更新日:2024-09-03 13:53
投稿日:2023-09-22 06:00
体の相性の良さに感激
――続けてください。
「その後、交際は順調に進みました。彼も電球の件以来、『視える』話は一切しなかったんです。普通の恋人のようにデートをして、お互いの家を訪ね、初めてのお泊りは、夜景の美しいシティホテル……驚いたのは体の相性の良さです。
私の体を知り尽くしていると思えるほど、的確に快楽のツボを突いてきて……これには骨抜きになりました。
そして、バースデープレゼントにも驚かされたんです」
驚愕のバースデープレゼント
――バースデープレゼント……ですか?
「はい。贈られた小箱を開けて、目を見開きました。私が大切にしていたパールのピアスで、同じブランドの全く同じもの。それも片方なくして身に着けることができず、ずっとクローゼットに眠っていたものです。
――どうして……これを……?
驚きのあまり『ありがとう』とお礼の言葉すら言えませんでした。
――弓香に似合うと思って。
その屈託のない笑みを見た瞬間、ハッとして慌ててお礼を述べたんです。
――ありがとう。実は同じピアスをなくして、ずっと着けられずにいたの。嬉しい。
――そうだったんだ。逢えない時は僕だと思って着けてくれたら幸せだ。
こうして私たちは結婚に向けて、交際を進めていったんです。
心に引っかかる不安を打ち消すほど、彼が与えてくれる幸せな時間、何よりも女の悦びは絶大でしたから……」
次回に続く。
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