夫を取り戻したい!
――おつらい現実を目の当たりにしたのですね。その後は、どうしたんでしょうか?
「知らないふりをしました。素人女性ならまだしも、相手はプロのホステスですから…。でも、完全にレスになっていた私は、その夜、寝室で私に背を向けて寝る夫の背中に後ろから抱きついたんです。普通の女性なら浮気した夫と肌を合わせるなど絶対イヤと思うでしょう。
でも私は違いました。心のどこかで『夫はプロの女性に都合よく使われているだけ。のぼせ上がっている彼を取り戻さなくちゃ』と妻としてのプライドがあったんです。
――ねえ、郁夫さん…たまには、いいでしょう? そろそろ子供もほしいし。
甘い声で囁く私に対して、夫は、
――疲れてるんだ。寝かせてくれよ。
けんもほろろに拒絶されたんです。
――だって、今日は排卵日だし…。お義母さんやお義父さんも『早く孫の顔が見たい』って言ってきて…。
――孫の顔なんて、弟の春夫で3人も見てるだろう。奈緒子は真面目すぎるんだよ。もっとゆったりと構えていればいいさ。
郁夫さんは1歳下の弟の話を理由に、さらに私を拒んだんです。
――でも…。
――だいたい女のほうから誘うなんて、はしたないぞ。
――はしたないだなんて…私だって子供がほしい。
――そういうこと言われると、男はプレッシャーなんだよ。
涙か枯れるほど泣いて…
口調こそ穏やかですが、完全に私を拒否する言葉に、私はひどく打ちのめされたんです。
――跡継ぎは弟に任せておいて大丈夫だから、今日はもう寝るね。
その瞬間、私の中で何かが壊れました。呆然とする私の頬に、いつしか涙が伝い落ちていました。音を立てぬようそっと寝室を出てバスルームに向かうと、頭からシャワーを浴び、思いっきり泣いたのです。
OL時代は結婚を約束した彼にフラれ、彼を見返したい一心で資産家に嫁いだ私は、夫にも拒絶されている。あまりの男運のなさに、涙が枯れるまで泣き続けました。
同時に、女としての決意がふつふつと湧いてきたんです。
(郁夫さんが23歳のホステスに心酔しているなら、私も自分勝手にやらせてもらうわ)
この日から、私のリベンジ不倫計画が始まったんです。もちろん、慰謝料をとられるようなヘマをせず、何よりも『夫婦円満』を装って」
続きは次回
。
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