槙野万太郎史上、最大のピーンチ! 初の論文でヘタを打ってしまった

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-07-28 15:00
投稿日:2023-07-28 15:00

NHK朝ドラ「らんまん」~第17週「ムジナモ」#85

(C)NHK
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「ムジナモ」の開花から4カ月。寿恵子(浜辺美波)は第2子を授かり、園子も1歳3カ月に。

 田邊家では、政府高官の森有礼(橋本さとし)が来訪。森が初代文部大臣になることで、田邊は引き立てられ、女学校の校長に就任する。

 徳永(田中哲司)がドイツに留学し、助教授の大窪(今野浩喜)が植物学教室をまとめる立場に。

 自身が見つけた水生植物「ムジナモ」について、田邊教授(要潤)から「論文を書け」と言われた万太郎(神木隆之介)は、その恩に応えるため水生植物「ムジナモ」についての研究に没頭。

 ついに論文と植物画が完成し、それが掲載されている「日本植物学雑誌」を田邊以下、植物学教室の仲間にお披露目。その素晴らしい出来栄えに、学生たちが賞賛するなか、田邊の顔が曇る――。

【本日のツボ】

(C)NHK
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「ミスター槙野、今後、我が東京大学植物教室への出入りを禁ずる」(田邊教授)

 ※※以下、ネタバレあります※※

「ミスター槙野、君は自分の手柄だけを誇っているんだな」という田邊の言葉に植物学教室の空気は一変。論文に田邊の名前がないことに気付いた大窪が、「おい、教授の名前は?」と万太郎を強めに問い詰めます。

 大窪は万太郎に救われて仲が良かったはずなのに、その言い方、と思いました。立場は人を変えてしまうのでしょうか。

 さらに、「お前が見つけたムジナモが、【Aldrovanda vesiculosa】であると突き止めたのは教授だ。だが、お前は自分が見つけたという報告しか書いていない。……いかに貴重な物を見つけても、何であるかわからなければ、論文は書けなかったはずだ。当然、教授と共著のかたちにしなければならなかった」と。

 そして、事務局長としての自分の落ち度だと、田邊に頭を下げ、「今号はすべて破棄し、新しく刷り直します」と言い、万太郎に、共著として教授の名を入れろ」とこれまた強めに万太郎に命じます。

なぜお怒りポイントを教えなかった?

 それにしても、万太郎は初めて論文を書くわけだし、大窪も指南してあげてもよかったのでは。波多野(前原滉)&藤丸(前原瑞樹)も教授のお怒りポイントはわかり過ぎるくらいわかっているのだから、万さんになぜ教えないかねえ。

「もういい!」と自虐的に笑う田邊。「槙野さん」「槙野さん」と万太郎を慕う人々の顔が次々とよぎり、「何を期待していたんだか。もういい!」と声を荒げ、「ミスター槙野、今後、我が東京大学植物教室への出入りを禁ずる」と出禁命令。

 万太郎史上、最大のピーンチ! どうするどうなる万太郎!!

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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