超絶かわいい! 春の花「シレネ サクラコマチ」最強の飾り方

斑目茂美 開運花師
更新日:2023-03-01 06:00
投稿日:2023-03-01 06:00

目には見えない「植物の声」

「へー!」

 以前なにげなく見ていたNHKの特集番組で、思わず声が出たことがございました。なぜテントウムシは自然という大きな世界でハムシの幼虫を見つけて食べることができるのか、という至極当たり前なんだけれどもナゾの事柄に迫る内容で、実は生き物同士の目には見えない「植物の声」でコミュニケーションを取ると説いておりました。

 なんでもハムシの幼虫がヤナギの葉を食べた時、ヤナギの目には見えない「私なう食べられてます!」物質が放出され、テントウムシにメッセージとして伝わり、腹ペコ部隊が出動するそうな。しかもヤナギ以外の植物も“その声”を防衛反応として出して虫にかじられている最中に戦い、そしてまた、食べられてもいない周囲の植物は“その声”をキャッチして、防衛反応を引き起こすとのことでございました。

 生き物同士のコミュニケーションが存在し、厳しい自然界で支え合って生きている――なんだか壮大なロマンを感じちゃいました。

 そんな生命を揺るがす危険な自然の中にあって、慎ましい方法で自分を防衛するお花が存在します。今回は見た目すら奥ゆかしいお花、「虫もハートも華麗にキャッチ! 『シレネ サクラコマチ』」の解説でございます。

シレネ サクラコマチってなんですか?

 淡いピンク色の小さな桜の数輪がギュッとまとまっているように咲く春の花「シレネ サクラコマチ」。シレネ属はおよそ300種類ほどあり、園芸品種としても人気はございますが、「サクラコマチ」に関していえば、ワタクシは切り花の方が馴染みがござんすな。

 正式名は「シレネ アルメリア」。花色は濃いピンクや白もあり、「サクラコマチ」と呼ばれる品種は花の大きさも小さく淡い可愛らしいピンク色で乙女心をくすぐります。

 英名は「Garden catch fly」、ズバリ「虫を取る」です。日本名も「虫取撫子(ムシトリナデシコ)」だなんて色気のないお名前……。名前通りどうやら虫を取るようなので、合ってるっちゃあ、合ってる(笑)。

 サクラコマチの大きな特徴は、茎や葉の一部が触るとペタペタします。食虫植物ではありませんが、アリなどの虫が茎をよじ登って花の蜜を盗んだり花弁をかじったりしないよう、ペタペタと粘着性の分泌液で虫を捕まえるというわけ。ペタペタは防衛本能の一種でござんすな。

 自分のことは自分で守ってみます的な心構え、感心しますわ。でもそんなに粘着してるかなぁと感じるワタクシ。「捕まえる」というより「ここからは立ち入り禁止よ」と防御線を張っているような。そう感じてしまうほど、優しいイメージのお花が「サクラコマチ」でございます。

最強の飾り方&相性のいい花は?

 単体で飾るのもアリですが、「カワイイなー!」と思わず声を上げちゃうのは、他の花の引き立て役(?)として活用した時でございます。たとえば、ラナンキュラススイートピーといった優しい春色の花との相性がイイ花顔がさほど大きくはない主張度の低めのお花と、サクラコマチの可憐な花姿と色がお互いを高め合い、最強のスクラムを組んじゃいます。

 活け方のコツは、ふわふわと長めに。バラカーネーションなど合わせた場合、その花よりやや高めにふわっと活けると、サクラコマチの軽やかさが全体を優しく可愛らしい印象に変えてくれます。

 花瓶に活けたり、吸水性スポンジに挿す場合も同様で、短く埋め込むよりふわふわと長め(高め)がよろしいかと。透け感のあるサクラコマチ越しに見るバラやラナンキュラスは、単体より色が美しく見えるから不思議。お試しあれ。

 切り花としてのサクラコマチの他に、春が近づいてくるとシレネ属の花は園芸品種として多くの品種が出回ります。花だけでなくまだら模様の葉も楽しめ、花壇のグランドカバーとして大活躍。ポット苗は安価で手に入りやすく、しかも大きく広がって育ちます。そこが魅力よ~。こちらもお試しあれ。

 サクラコマチの優しいふわふわピンクが春の風をアナタにお届けしてくれますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


#2 専業主婦がライブ配信にハマるわけ「誰かが私の才能を見出して…」
【#1のあらすじ】  かつて2流アイドルグループの中堅メンバーだった麻美は、現在立川で専業主婦として平凡な毎日を送...
#1 10代で絶頂期の30歳元アイドル、まだ終わらないと信じる女の日常
 JR立川駅から徒歩で20分ほど。立飛のららぽーとからも、モノレールの駅からも、微妙に遠い住宅街の狭小住宅が麻美の現在地...
「股間を狙え」夜道の一人歩き対策で元ヤンバレ!過去のやんちゃがポロリ
 若い頃にヤンキーだった人も、大人になればだんだんと落ち着いてくるものですよね。  社会に出ると、若気の至りだった...
「写ルンです」が流行る若者のレトロブームは、何を写しているのか
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
寂しがる親との距離感、よい解決策は?大人になるほど複雑に
 みなさんは、親との距離感って考えながら付き合っていますか? ベタベタしすぎず、ドライすぎず、お互いを尊重し合えるのが理...
親ガチャにハズレた! 5つの苦い思い出とそこから一歩を踏み出す方法
 生まれる時、私たちは親を選べません。どんな親のもとに生まれるかは、ガチャガチャのごとく運次第。  大人になるにつれ「...
何が起こった? 街にあふれる人に少し違和感を抱いて
 いつも、穏やかな参道にただようちょっと物々しい雰囲気。  何があったかは分からないけど、思わずカメラを構えた。 ...
40女開運が気になるお年頃!金運UP「雑誌付録の財布」どう活用する?
 今回ご紹介する雑誌付録は、人気キャラ「マムアン」のインテリアBOXとフォーチュンアドバイザー・イヴルルド遙華さん監修の...
キッチンに馴染む 無印良品の「真っ白な消火器」買いました
 突然冷え込んで、一気に冬っぽくなってきました。この時期になると我が家の近所では見回りの小さな消防車が「カンカン」と音を...
ニャルソック発動中!カメラバックに夢中な“たまたま”の後姿
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
花にも高温の後遺症!パンジービオラ「茎がビローン」をバッサリde解消
 いきなりの寒さです。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、まぁまぁ暖地の神奈川にございますが、ここにきて例年通りの...
モテないのは「太ったから」ってさぁ 女友達の素直すぎるLINEにグサッ
 自分にも人にも素直な人は魅力的ですよね。言葉に計算や嫌味が隠れていないため、付き合いやすく感じるはずです。 ...
なぜ独身女性は性格に難ありと思われるの? “訳あり女”回避に大事なこと
「いいトシして独身の女性は性格に難あり」なんて言葉を聞くことがありますよね。独身の女性は「私も周りからそんな風に思われて...
すべてはそこから 人も食べ物も「相手を知る」と好きになる
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
子供も自分も波風立てずに守りたい! モンペア級要注意ママ友の見分け方
 子育て中はママ友との付き合いは少なからず避けられません。もちろん、気の合う人もいるでしょうが、中には要注意人物やモンス...
発達障害疑惑の長男が知能テストで高得点…医師の診断に母の心は晴れない
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...