そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。
1. 膣がひきつれる…この不快感なんとかしたい!
今日のご相談者は、まどかさん(38歳女性・仮名)です。
「最近、アソコに痛みを感じてつらいんです」
ちょっとお疲れ気味なまどかさん。顔色が悪く、あまり元気がないように感じられます。
「うんうん。どんな風に?」
えりのボスが想像していたよりも柔らかい口調だったので、まどかさんは少しほっとして話はじめました。
「うーん……ひっぱられる? いや、ひきつれるような感じです。自転車をこぐときや、トイレットペーパーで拭いたあとにも違和感があります」
えりのボスがじっと見るので、まどかさんは思わず目をそらしてしまいました。
なにかを見透かしたような、そんな目です。
「……あとは主人との性交渉のときがとくにです」
まどかさんは、ふうっとため息をつきました。
「昔はこんなことなかったのに」
「なるほど。それだと、ご主人との関係もうまくいかなくなっちゃうわね」
まどかさんはハッと顔を上げました。
どうやら図星のようです。これは放ってはおけません!
2. 膣のひきつれはエストロゲンの減少が原因かも
「ひきつったような違和感は、膣のうるおい不足に関係してそうね」
「うるおい? 膣のですか?」
「ええ。肌や目、口が乾燥するでしょう。それと一緒で、膣も乾燥するのよ」
「でも若い頃はこんなことありませんでした」
「膣の乾燥にはさまざまな原因があるけど、まどかさんの場合は更年期が関係してそうね。正確には、更年期によるエストロゲンの減少よ」
「エストロゲン、聞いたことあります」
「女性ホルモンのことね」
卵巣から出るエストロゲンというホルモンには、膣の粘膜を厚くして強化したり、膣内を強い酸性に保ったり、うるおいを与えたりする役割があります。
そのためエストロゲンが減少すると、粘膜のみずみずしさが失われ、膣周りが乾燥しやすくなるのです。
「更年期症状って、頭痛や肩こり、めまい、イライラ……そんなイメージでした」
「とくに膣の乾燥は、萎縮性膣炎という病気なこともあるから放置してはいけないのよ」
萎縮性膣炎は、更年期以降の女性の膣トラブルに多くみられる疾患です。
エストロゲンが減少すると、乾燥するだけでなく、膣粘膜上皮の細胞が萎縮したり、膣を守っている常在菌が減少したりします。その結果、自浄作用が弱まり、膣内に細菌が繁殖しやすくなるのです。
症状は、腟周りの乾燥感、かゆみ、違和感、痛み、きついニオイや出血などさまざまです。
「でも、更年期なら防ぎようもないですね」
まどかさんは2回目のため息をつきました。
「あら、自分できちんとケアすれば、症状の発症や悪化を防ぐことができる場合もあるのよ」
えりのボスはにっこり笑いました。
「え! 自分で? 教えてください!」
「もちろんよ。準備はできてるかしら」
まどかさんがバタバタとメモ帳を取り出すのを待って、ゆっくりとえりのボスの講義がはじまりました。
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