肩~頭皮までガチガチ【専門家監修】肩こり解放メソッドでもう悩まない

コクハク編集部
更新日:2024-01-25 06:00
投稿日:2024-01-25 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. 肩だけじゃなく頭皮もガチガチ! どうすればいいの?

 今回は、広海さん(39歳女性/仮名)からご質問を頂きました。

頭痛と首のこりに加えて、眼精疲労と肩こりに悩まされていて、どこを治せば改善されるのかわかりません。どうすればいいですか?」

 広海さんは、肩を触りながら眉間にシワを寄せてつらそうに話します。

「いろいろな症状が重なるとつらいわよね。たしかに、これほどまでに症状が重なるとどこを解消すればいいのかわからないわよね」

「そうなんです! しかもこのあいだ、美容師さんに『頭皮がガチガチにこってますよ』って笑いながら言われて。肩だけじゃなく頭皮までこっているなんて、ちょっとショックでした」

 これは放っておけません!

2. 肩こりってどうして起きるの?

「肩こりは血行不良が原因というのはなんとなく知っているのですが、なぜ血行不良になると肩こりが起きるんですか?」

「そうね。血行不良になると筋肉に老廃物や疲労物質が蓄積されて、筋肉が緊張状態になるの。緊張状態はこり固まった状態、つまり肩こり状態のことね」

「なるほど。そういうことですか! 他にも原因ってありますか?」

「たくさんあるわ。眼精疲労やストレス、同じ姿勢を続けることが原因で肩こりが起きることもあるの。ストレスや同じ姿勢の継続は、血行不良につながって肩こりを起こすの。

 眼精疲労の場合は、ピント調節機能の筋肉は副交感神経の司令によって働くのだけど、目を使っているときは交感神経を使わないといけないから、目を酷使すると自律神経のバランスが乱れて肩こりを引き起こすといわれているわ」

「なるほど。私の場合、パソコンを使う仕事だから、眼精疲労が原因かもしれないんですね。でも、肩こりでなぜ頭痛が起きるのですか?」

 広海さんは、不思議そうに尋ねます。

「いい質問ね。肩こりによる頭痛は緊張型頭痛に当てはまるのだけど、肩こりによって血流が不足すると頭蓋骨の筋膜にまで影響が及んで、頭痛が引き起こされることがあるのよ」

「なるほど。じゃあ、私はまずは肩まわりの血流を改善しないと、頭痛も頭皮や首のこりも治らないんですね。でもどうすれば…」

「大丈夫よ。次に肩こりから解放される方法を伝えるわね」

3. もう肩こりに悩まない。解放へのメソッド

 肩こりを改善する方法はたくさんありますが、今回は簡単に取り入れられる方法に絞って5つ紹介します。

3-1. 改善のための栄養素

 肩こりの改善が期待できる栄養素は以下の通りです。

●ビタミンE:血管を拡張して全身の血流を促す

●ビタミンB12:神経の働きを保ち筋肉の働きを助ける

●クエン酸:筋肉疲労を回復する

<ビタミンEが豊富な食材>

 アボカドやアーモンド、ごま、かぼちゃ、うなぎなど

<ビタミンB12>

 しじみやアサリといった貝類、イワシ、サバといった青魚など

<クエン酸>

 梅干し、グレープフルーツ、レモンといった柑橘類など

 食事ですべてをバランスよく毎日摂取するのは難しいでしょう。そのような方は、サプリメントで補いながら食事の栄養バランスを意識するように心がけましょう。

3-2. 座り方の見直し

 座った姿勢が猫背だったり、あごが突き出て首が前に出たりしていると、肩こりを招くので、座り方を見直しましょう。

 正しい姿勢の作り方は、以下の通りです。

(1)背もたれに寄りかからないよう浅めに椅子に座る

(2)おへその下に力を入れて骨盤を立て背筋を伸ばす

(3)目線が20~30度下を向くようにパソコン画面の角度や椅子の高さを調整する

 上記に加えて、こまめに休憩をはさみ、からだを伸ばすことが大切です。

 正しい姿勢であっても、長時間続けると血流は悪くなります。なるべく30分?1時間に1回は立ち上がってストレッチしたり歩いたりしましょう。

3-3. 温めることのメリット

 温めることで血管が拡張し、血流がよくなって肩こりの改善や緩和が期待できます。

 また、肩こりの原因となるストレスも、温めることで解消につながります。

 ただし、急性の肩こりには冷やすのがおすすめです。温めるのは慢性的な肩こりに悩む場合に行いましょう。

3-4. 漢方薬に頼ってみる

 なかなか肩こりが改善されない場合は、漢方薬に頼ってみるのもおすすめです。

 漢方薬は、ストレスや血行不良、冷えなど肩こりの原因や、一人ひとりの体質に合わせて選びます。

 一般的に副作用も少なく、決まった量を飲むだけなので気軽に試しやすいというメリットがあります。

 肩こりに効く漢方薬には「葛根湯(かっこんとう)」、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などがありますが、体質に合わないと効果がないため、医師や薬剤師、登録販売員に相談して試してみるといいでしょう。

3-5. ハーブティーで気持ちもリラックス

 ハーブティーのなかには「血流をよくする」「ストレスを緩和する」「痛みを和らげる」といった効果をもつものもあります。

 これらの効果がある代表的なハーブは、ローズマリーやタイム、カモミール、ハイビスカス、ラベンダーです。

 寝る前や仕事の休憩中に飲んでみてはいかがでしょうか。

4. からだを動かすアプローチ

 からだを動かすアプローチとして、下記のヨガのポーズをご紹介します。

【安楽座のポーズ】

 安楽座のポーズは、あぐらの姿勢でゆっくり呼吸をするポーズです。

<手順>

(1)片足のかかとをからだの縦軸の中心に寄せる

(2)片脚を前に出した形であぐらを組む

(3)両手をそれぞれ両ひざの上に置き、呼吸を繰り返す

 首と肩に意識をめぐらせながら呼吸を繰り返すこと、坐骨とひざを安定させることがポイントです。

【わしのポーズ】

 わしのポーズは、立ち姿勢で行うポーズです。

<手順>

(1)立ったまま両手を腰に当てる

(2)骨盤を下げるイメージで下半身を安定させた状態で右足のつま先を左足の外側におく

(3)お尻を軽く後ろに引き、右足のつま先を左足に絡ませる

(4)太ももの間を密着させながら腰を立てる

(5)下腹を軽く引き締め、左手を前に出して片手拝みをする

(6)片方の腕を左腕の下に差し込み、手のひらを合わせ視線は指先に向ける

 重心が崩れないよう、下に重心を持っていくイメージでバランスを保つのがポイントです。

【賢者のポーズ】

 賢者のポーズは体幹を鍛えるのに効果的なヨガのポーズですが、肩こり解消も期待できます。

<手順>

(1)四つん這いの状態になり、肩甲骨は軽く外側に出す

(2)左脚を後ろにひき、左手はお尻にのせる

(3)支えている右手は、胸の広がりを感じやすい位置に移動させる

(4)息を吸いながら左腕を上げて胸を開き、深呼吸を30秒行い、吐きながら四つん這いに戻る

(5)反対の向きも同様に行う

 脇腹は柔らかく伸ばし、手に体重をのせるのがポイントです。

【ダウンドッグ】

 循環がよくなり代謝アップや疲労回復につながるポーズです。また、猫背気味の姿勢による肩こりを解消する効果も期待できます。

<手順>

(1)肩の下に手をつき四つん這いになる

(2)手足の位置を変えずにお尻を上げて山の形を作る

(3)床にかかとをくっつけるようにひざを伸ばす

 顔は床を向き、頭とお尻が一直線になるイメージでポーズを作りましょう。

5. 肩こりはさまざまなアプローチで解消

「肩こりは血行不良により筋肉が緊張している状態だから、血行を促す食事や姿勢、からだを動かすことを意識してみてね」

「ありがとうございました! 肩こりから解放されるために、できることから実践していきます!」

 優しい表情でサロンを去っていく広海さんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


年々シミがね…いつから紫外線対策ガッツリやる? 対策法も
 寒い季節は紫外線をあまり気にしない人も多いですが、気温が上がってきて日差しが強くなると「対策をしないと!」と、焦ってき...
絶対失敗したくない!「エステサロン選び」で大事な3STEP
 美しくなりたい女性の味方「エステサロン」。美のプロフェッショナルたちが、専門的な施術でさまざまな悩みを解決してくれます...
2022年春夏“一着入魂”するなら? トレンドカラー6色から選ぶ
 2022年の春夏♡ 今年はどんな色がトレンドカラーになっているのか、気になっている人も多いでしょう。そこで今回は今年の...
思い込み厳禁!「セルフ肌診断」3STEP&肌質別お手入れ方法
 ある程度の年齢になると、普段の肌の状態から自分の肌質を把握し、予想している人は多いでしょう。しかし、意外にも自分の肌質...
疲れ切った夜は…W洗顔不要の“時短クレンジング”4選に甘える
 仕事や家事、子育てをしている女性たち。夜のクレンジングをする時間にはクタクタで「クレンジングしてから、さらに洗顔なんて...
流行りの「キレイ色」多すぎ…大人だから似合うおすすめは?
 暗めの色がしっくりくる秋冬が終わり、いよいよ春に向けてコーディネートも変えていきたい気分♡ でも、大人女子になると、た...
げっ、セルフネイルが剥げた! 対処法4つ&出先での応急処置
 リーズナブルにいろいろなカラーを楽しめるセルフネイルですが、手軽にできるぶん、剥げやすいというデメリットがありますよね...
メイク賢者が使うコンシーラーと仲良くなる!浮く原因&対策
 シミやニキビ痕、くすみやクマなどを隠すのに欠かせないコンシーラー。とても心強いアイテムですが、意外と多いのが「コンシー...
眉毛が濃いのを薄くしたい…自眉の印象操作は恋愛より簡単!?
 眉毛は、思っている以上に顔の印象を大きく左右するものです。薄い場合には描き足せばいいですが、濃い場合はどのように対処し...
「あっ…」焦る瞬間ない? “尿もれ対策”簡単トレーニング4選
 尿もれトレーニングなんて、自分には関係ないと思っていませんか? 実は尿もれは高齢になってから起こるものとは限らず、病気...
【毛穴ケア】「ポアプライマー」のメリット&使い方のコツ
 小鼻や頬に開いた毛穴があると、メイク崩れやテカリ、ムラなど、いろいろなトラブルの原因になってしまいますよね。そんな時に...
夕方のババ顔をマシにする「1日崩れないメイク」基本の4カ条
 毎朝、時間をかけてメイクをしているのに、夕方になるとテカリや汗で頬も目の周りがドロドロに……そんな悩みはありませんか。...
スケジュール別「花嫁美容」で自分史上最高の“美ボディ”に!
 人生の大きな晴れ舞台である結婚式。一生を一緒に歩んでいく新郎はもちろんですが、家族や友人たちにも、360度美しい史上最...
垂れ目メイクはモテの極み!特徴4つを押さえて“優しい女”に
 柔らかく穏やかな印象の「垂れ目風メイク」。男性からも好印象を持たれやすいので、「垂れ目=モテ顔」と思っている人もいるか...
1600円でオトナの涙袋が叶う!ガチ推し「ドーリーウインク」
 時短美容家の並木まきが、数ある優秀コスメの中から「神コスメ」に認めるほど、優秀すぎるコスメを選りすぐってご紹介。今回は...
ボサ子卒業!ツヤ髪になるまでの期間&今すぐやめたいNG習慣
「髪は女の命」といいますが、確かにツヤ髪の女性は若々しく見えますよね♡ でも、実際には、乾燥やダメージ、バサバサと広がる...