「え、悪性って…」病院を出たら子宮頸がん患者になっていた

コクリコ 編集者
更新日:2019-09-11 06:26
投稿日:2019-05-14 06:00

がん宣告で生活どうなる?

 がん。

 そうか、私はがんだったのか。

 どこも痛くないのに。

 病院に来るまでの私と、病院から出るときの私は一緒なのに。私はいまこの瞬間からがん患者なんだ……と不思議な気持ちになりました。

 がんを宣告されると生活はどうなると思いますか? 実は悲しんでいる暇もないくらいとても忙しくなるのです。もし夫やパートナーがいれば、一緒に病院や治療方法を探してもらえるかもしれません。ただ、独り身の場合、すべて自分で調べなくてはならないのです。高齢というほどでもない親でも、ネットを自在に操ることはできません。

 本当にこの病院を信用できるの? 誤診だったり? 子宮は取らなくてはならないの? ほかに方法はないの? いったい私のがんはどこまで進行しているの? セカンドオピニオンする?

 セカンドオピニオンの存在は知っていても、実際にそれをやるのには時間がかかること、今の医師にその旨を伝えなくてはならないこと、いろいろ考えると簡単には決断できません。

 セカンドオピニオンをしたいと言うことによって、この医師を信用していないようには見えないか。ほかの病院で同じ診断がくだった場合はまたここに戻って来られるのか。その間に進行してしまったらどうしよう……。

“発言小町”も“知恵袋”もチェックした

 不安で眠れず、調べなくてはならないこともたくさんある中でも、休まずにしっかり出勤していました。私は、著者をたくさん抱えている書籍の編集者です。私を信頼してくださってる著者の出版物を途中で投げ出すことはできません。がん宣告のあとに姫路出張にも仙台出張にも行きました。

 すき間時間があればすぐにネット検索。同じ病気の人のブログと発言小町とYahoo!知恵袋はだいたい読みました。病院のHPも見まくりました。当然、いいことばかりが書いてあるわけではありません。

 恐怖に震える手、止まらない動悸。どうして私ががんになったの、もっと悪い人はいっぱいいるのに……。結婚も出産もかなわずに、がんで死んでしまうかもしれない、とあふれる涙をこらえられないこともしばしば。

 そんな私に、さらなる事態が襲いかかったのです。子宮からの大量出血でした。

 次回に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


テーブル下でこっそり放熱中…ステンレスで涼をとる賢い“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どものいない祭り
 都会の喧騒の中で見つけた祭り。  そこにははしゃぐ子どもの姿はなかった。  たまにはいいかな、自分のためだ...
ほっこり癒し漫画/第81回「センセッ ジカンデスヨッ」
【連載第81回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「鉄漿」って読める? ヒント:最古のメイク
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
子ども同士のLINEにもドラマが!将来の夢はスパイに忍者…ピュアな感じがたまらん
 最近では、小学生でもスマホを持っている子が増えていますよね。連絡ツールとして友達とLINEを使いこなし、時代は変わった...
女はお嫁さん要員? 年収800万でも「行き遅れ」と見下される田舎の地獄
 西新宿の高層ビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、悠々自...
毒親の介護をしたくない 実家から逃げた女が「決別」のため払った金額は
 西新宿のビル内にある大手食品会社のデザイン室に勤務し、初台に暮らす咲子。実家とはほぼ縁を切ってはいるものの、おひとりさ...
田舎を捨てた「独身女」は不幸ですか 絶縁した家族が来て…今さら何の用?
 いまだ残暑が残る9月の初め。月曜日のAM7:30。  すでに汗ばむ陽気に包まれながら、西村咲子は新宿西口の高層ビ...
職場で飛び交う「大人のちくちく言葉」4選。無意識に同僚・後輩のモチベを下げてない?
 人の気持ちを不快にさせる、ちくちく言葉。子どものちくちく言葉は「アホ」「バカ」「マヌケ」などストレートですが、大人にな...
“たまたま”に見覚えあり!尾道市立美術館の「ケンちゃん」ではないかぃ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
大優勝!秋から元気な“開運最強”花5選。一輪挿しでも存在感たっぷりで映える1本を紹介
 台風10号の遠隔豪雨は、神奈川にあります猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にも様々な影響を及ぼしました。大雨を睨みなが...
みんなどうしてる? 大地震の経験者が語る我が家のリアルな地震対策7選
 南海トラフ地震の危機感が高まる中、「我が家も地震対策を見直さないと」と思っている人は増えているようです。ただ、実際に被...
バツイチ女一匹「昭和の意地」を捨てたおじさまから商店会会長を任されましたよ…!
 前回、ポンコツ商店会再起動という渦に巻き込まれた私。とりあえず、様々な問題解決のため、床屋さんと元酒屋さんとの密なミー...
猫飼う40独女が準備する「防災グッズ」元カレのアレと被災した親の経験談が沁みる…
 9月1日は「防災の日」でした。地震や台風などに対する不安が高まっている今、災害に備えていますか? 私は、しなきゃしなき...
40代“子育て女”キャリア再形成に苦戦中。専業主婦→パートを経たその先のハードルが高すぎる
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  最近、フ...
簡単!秋におすすめのアロマと桃尻・股関節・ふくらはぎ・内ももの鍛え方【調香師がチャート別に解説】
 適度な運動で汗をかくと健康になるのはもちろん、達成感で幸福ホルモンが刺激され、心や肌にも潤いを与えます。今回は、フェロ...