NHK朝ドラ「らんまん」~第22週「オーギョーチ」#106
明治26年。徳永教授(田中哲司)に正式な助手として迎えられた万太郎(神木隆之介)は、7年ぶりに植物学教室に戻ってきた。そこは、以前とは違う空気が漂っていた。
徳永教授に教授室に呼ばれた万太郎は、教室内の標本を充実させること、と命じられる。
徳永にドイツの植物学の状況を尋ねた万太郎に、「標本を集めてきた歴史が違う。数で勝てるわけがない」と徳永。「勝ち負けでは……」と万太郎が口を挟むと、「勝ち負けなんだ、槙野。我が帝国大学は国家の機関だ。国の金で国家の求めに応ずるため研究している」と。
徳永からも、大窪(今野浩喜)からも「古いんだよ、お前は。地べた這いずり回る植物学は終わったんだ」と言われる万太郎――。
【本日のツボ】
Guten Morgen(グーテン・モルゲン) by徳永教授の挨拶
万太郎が大学を追放されてから、7年の月日が流れたというのがよくわかるエピソードでした。
不老不死の草でも発見したのかというくらいまったく年を取らない万太郎に、どのくらい年月が経っているのか、つい忘れがちですが、確実に月日は流れていました。
廊下には書架が置かれ、蔵書数も格段にアップ。通路が狭くて歩きづらそうですが(笑)。
さらに、院生が責任者となり、学生たちが標本の検定を行うようになっていました。学生たちのやりとりを見て、一瞬にして間違いを正した万太郎、さすがです。が、裏を返せば、万太郎が、「一生を賭けて日本中の植物の名を明らかにする」とやっていた仕事が、もはや学生でもやれる作業でしかなくなっていることに。
万太郎のモチベーションが心配になります。それにしても、万太郎への当たりが強い大窪。が、それも万太郎を思ってのことかもしれません。「俺は切られたよ」という大窪の不穏な言葉で終わり、ゾワリです。
「グーテン・モルゲン!」
それよりもなによりも、7年ぶりの植物学教室で一番の変化は「グーテン・モルゲン!」という徳永教授の挨拶です。
田邊(要潤)色を払拭するとはいえ、アメリカかぶれから、まさかのドイツかぶれに。
「さあ、植物学を始めよう!」という田邊のお決まりの台詞も、ドイツ語に変わっていました。付き合わされる植物学教室の皆さん、ご苦労様です。
小道具もドイツ風に
教授室もドイツ風に模様替え。最初に目に飛び込んできたのは、兵隊さんの「くるみ割り人形」でした。チャイコフスキーのバレエ曲でおなじみの「くるみ割り人形」ですが、原作はドイツの作家E.T.A.ホフマンによる童話で、ハンドメイドの木製「くるみ割り人形」はドイツのお土産の定番でもあります。
北海道の熊がシャケを加えた木彫りの置物のようなものでしょうか。
驚いたのは、とてつもなく大きな徳永教授ご自身の肖像画です。デスク横の国旗といい、あの万葉集を愛した徳永教授はどこへ……。
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