スマホを持たないサブカル老人の願い「本屋に行く楽しみを奪わないで~」

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2024-06-08 06:00
投稿日:2024-06-08 06:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞として注目を集めています。

国が書店を支援ってどういうこと?

 数年前まで出版関係のデザインの仕事をしていたこともあって、仕事を辞めた今も書店に行くのが趣味であり日課になっている。

 ほぼ毎日、散歩ついでに書店を回るのが老後の小さな楽しみなんだけど、先日久しぶりに寄った書店が閉店していてショックだったよ。好きな店だったのになぁ。

 これってある地域だけじゃなくて、全国で起こっている問題なんだよね。この20年で書店の店舗数はほぼ半減していて、地域に書店がひとつもない「無書店自治体」は全国の自治体の4分1にのぼるとか…。

 本や雑誌を直接手に取って購入できない人が増えてるっていうんだけど、コレかなり深刻な状況なんじゃないの?

――ネット書店とか電子書籍を利用する人も増えていますしね。山口さんみたいに、スマホもパソコンを持ってない人にとっては死活問題ですね。

 そうなんだよ~!! やっぱりインターネットの普及による紙の出版物の不振や、ネット書店の伸長が向かい風になっているよね。

 あとは雑誌が売れなくなったことも大きな理由のひとつみたいだよ。雑誌が売れてた頃って多くの人が毎月雑誌を買うため、定期的に街の書店を訪れる習慣があったもんね。

 最近はTikTokとかインスタ発のトレンドも多いし、今の若い人達からしたら、オレみたいに毎日書店をうろついて何か面白そうな物を捜すような行動って、ずいぶんコスパが悪く見えるんだろうな。

 AIが好みの本をセレクトしてくれる…とかいうサービスまで出てきたらしいけど、正直余計なお世話だよ。人工知能にオレの何がわかるっていうんだよ!!

 ──まあ、そういう需要もあるんでしょうね。

 …と思ったりするんだけども(気を取り直して)。この3月、ついに書店業界の現状を問題視した国が動き出した。経済産業省が書店振興のためのプロジェクトチーム(PT)を設置したんだ。

 だけど、書店以外にも衰退しつつある業種っていろいろとあるはずなのに、なぜ書店に限って国が支援に乗り出したのか、ちょっと不思議じゃない?

書店の減少が国力に影響のなぜ

 PTでは文化の基盤である本や活字に人々が広く触れる環境がなければ、新たな魅力的な発想が生まれないだろう、という理由から、映画や音楽をはじめとした「コンテンツ産業の振興」を揚げている。

 世界経済のグローバル化が進む時代に経済が成熟する中で、自国のサービスや商品が海外で勝ち抜くには「文化による付加価値」が必要不可欠なんだろうね。

 日本にとっては音楽や映画、特に日本のマンガやアニメとかのエンタメって、海外からも注目される“グローバル産業”なワケで、書店の減少が国力の低下に直接影響すると考えているのかな。ちょっと遅い感じもするけどね。

 ちなみに、いまや“エンタメ大国”の韓国では、日本の文化庁やスポーツ庁にあたる文化体育観光省が管轄する韓国出版文化産業振興院が支援事業を担当していて「独立系書店」と呼ばれる中小の書店が活気づいているんだとか。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


自分の「老後の不安」どうする? お金と健康が気になる人へ
 介護士をしていると、高齢者と接する以外にも定年間際の人たちから「老後は、どうしたらいいの?」と質問を受けます。社会問題...
ママになっても…鏡に映る「セクシーな私」は原動力になる
 独身時代「美」や「セクシー」の追求ばかりしていた私が、結婚後、家事に育児にと日々追われ「食事や睡眠時間すらないのに自分...
背中に太い針! 9時間の“がん退治”手術後に待っていたもの
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
姿勢よく尻尾をピン! 男前“にゃんたま”君の向かう先は?
 きょうは、折り目正しいにゃんたまωにロックオン!  シッポはピンと天高く、膝をしっかり上げて草むらを前進。カッコ...
子育てと仕事の両立どうする? 疲れた時に試すべき方法4つ
 筆者も現在、保育園児を2人養育しています。常々思うのは、子育てをしつつ仕事をすることは大変だということ。きっと筆者と同...
真面目はソン!頼むハードルを下げて早く仕事を終わらせよう
 毎日、仕事に終われる日々。 真面目にやっているのに新しい業務を押し付けられて残業……みたいな状況になっちゃいますよね?...
いざ卵子凍結するため病院へ…施術が始まるまでの長い道のり
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。そんな状況を変えるために、ミレニアル世代...
おいとましてほしい女友達とは? 実は嫌われているその一言
「あの子の言葉、なんか鼻につくのよね~」  女同士が集まって女子トークが盛り上がるときのネタは大抵、彼氏や旦那の悪口で...
宇宙と秩序の花「コスモス」 お部屋に飾って女子力アップも
 夏の夕暮れにトンボが飛び始めると、だんだんと日が短くなり夏の終わりを感じてなんだか物寂しく、ちょっぴりセンチメンタルな...
子どもと電車の長距離移動! 飽きさせない&騒ぐ時の対処法
 電車やバスなどの公共機関で小さな子どもと出かける時、楽しさ反面、「イヤイヤしたら?騒いだらどうしよう……」と親は心配で...
絶妙なポロリ感…ひょうきん茶トラの“にゃんたま”をパチリ
 きょうは、「茶トラ白」君のにゃんたまωにロックオン。  茶トラの中でも、白い靴を履いているみたいでかっこいいだろ...
介護はやっぱり家族が? 貧困家庭はどう切り抜ければいい
「親の介護をしてあげたい」と思っても、大きな問題になるのがズバリ、お金のことでしょう。  介護をしてあげたいと思っ...
今すぐマネしたい! 職場で好かれる女性の10個の共通点♪
 職場で憧れの女性っていませんか?その場の雰囲気を和ませたり、気配り上手だったり、仕事にも一生懸命に取り組んでいたり。そ...
入院初夜に襲われた“下剤地獄”からがん患者と仲良くなる問題
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
人間の言葉を理解? パワーあふれる“にゃんたま”に開運祈願
 今回は、待ち受け画面にすると開運しそうなにゃんたま様です。  あふれるような“ありがたいパワー”を感じるのは気の...
女子ウケしない女性の理由…やってしまいがちな行動に注意!
「男子ウケは悪くない。 でも全く女子ウケしない!」――。とあるSNS数万フォロワーの友人が悩んでいました。確かにカワイイ...