そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。
1. 動くと関節がポキポキ鳴る…これって年のせい?
今日は、奈央さん(35歳女性・仮名)からの質問です。
「からだを動かすと、よくポキポキ鳴るんですよ。これって、もしかして年のせいですか?」
不安そうな表情で、奈央さんは続けます。
「痛みはないんですけれど、しょっちゅう鳴るから気になっていて……」
「そうなのね。私も昔から、よく関節が鳴っていたわ。若いころはピアノを弾いていたんだけれど、鍵盤を叩くとこまめにポキポキと……。さすがに、不安になったものよ」
えりのボスは、遠い目をして答えます。どうやら甘酸っぱい青春時代(?)を思い返しているようです。
「関節がポキポキなる原因は、一概に『加齢のせい』とはいえないわ。ただの生理現象であるケースもあるし、病気が隠れている場合もあるの」
「そうなんですか」
興味を引かれ、聞き入る奈央さん。
「それじゃあ今日は、関節がポキポキ鳴る原因と、注意が必要なケース、そして健やかな骨を守る『骨活(ほねかつ)』についてお教えしようかしら」
「ぜひお願いします!」
目を輝かせて声を弾ませた奈央さん。これは放っておけません!
2. 関節ポキポキ音は「気泡」がはじける音
「関節のポキポキ音はクラッキング音といって、『関節液』という液体のなかに生じた気泡がはじける音だといわれているのよ」
「関節液?」
耳慣れない言葉に、奈央さんは首をかしげています。
「関節は『関節包』という膜でおおわれているの。関節包のなかを満たす液体が、関節液よ。関節液はヒアルロン酸などの成分を含んだ、とろりとした液体でね。関節がなめらかに動かせるようにして、骨や軟骨がすり減るのを防ぐ働きを果たしているのよ」
「へぇ……。その関節液のなかに、気泡が入っているんですか?」
「えぇ。関節が動かされたときに、関節液にかかる圧力が変化して気泡がはじける。それが、ポキポキ音の原因だと考えられているの。でも、ポキポキ音の仕組みについては、まだ完全には解明されていないそうよ。
『気泡がはじけるのが原因だ』とする考えは1900年代に提唱されたもので、さまざまな研究がなされた末に、今はこの考え方が一般的とされているんですって」
「それじゃあ関節がポキポキ鳴っても、なにも心配いらないということですかね?」
「一概に『心配なし』とはいえないわね……。注意すべき点についても、おさえておきましょう」
3. 痛みや違和感があるときは要注意!
関節がポキポキと鳴っても、基本的に問題ないことが多いといわれています。しかし痛みや違和感がある場合には注意が必要。
たとえば、ひざを曲げるたびに痛みや関節の音が出る場合には、『変形性ひざ関節症』が起きている可能性もあります。変形性ひざ関節症の初期には、ひざの軟骨がすり減って音が鳴ります。
病状が悪化すると、軟骨の下にある骨まですり減って音が出てしまう場合も……。
関節の症状で気になることがある人は、整形外科を受診しましょう。
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