まるでコント!寅子との恋フラグは立たず、崖から落ちる花岡(岩ちゃん)

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-04-24 14:35
投稿日:2024-04-24 14:35

NHK朝ドラ「虎に翼」~第4週「屈み女に反り男?」#18

 親睦を深めるためハイキングに行くことになったが、花岡(岩田剛典)たちの態度に溝を感じ、浮かない気持ちの寅子(伊藤沙莉)。梅子(平岩紙)は三男・光三郎(石塚陸翔)を連れてきて、皆で楽しくおにぎりを食べる。

 だが小橋(名村辰)らが光三郎の前で梅子の夫に妾がいることを誇らしげに話す。信じられない思いの寅子たち。

 梅子の家庭の事情が明らかになる一方、花岡は山道で足を滑らせてしまい…。

【本日のツボ】

花岡に翼なく…。好感度とともに奈落の底へ。

 ※※以下、ネタバレあります※※

 これまで、紳士的な対応をしていた花岡の「女ってのは、優しくするとつけ上がるんだ。立場をわきまえさせないと」発言にモヤモヤを感じつつ、ハイキングに。いつもの着物姿ではなく、ブラウスにスカート、白い帽子姿の寅子が新鮮です。

 慣れない靴を履いて歩いたせいか、靴擦れしてしまう寅子。そんな彼女を花岡がこれまた紳士的な対応で、自分の手ぬぐいを切り裂き、靴擦れした患部に巻いて、優しく手当てしてくれました。

 友和&百恵ちゃんの「伊豆の踊子」でも鼻緒が切れて挿げ替える、こんなシーンがありました(古くてすみません)。これはもう恋の予感、恋愛フラグというやつでは、と思っていたら…。

 梅子の夫に妾がいることを、子どもの前で話す男子学生にキレる寅子。そこに花岡も加わり、「君たちはどれだけ特別扱いされれば気が済むんだ」と寅子と口論になります。

「まさか朝ドラでワイヤーアクションをやるとは」

 花岡を思わず押してしまう寅子。厳密にいえばそれが原因ではなく、手をついた棒がぐらつき、バランスを崩してしまう花岡。そのまま、足を滑らせ崖の下へ。

 問題はその落ち方です。「あ~」と手足をバタつかせ、ゆっくりと落下していくさまはまるでコント。岩ちゃんが公式で、「まさか朝ドラでワイヤーアクションをやるとは」とコメントしていたのはこのことだったのですね。

 朝から笑いをありがとう。このまま、時空を超えて殺人犯(by TBS日曜劇場「アンチヒーロー」)に転生してしまうんじゃないかと、ドキドキでした。

 花岡の化けの皮が剥がれ、好感度も爆下がり。病院で反省してくれればいいのですが。

 その逆で、轟太一(戸塚純貴)の好感度は上がる一方。人は見た目で判断してはいけません。

桧山珠美
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大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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