乳房と卵巣を失った40代主婦「愛されたい…」マチアプで男漁り #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-02-21 20:26
投稿日:2024-02-09 06:00

過去の恋愛を話すうちに…

 そんな私の気持ちを知ってか知らずか、純也さんは過去の恋愛について聞いてきたんです。

――プロフィールに『婚外恋愛で失恋』と書いてあったけど、香織さんのような素敵な女性を振る男の気持ちが理解できないな。でも、そのお陰で香織さんと出会ったんだから、感謝しなくちゃいけないかな。

――つらい経験でしたけど、こうしてサイトで純也さんのようなダンディな方とお会いできて、不思議な気持ちです。

 私は登録してたった1週間で素敵な紳士とデートしている事実に酔いしれました。

――僕もです。『運命』という言葉は軽々しく使いたくないけど、香織さんとは運命を感じています。

――嬉しい。

 私は触れ合ったひざをさらにギュッと押し付けました。グラスを持つ彼の手は大きくて男らしさを感じさせて…。

 この手に触れられたい。乳房はなくとも、ヴァギナを思いきり掻きこすられたいとの思いが強まっていって…。

 ただ、乳房を切除していることは言えません。どのタイミングで打ち明けていいのか…。

「ヤリモクかもしれない」の不安を抱くも

 しばらく飲んでいると、彼の手が私のカウンターの下の太ももに置かれたんです。

――あっ…。

――しーっ、声を出さないで。

 彼は声を潜めながら、なおも私の太ももを撫でまわしてくるんです。

(もしかして…これがヤリモク?)

 私はハッとしました。ネットの掲示板に書いてあった『ヤリモク(セックス目的)に注意』『やり逃げされてショック』等の被害スレッドを思い出したんです。

(確かに、初回からホテルでセックスはヤリモクかも…)

 不安に包まれたものの、久しぶりに男の人に求められる快感にはあらがえません。見方を変えれば、私だって抱かれることを想定していましたから…。

 私は息を乱しながら、彼のフェザータッチを受け続けたんです。お尻をもじつかせ、思わず下を向きました。

――香織さん、恥ずかしがる顔も魅力的だ。

 そう告げた純也さんの手がスカートの奥へと忍びこんできたんです」

 次回に続く。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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