ピルは避妊薬だけではない。まだまだ誤解ばかりのピルの効能と「ホルモンバランスの乱れ」

コクハク編集部
更新日:2024-08-15 06:00
投稿日:2024-08-15 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. ホルモンバランスの不調でピルを飲み始めたらパートナーと気まずい関係に…

 今回のご相談は、栄子さん(31歳女性/仮名)からです。

「ホルモンバランスの不調に悩まされていて低用量ピルを飲んでいるのですが、そのことを彼が知ったときに気まずい空気になってしまって、それから関係もうまくいかずに…」

 暗い顔の栄子さんに、えりのボスは優しく話しかけました。

「ホルモンバランスの不調は、メンタルや美容にも影響することがあるしつらいわよね」

「そうなんです。吐き気やイライラ、強い眠気…日常生活に支障が出るから飲んでいるのに、彼はピルに否定的で」

「男性は知識がない人が多いし、もしかしたら彼もピルをただの避妊薬だと思っているのかもしれないわ

 えりのボスの言葉に、はっとする栄子さん。

「自分の体調のことで心配かけたくないので、ピルを飲んでいる理由は話していませんでした。でも、いざ話そうと思っても彼にうまく説明できるか…」

 栄子さんは不安そうにうなずきました。

 これは放っておけません!


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2. ピルは避妊薬だけではないことをパートナーにもわかってもらおう

「まずは、彼にピルがどういうものなのか理解してもらうことが必要ね。ピルの主成分は避妊の効果がある薬ではなく、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)であることを伝えましょう。

 そして、女性ホルモンによる不調は、プロゲステロンの大量分泌が関係していることもね」

 栄子さんはメモをとりながら、えりのボスの話を聞いています。

ピルで体外から女性ホルモンを取り入れると、脳から卵巣にホルモン分泌の指令が出なくなるわ。そうすると、排卵が抑制され、結果的に避妊効果が得られるの。ホルモン量の大きな変化もなくなってバランスが整うから、さまざまな不調も緩和されるわ」

「ピルが避妊やホルモンバランスの不調に効果があるのは、こんなメカニズムだったんですね! そういえば、ホルモンバランスってどうして乱れるんでしょう。原因に対処すればピルを飲まなくてもホルモンバランスは整いますか?」

「ええ、ホルモンバランスが乱れる原因やピル以外の対処法もお伝えするわね」

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