倦怠感に悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<更年期の倦怠感に悩む女性へおすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん):体質が虚弱で疲れやすく、精神不安などがある方の更年期障害などに用います。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え性で、貧血傾向がある方の倦怠感に用いられます。
・帰脾湯(きひとう):胃腸が弱って倦怠感がひどく、よく眠れないような方に用いられます。
漢方薬選びには、自分の体質に合ったものを見極めることが欠かせません。体質に合った漢方薬を選ばないと十分な効果が出ないだけでなく、副作用が起こる場合もあるので注意しましょう。
購入時は、できるだけ漢方に精通した医師、薬剤師等に相談することをおすすめします。自分にぴったりな漢方を提案してくれるオンラインサービスも話題です。
お手頃価格で不調を改善したいという方は、医薬品の漢方をチェックしてみてくださいね。
5. 生活習慣を見直して更年期の倦怠感を改善!
「えりのさん、ありがとうございました。基本的な生活習慣を整えて、無理せず過ごしていこうと思います」
穏やかな表情でサロンを出ていく、れい子さん。サロンに来たときの疲れきった表情とは、まるで別人のようです。
「今までずっと、やる気の湧かない自分を責めていました……。責めることがかえって症状を悪くさせていたかもしれないなんて、考えたこともありませんでした」
「長い目で見て、できるだけ気楽に考えましょう。大丈夫よ、更年期は一時的なものだから。自分をいたわるような生活を心がけてね。気になることがあったら、いつでもサロンに来てちょうだい」
「はい!」
深々と頭を下げてから、れい子さんは帰っていきました。
「……更年期って、本当につらいわよね。困ることがあったら、ひとりで抱え込まないで、いつでもいらっしゃいね」
独り言をつぶやいて、優しくほほえむ、えりのボスでした。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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