新恋人がタバコの火を…!バツ2のアラフォー地下アイドルの悲鳴 #3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-05-05 09:43
投稿日:2023-04-28 06:00

嫉妬からジョーク交じりの愚痴を

――いきなり平手打ちとは、どういうことですか?

「実は男女の関係になってから、Nさんは時々、ジョーク交じりの愚痴をこぼすようになったんです。

――R美にのめり込んでるあの医者、今日は、お前の腰に手を回していたな。正直、嫉妬したよ。

――売り上げのためよ。リピートしてもらえるよう、私も渋々スキンシップしてるの、分かるでしょう?

――分かっちゃいるけど……。目の前でイチャつく姿を見せられたら、こっちもムカつくんだよ。俺の女に汚い手で触るなって、怒鳴りたくなる。

 彼の気持ちはよく分かります。誰だって、自分の恋人が他の異性とイチャつくのを目にしたら不機嫌になりますよね。逆の立場なら、私だって同じです。

 で、その日は、件(くだん)のお医者様が、ポッキーゲームをしようと提案し、皆で盛り上がったんです。私がポッキーの端をくわえた時、Nさんがこれ見よがしにテーブルに接近して……。空いたグラスをトレイにさげる瞬間、私をギロッとにらみました。

 イヤな予感がしました。でも、そこでゲームをやめるわけにはいきません。

激昂した恋人はマクラ営業を疑っていた

 何も知らないお客様は、『わあ、R美ちゃんとキスだー』なんて大声ではしゃぎながら、ポッキーゲームを続行。キスこそしませんでしたが、唇がギリギリの位置まで接近しました。

 その後は、いつものようにドレス姿の私の腰を抱いたり、太ももに手を置いたり……。その一部始終をNさんが見ている。彼のことが気になって、とても接客に集中できませんでした。

 そして、閉店後に彼の部屋に行くなり、頬を平手打ちされたんです。

――R美、なんだよ。あの下品なゲームは!

 Nさんとは別々に店を出て、彼の部屋に行ったのですが、どこかで飲んできたようです。酒臭い息を吐かれました。

――仕事だもの、仕方ないでしょう! 私だってやりたくてやったわけじゃないの。

――お前、あの医者とデキてるのか?

――バカなこと言わないで!

――急に指名が増えたのは、マクラをやってるせいじゃないか?

――マクラ営業なんてしない!

――黙れ!

平手打ちの後の「しゃぶれよ」

 再び、張り手をくらいました。

――痛いっ、やめて!

 ドレス姿で、仰向けに倒れ込むと、Nさんは私に馬乗りになったんです。

――本当にマクラはしてないんだな?

――してない……ッ、苦しい。

――しゃぶれよ。歯を立てたら殺す。

 直後、彼は素早くベルトを外してズボンをおろしたんです」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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