乳房と卵巣を失った40代主婦「愛されたい…」マチアプで男漁り #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-02-21 20:26
投稿日:2024-02-09 06:00

「夢に現れた」にメッセージに熱いため息

――続けてください。

「純也さんとのチャットのやり取りは、毎日続きました。『今日は気温差があるようだから、体調崩さないようにね』という挨拶や、『仕事の合間に、アクアリウムのあるお洒落なカフェに来ました。仲良くなったら、香織さんをお連れしたいです』など、未来のデートについて。そして、私を一気に燃え上がらせたのが、以下のような文言です。

『昨晩、まだ会っていない香織さんが夢に現れました。自分でも驚きです。惹かれている証ですね』

 これには私も驚いて、つい、過剰に反応したんです。

――純也さんの夢に登場させてくれてありがとうございます。ちなみに、どんな夢でした?

 私はドキドキしながら、チャットを返しました。

――ショートカットの似合う可憐な香織さんと手をつないで…これ以上は話せません。

――続きを聞きたいな。少しだけでも教えて♪

 私は10代に戻ったかのようにときめいて、続きをねだったんです。

――怒らないでくださいね。キスして、抱きしめました。朝起きると、まだ腕の中に香織さんの感触が残っていて…幸せで、ちょっと切ない目覚めでしたよ。

 私は熱いため息を漏らしました。まだ会ってもいないのに、彼は夢の中で私とキスをして抱きしめてくれただなんて。

女として求められて嬉しい。でも…

 もし、リップサービスだったとしても、女として求められて、こんなに嬉しいことはありません。なので、

――それ、きっと正夢ですね(笑)。

 そう返したんです。そこからは、彼のアプローチに拍車がかかりました。

――香織さん、無礼なのを承知で言います。まだ出会ったばかりだけれど、どうしてもあなたに会いたくなりました。

――私も…純也さんにお会いしたいです。

――今週、お時間はありませんか? 僕のほうは香織さんに合わせます。

――まだ、顔写真の交換もしていないのに、私でいいんですか?

 顔写真を相手に公開した時点で『ごめんなさい』と断られたり、ひどい場合はブロックされることもあるらしく、私はちょっと弱気になりました。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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