3. 五行によるおすすめ食材
東洋医学の考えのベースになるものを、「陰陽五行」といいます。
これは、世の中のすべてのものは「陰と陽」に、さらにそれは、「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水(すい)」という5つのエネルギーに分けられる、というものです。
「五行」の「行」は、循環するという意味があります。これらの5つのエネルギーが循環することですべてのものが作られ、自然界が成り立っていると考えられています。
食品はもちろん、からだの内臓や各器官も、すべて5つに分けられています。
5つのエネルギーの調和を取ることで、体重をはじめ、心身の状態を調えていくことができると考えられています。
五味は単なる味の区別だけでなく、性質やからだへの作用も区別されています。それらは、五臓(肝、心、脾、肺、腎)と深い関係があり、互いに影響し合って調和を保っているのです。
ここでは、五行からみた五味について説明します。
3-1. 甘(かん)
甘は、甘味のことです。食欲を増進し、痛みをとって和らげ解毒する作用があります。また、脾の働きを促進することで、消化吸収や不要物の排泄を行います。
摂りすぎると、消化不良や胃もたれを起こしたり、疲れやすくだるくなったりします。
甘を相進(促進)するのが苦、相剋(抑制)するのが酸になります。
■代表的な食材
砂糖・餅・しいたけ・ブロッコリー・たまご・くり・大豆・かぼちゃ
3-2. 辛(しん)
辛は、辛味のことです。「気」や「血(けつ)」の巡りを活発にし、発汗作用に関わっています。摂りすぎると、興奮したり冷えやすくなったり、乾燥したりします。
辛を相進(促進)するのが甘、相剋(抑制)するのが苦になります。
■代表的な食材
大根・ショウガ・ニンニク・しそ・シナモン・ネギ
3-3. 苦(く)
苦は、苦味のことです。解熱作用に優れ、からだの余分な水分を取り除きます。摂りすぎると、肌が乾燥してかさつき、からだが冷えやすくなります。
苦を相進(促進)するのが酸、相剋(抑制)するのが鹹になります。
■代表的な食材
あんず・ごぼう・ほうれん草・コーヒー・緑茶
3-4. 鹹(かん:塩辛い)
鹹とは、塩辛さのことです。便秘を解消したり固まったものを柔らかくしたりするので、肥満解消・腫れ物を改善する作用があります。
摂りすぎると、血がドロドロになり血圧が上がります。
鹹を相進(促進)するのが辛、相剋(抑制)するのが甘になります。
■代表的な食材
塩・醤油・味噌・昆布・わかめ・イカ・アサリ・昆布
3-5. 酸(さん)
酸とは酸味のことです。筋肉や内臓を引き締め、からだの水分が出すぎないように調整する作用があります。また、精神の緊張を和らげる作用もあります。
摂りすぎると、胃に不調があらわれたり、からだが硬くなったりします。
酸を相進(促進)するのが鹹、相剋(抑制)するのが辛(しん)になります。
■代表的な食材
いちご・キウイ・梅・酢・レモン・トマト・桃
以上のように、五行からみた五味をバランスよく食事で摂れば、五臓の調子を整えることができると考えられています。
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