我慢強いA型長女は返上! がんがくれた「キャンサーギフト」

コクリコ 編集者
更新日:2019-09-24 06:27
投稿日:2019-06-25 06:00

決断→怒涛の告白LINE

 ひとり電車に乗り、座席につくと涙があふれます。心配させちゃったな……。

 手術して、元気になって、母より長生きしよう。
 できるだけ母に心配をかけないようにしよう。
 でも、辛い日だってあるだろう。
 そんなときは頼れる人にどんどん頼ってしまおう。
 甘えてしまおう。

 積極的に誰かに頼ることのできなかった、意地っ張りで我慢強いA型長女、はじめての決断です。

 帰りの電車で友達にどんどんLINEします。

〈子宮頸がんになっちゃったんだ。今朝は救急車に乗ってね……〉

 こう伝えると

〈そういうときはいつでも連絡して! 夜中でも行くから!〉
〈つらいときはうちにおいで~〉
〈絶対大丈夫! 治るよ!〉
〈知り合いの知り合いがお医者さんだから聞いてみる!〉
〈どうしてもっと早く言ってくれなかったの~〉

 と、たくさんの優しい返事をもらえました。

 大丈夫。私の周りにいる人はみんな優しい。きっとみんなに支えてもらえる。

今あるものをもっと大事にしていこう

 手術前に友人宅に集まって、友達3人と私でご飯を食べました。そのことを母に写真つきで報告し、

〈みんながいつでも連絡していいって言ってくれたよ! おばあちゃんになってもみんなで旅行に行こうって言ってたよ!〉

 と伝えると、

〈お母さんは、安心しました。コクリコちゃんがいいお友達に囲まれていることが本当にうれしくて、涙が出ます。きっとコクリコちゃんもお友達に優しくしてきたってことね。あなたはお母さんの誇りです〉と返事が来ました。

 先生の言葉を借りると「キャンサーギフト」

 がんという命にかかわる病気になってはじめて気づく、命の大切さ、時間の大切さ、人のやさしさやあたたかさ。それをがんがくれたギフトだというのです。

 がんになんかならなくても気づきたいものですし、これまでの自分がそれらをないがしろにしてきたとも思いませんが、がんになってから「私は優しい人たちに恵まれているな」とつくづく感じました。

 結婚もしてないし、子どももいないし、と自分を悲観することも多かったですが、今あるものをもっと大事にしていこうと気づかされました。

 さて手術日までのカウントダウン。私がどう過ごしていたかはこの次に――。

 次回に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


#2「普通の女」に負けた美人は怨念まみれのSNSがバズり快感を覚える
【#1のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな彼女の...
「鉛筆なめなめ」「セクハラはやめて」悲しきおじさんビジネス用語3選
 会社に勤めている人なら、50代以上のおじさんたちが「おじさんビジネス用語」を使っているのを聞いたことがあるかもしれませ...
経験は「ナマモノ」…感情も感度も“錆びた大人”になっていませんか
 人生において経験は重要ですよね。これから先の未来や、あるいは後輩たちを助けられるかもしれません。  だけど昔の経験に...
あなたにとっての「過去」はいつ? 過去を閉じ込めた空間で
 過去という言葉の意味が広すぎて、思い浮かべるイメージがまったく違うと気づいた。  ある人は自分が小さかった頃を、...
奢り奢られ問題…リュウジ氏にもう港区くるなよ?の反論、私達が学ぶこと
 ネットを大いに騒がせた「奢り奢られ問題」。料理研究家のリュウジ氏のSNS投稿が火種となり、多くの意見が寄せられました。...
15キロ太ったからつまんないの? “サイズ44”に教えられた自分の本音
 2度の出産と加齢と腰のヘルニアを経て、5年をかけて15キロ太りました。実はそれについては人が思うほどは気にしていない…...
5年に1度の逸材にゃ!ノーブルすぎる“たまたま”に思わず合掌
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「出世したくない人」激増のナゼ 共通する特徴と4つの理由に妙に納得…
 令和の今、社会人の中でも「出世したくない」と考える人が非常に増えているようです。少し前まではどうにかして出世してやろう...
ハロウィンの新顔!小粒な「ソラナムパンプキン」は枝にぶら~んぶら~ん
 まもなくハロウィン。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋さんに、今年も大きなパンプキンが店頭を占拠する季節がやってま...
26歳ギャラ飲み女子の貯金額は3000万円!昼はOL、非港区系の堅実生活
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
いくつになっても、誰かに褒められるのはやっぱりうれしい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
出産を機に中途半端なキャリアに…今にマッチした働き方は?
 先日X(旧Twitter)で、米ハーバード大学教授のクラウディア・ゴールディン氏がノーベル経済学賞を受賞したニュースを...
シンデレラ城より“我が城”が好き!LINEが示すめんどくさがりやの実態
 めんどくさがりやの人は、できるだけ身動きしないで済むように、いろいろな方法を駆使し、少しでも楽な生活を追求していますよ...
水しぶきの向こうに見えた太陽 長く暑かった季節を偲んで
 次の季節に向かうとき、少し寂しくなるのはなぜだろう。  高3の夏の終わりに自分の手でプールのカギを閉めたときとは...
パーフェクト“たまたま”の精悍&クールな眼差しに痺れちゃう
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
発達障害グレーゾーンの長男が憎い…ある一言で私の何かがプツンと切れた
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...