おしっこのニオイがキツイ!尿でわかる体内サインと対処法【専門家監修】

コクハク編集部
更新日:2023-06-15 08:45
投稿日:2023-06-15 06:00

4. 尿のニオイには漢方でアプローチ

 膀胱炎が尿のニオイの原因だった場合は、抗菌薬による治療が一般的ですが、膀胱炎になりにくいからだを目指すために漢方薬の活用もおすすめです。

 バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

 膀胱炎の原因には、膀胱にたまった水分と熱による炎症やストレス、過労、冷えなどが考えられます。

 膀胱炎の対策には、止血作用や炎症を抑える作用に加えて、

・水分代謝を改善して尿の排出を促す
・からだを温めて膀胱の機能を正常化する
・消化や吸収機能をよくして免疫力を上げる
・自律神経の乱れを整えて心因性の膀胱炎を改善する

 といった作用を含む漢方薬を選びます。

 漢方薬は膀胱炎の根本改善を目的とするため、「膀胱炎がくり返される」と悩んでいる方にはとくにおすすめです。

 日常から免疫力を高めておけば、膀胱炎になりにくい体質を目指すことができます。

 また、漢方薬を選ぶときには、一人ひとりの状態や体質に合っているかを見極めることが重要。うまく合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用があらわれることもあります。

5. 尿のニオイの予防におすすめの漢方

 尿のニオイを予防したい方におすすめの漢方薬をご紹介します。

5-1. 五淋散(ごりんさん)

 膀胱にたまった熱を取り去り、泌尿器の炎症による症状をとることに用いられる漢方薬で、排尿痛や残尿感などの尿トラブルに働きかけます。

 また、水分代謝を促すことで排尿を促します。過労やストレスによって膀胱炎をくり返す方に。

5-2. 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

「気」(エネルギー)が滞ると尿が出にくくなり、熱がこもった状態を改善することで、尿のにごりや残尿感の悩みにアプローチします。

 比較的体力があって、下腹部の筋肉が緊張して熱感や痛みがある方に。

5-3. 猪苓湯(ちょれいとう)

 排尿を促して菌を排出させることで、排尿困難や排尿痛などの改善に働きかけます。頻尿、残尿感などの排尿トラブルや口渇がある方に。

6. 適切な対処で尿のニオイを防ごう!

尿がどんなニオイか、それによって対応が変わるんですね……。今日から意識してどんなニオイか気にするようにしてみます」

 えりのボスはリツコさんの言葉に頷きます。

「できそうなセルフケアから実践して、何かおかしいと感じたら病院ですぐ相談するようにね」

 リツコさんは今日から早速、生活習慣を変えていこうと心に決めました。

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくリツコさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 藤田 佑莉(ふじた・ゆうり)

 北里大学卒業後、産婦人科門前の調剤薬局で働く中で、女性特有の不調に悩んでいる方が多いと実感。漢方薬による根本治療の大切さを広めたいと考え、精度の高い漢方をお手頃価格で提供する「あんしん漢方」で薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


【2022年アツかった記事】アラフォーの性交痛 相性悪いから濡れない?(薬剤師監修)
【えりのボスの「あと半歩で幸せ」】 (2022年7月に公開したものを一部変更し、再掲した記事となります)  ※ ...
膣から湯が漏れる!女力を取り戻す膣トレ講座【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
隈取になってない!? “メイク下手”アラフォーあるあるを再現
 年齢を重ねていくにつれてシミやシワ、くすみが気になるのは普通のこと。でも、コンプレックスなどを隠すためにメイクをしたの...
ピルの「オンライン処方」ってどうなのよ? PMSと生理痛に悩むコクハク編集部員が“不安あるある”の疑問をぶつけてみた
 東京・中央区にあるコクハク編集部。「あー寒い、寒い」とひざを突き合わせ、ああだこうだと談議するのは、『ピルのオンライン...
40代のすっぴん外出を考えてみた! 距離、手抜きNGパーツは
 コロナ禍でマスク生活が長引く中、「これを機に美肌を目指そう!」とすっぴん生活を送る人は増えているようです。ただ、世間の...
デリケートゾーン洗うとしみるんですけど!2022.12.26(月)
 私のデリケートゾーン(外陰部)に起きた“異変”は、ある日突然、何の前触れもなくやってきました。  いつものように...
安っぽいクシ&ブラシから卒業! 買って大正解だった3タイプ
 ショートカットにしてから、クシがスタイリングの必須アイテムになりました。アホ毛や髪の絡まりなどを整え、スムーズな手触り...
カシミヤは自宅で洗濯できる? お手入れ方法や洗い方のコツ
 軽くて暖かくて着心地の良いカシミヤは、マフラーやセーターなど冬にとても重宝する素材ですよね!  でも気になるのがお...
3,030円の努力!健康ランドを朝に晩に美容的に活用してみた
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんの月イチ連...
ついに下の毛にも白髪が! 4つの原因と今すぐやりたい対策法
 年齢を重ねていくと生えてくる白髪。女性は老けて見られないように抜いたり染めたり、さまざまな対策をしているでしょう。でも...
性交痛の原因は膣の乾燥?レスを防ぐ保湿方法【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
痩せる気はある! ダイエット言い訳あるあるを封印する方法
 これまで、あらゆる種類のダイエット方法を試してきたけれど、長続きしなかった人は多いですよね。痩せたいと思っているのにつ...
20代が残念に思う アラフォーの「残念チーク」を画像で解説
 チークは、アラフォーになったら絶対に使ったほうがいいコスメだと、筆者は自信をもって宣言します!  顔の血色を上げ...
「タバコくさっ」飲み会後にも役立つ! 服の臭いを消す方法
 どんなにおしゃれで素敵な女性でも、すれ違った時にいい香りがするのとタバコ臭いがするのとでは印象が大違いですよね! でも...
月経カップはいつ捨てる? 素朴な疑問からお手入れ方法まで
 生理の時期って、ナプキンの交換や経血の漏れが気になってリラックスできませんよね。最近では「月経カップ」というアイテムが...
夜の最悪のタイミングで足がつる!つらい“足のつり”対策3選
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...