両乳房と卵巣を失った40代主婦、婚外恋愛の彼と関係が狂い始めて #1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-09-03 13:54
投稿日:2024-02-02 06:00

両乳房の切除に加え、卵巣も

――ショックでしたね…おつらいでしょうが、話せる範囲でお聞かせください。

「夫は『費用の面は心配しなくていい。俺が責任を持つから』と言ってくれたのが救いでした。ただ、がんの治療は私の人生を大きく変えるほど残酷なものとなりました。

 ステージ2とはいえ、私の母が同じ乳がんで亡くなっているため『遺伝』と診断され、両乳房の切除になったんです。

 この遺伝性というものがかなり厄介で、がんの転移や再発防止も考慮し、2つの卵巣の切除も決まりました。

 女性ならご理解いただけると思いますが、両乳房を失う現実は、言葉にできないほど悲しくて…。真っ先に思ったのは『豊さんと今までのように愛し合えない』という無念です。

 そして、卵巣も切除するわけですから、自動的に閉経を迎えます。女であっても女じゃない体。命を守るために『女』を捨てる選択をしなければならない現実に、その場で泣き崩れてしまいました。

 そして、医師に聞いたのです。

――先生、私、生きられますか?

 医師は『最善を尽くします。なので香織さんも頑張りましょう』と励ましてくださりました。その後、化粧室に行って豊さんに連絡すると、彼も相当ショックを受けたようです。

――僕が香織を思う気持ちは変わらない。可能な限り香織をサポートするから。

 そう言ってくれて、彼の優しさにまた涙してしまって…」

がんと闘う日々

 その日から、がんと闘う日々が続いた。

「乳房の切除は2022年の5月にやりました。手術前夜、自分の体を鏡に映し、しみじみと乳房を見たんです。『明日でお別れ…ありがとう』と呟くと、涙が止まらなくて――。

 乳房を形成する手術の選択肢もありましたが、『異物を入れる嫌悪感』もあり、拒否したんです」

 結果、香織さんは乳房の膨らみと乳首を失ってしまう。

「手術が終わってから病院には夫も来てくれましたが、あまり会話が続かなくて…。着替えやタオルを持って来てくれた実妹と一緒に、息子も駆けつけて、『お母さん、早くよくなってね』と。

 そして家族のいない隙間を縫って、豊さんが来てくれて…。『香織、頑張ったね』と握りしめてくれた手が温かく、彼のために早く元気になろうと誓ったものです。LINEもマメにくれるようになりました。

 しかし、闘病は予想をはるかに超えた苦痛が伴いました。

 まずは7月から始まった抗がん剤の投与です。3週間に1度の点滴ですが、これが『赤い悪魔』と呼ばれる強めの抗がん剤で、投与すると、39度もの発熱、吐き気、倦怠感が起こるんです。

 当初は8回の予定でしたが、あまりにも副作用が強く、2回目でダウン。結果、週に1度投与する軽い抗がん剤に変えてもらいました」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

エロコク 新着一覧


脳みそがまさかの「性感帯」に…81歳によるわたしの破壊的H
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
マゾで無理やり願望がある私…憧れの3Pも本番でアクシデント
 そんなわけで幾人かの男性と逢瀬を重ね、出逢い系にも慣れてきた私。次なるチャレンジは……そう、3Pです。
「男性をHな映画に誘って発情させる作戦」が失敗する理由
 先日、とある20代のイケメンくんが私にグチってきました。年上の女性に映画に誘われました。それがかなり濃厚なシーンが多い...
内藤みか 2019-09-23 06:23 エロコク
チクニーに病みつき…乳首をい~い感じにくすぐる専用グッズ
 チクニーという語を聞いたことがありますか?  自分で乳首を刺激して気持ち良くなるプレーを指す語で、男性の間でかつ...
桃子 2019-11-12 04:45 エロコク
81歳のせいで超絶「セックス依存」になったわたしの日常とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
2人から同時に愛されたい…“複数プレイ”の楽しみ方と注意点
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-09-18 18:38 エロコク
普通の新卒OLも…副業に「高収入アルバイト」を選択する理由
「高収入アルバイト」を検索してみたことはありますか? 女性なら考えたことがある人も多いかもしれません。でも、やっぱり怖い...
伸びたアンテナが往復ビンタ…優しい刺激に甘やかされたい
 まず、この「ザロ ヒーロー」に付けられたキャッチフレーズを紹介します。「クリトリスを甘やかす」――。なんてすてきなの!...
桃子 2019-11-12 04:45 エロコク
操縦桿さえ…淫乱男を操縦するために必要なただひとつのこと
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
密着され撫でられ…際限のないセクハラに私の体調は悪化
 その女、「G」に出会ったとき、私は30代で、フリーランスの仕事をしていました。彼女は40代後半。私に仕事を依頼した会社...
男性の「賢者タイム」 女性が有効活用する方法を考えてみる
 カップルにとって避けては通ることができない問題――それが「賢者タイム」の存在です。  賢者タイムとは、男性がエッチの...
女性器リノベに投資する女たち#4…彼も私も満たされる膣改造
「膣の入り口をキュッと締めても、中のほうは締まっていない気がする」「セックスの時、彼はどう感じているのだろう?」「中イキ...
「48手ヨガ」女性ホルモンが増えてポカポカになるって本当?
 48手とはなにかご存知でしょうか。本来は相撲の決まり手の種類でしたが、江戸の頃からセックス時の体位バリエーションという...
内藤みか 2019-09-09 06:00 エロコク
連載史上最もハードな1本 挿入すると雷に打たれたような衝撃
 今回は、当連載が始まって以来、最もハードな1本を紹介します。「マイスティム ティックリング トルーマン」は黒々としたボ...
桃子 2019-11-12 04:44 エロコク
ひろしのネオ☆プロ彼女たちによる華麗なる世代交代とは?
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
その女と出張へ…ケイタイに登録されていた私の生理周期
 その女、「G」に出会ったとき、私は30代で、フリーランスの仕事をしていました。彼女は40代後半。私に仕事を依頼した会社...