ただグッスリ寝たいだけ…「プレ更年期の不眠」はセロトニンで解決!

コクハク編集部
更新日:2023-08-03 06:00
投稿日:2023-08-03 06:00

4. 不眠には漢方薬も試してみて

 安眠のためには、からだの内側から漢方薬を使ってアプローチするのもおすすめです。

 バランスのとれた食事や運動を毎日続けるのは苦手という人も、体質に合った漢方薬を飲むだけなので気軽に継続できます。

 漢方薬のなかには不眠に効果が認められているものもあり、内科や心療内科などでも使われています。

 安眠できない原因としては、ストレスや過労、血流不足などが考えられます。

 そのため、安眠のためには、

・自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質の低下を改善する
・いらだちや興奮を鎮めて寝付きをよくする
・消化・吸収機能を改善してからだに栄養を届け、心を元気にする
・血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く

 などの作用をもつ漢方薬を選びます。

 漢方薬では、心とからだのバランスを整えることで、体質の改善を目指します。「睡眠薬を飲むのは抵抗がある」という人でも試しやすいでしょう。

 漢方薬を選ぶ際には、スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談もおすすめ。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能です。

 お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

5. 不眠におすすめの漢方薬

 プレ更年期における不眠におすすめの漢方薬をご紹介します。

5-1. 加味逍遥散(かみしょうようさん)

 高ぶった感情を落ち着かせることで、不眠のほか、イライラ、ほてりに用いられます。のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすい人におすすめです。

5-2. 加味帰脾湯(かみきひとう)

 からだの熱を冷まして精神を安定させることで、イライラなどの心の症状や不眠、貧血に用いられます。

 血色が悪く、虚弱体質の人におすすめです。

5-3. 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 からだの熱を冷まして、精神を安定させること高血圧に伴う不眠のほか、不安、動悸にも用いられます。

 精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う人におすすめです。

6. セロトニンの力で安眠をサポート

「早速今日から、セロトニンを増やすための方法を試してみます!」

「自分に合ったアプローチを見つけてみてね。漢方薬を活用するのもおすすめよ」

「はい! 今日は本当にありがとうございました」

「どういたしまして。よく眠れるようになれば、日々の生活もより充実したものになるはずよ。頑張ってね。また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていく聖子さんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)

 薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


こんなご時世こそ…40代必見「お金をかけない美容法」総点検
 40代女性は、仕事、家事、育児と本当に多忙ですよね。エステに行く時間もないので、気がつけば自分の美容なんてほったらかし...
自分のカラダを「がん」から守るために正しい情報を知ること、備えること、できていますか?
 日本人女性が生涯に患う最も多いがんは何だと思いますか。「乳がん」です。2018年には新たに約9万4000人が罹患し、全...
そりゃ痩せないわ! ダイエット失敗談から学ぶ「2つの原因」
「ダイエットをしても、いつも必ず失敗してしまう」と、痩せられないことに悩んでいる人は多いようです。なぜ、みんななかなか痩...
体臭・香水など職場のスメハラ問題 賢く解消する4つの対策
 〇〇ハラスメントという言葉が流行っていますが、中でも臭いで周囲を不快にさせる「スメルハラスメント」は、センシティブな内...
「前髪切りたい」衝動の理由…伸ばしたい人必見“対処法”4選
 前髪をある日突然、切りたくなる人って案外多いと思います。伸ばしかけていたとしても、計画的ではなく「衝動的」に切ってしま...
適当接客にイラッ…美容院を変えたいけどメリットはある?
 長年、同じ美容院に通っている人は多いですよね。でも、中にはだんだん違和感や不満を感じて美容院を変えたいと考えるようにな...
夫が求めても無理!倦怠感をなくす更年期の心得~専門家監修
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
「写真が苦手」を克服!デジタル時代を生き抜くちょい盛りメイク術
 デジタルが進化した今の時代、写真撮影はとても身近になっています。でも中には、「いつも写真写りが悪い」「顔に自信がないか...
“垂れ乳”は断固拒否! 簡単バストケアで40代でもふっくら美胸をキープ
 40代頃からだんだん、バストのハリが弱くなってきたと感じる人が増えてくるとか……。このまま50代になり、しょぼしょぼに...
加齢たるたるのあるある<2>お尻の下のそれはマイナーな悩み
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんのこじらせ...
輪郭すっきりで5歳若見え! 超簡単セルフ小顔マッサージ4選
 40代になると、だんだん顔がふっくらしてきたり、たるみが目立ってきたりと、フェイスラインの変化を実感しはじめますよね。...
美容オイルで保湿!アラフォーで凄さを実感、ガチ使い3品♡
 30代半ばまで肌のハリを気にしたことがなかったのですが、最近気になりだしました……。そこで乳液をオイルに変えたところ、...
疲れやすい、眠りにくい!“幸せホルモン”不足を解消するには
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
巨乳女子の攻防戦「今絶対見てたよね?」胸が大きいあるある
「胸が大きくて羨ましい」と言われるたびに、「いやいや結構ツラいんだよ」とため息をつく巨乳女子も多いはず。「大きな胸は男を...
プチプラ服ですが何か? 40代女性向け“高見え”のコツ6カ条
 40代を過ぎると「もう40代なんだから、プチプラ服は卒業しようかな」と思ってしまう人もいますよね。でも、できれば節約し...