バツイチ女一匹「昭和の意地」を捨てたおじさまから商店会会長を任されましたよ…!

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-09-26 17:45
投稿日:2024-09-04 06:00

ポンコツ商店会再起動活動の始まりは、書類仕事が盛りだくさん

 前回、ポンコツ商店会再起動という渦に巻き込まれた私。とりあえず、様々な問題解決のため、床屋さんと元酒屋さんとの密なミーティング@床屋店先からスタート。

 床屋さんと元酒屋さんのおじさまペアに、

「商店会の再起動とともに、街路灯のLED化申請をした方がいいと思うんです。電気代が10分の1になるらしいんで」と私。

「えー、10分の1! そりゃいいわー、やらないとね!」床屋さんと元酒屋さん、ホクホク顔。

「ただ、再起動には、会員募集の手紙、人事策定、過去の収支決算表、新規会員名簿や新会則などなど、書類仕事がいっぱいあるんですよ。それと…区役所の人から聞いたんですが、今年の街路灯LED化申請の締切は2カ月後なんで、再起動と同時進行でこっちの書類仕事も進めないとやばいんですよー」

 と、一気にてんこ盛りの事務ワークについて説明。するとおじさま2名、電気代削減の話を聞いた時のホクホク顔はどこへやら、急に渋面に変わり、「あぁ、そういうのはねぇ、ちょっと苦手で…。その辺お願いできたら助かるんですよ~」と元酒屋さん。

【こちらもどうぞ】「ポンコツ商店会」お預かりしましたvol.1 “幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

 やはり、そうきたか。

「…そうですか。じゃ、過去の商店会資料を全部ください。ちょっとやってみます」と私。

 まぁ、乗りかかった舟、こういう流れになるのはある程度想定内。お二方お困りだし、地域のお役に立つなら、お手伝いもやぶさかではなし。

入会お願いの手紙は「同情&共感票獲得」作戦

 書類仕事の始めは、会員募集のお手紙作成。商店会再起動は、新規会員がいなければ話にならない。地域の事業者の皆様に、この商店会の現在のポンコツぶりをわかってもらい、これから地域のために一緒に何かやってみたい、という気持ちを持ってもらうことが重要なのだ。

 過去の商店会は、割と上からなところがあり「この地域でお店やるなら入って当然」といった印象であったが、今の時代そんな態度では、誰も商店会なんぞに入会しない。

 そこで、入会お願いは「この商店会ってこんなにダメなんです、どうかお助けくださいまし」「そしてご一緒に作ってくださいまし」風な文面のお手紙にし、同情? 共感? を誘うよう仕上げた。

 また、お手紙には会費に関しても明記し、過去には3カ月ごとに集金をしていた会費を、「人手不足」「年払いは1,000円お得♪」などとうたい、年払いをプッシュ。先に少しでも多く現金収入を得られるよう策を講じてみた。

勘違いおじさまたちへ軽く「お小言」

 数日後、ほとんどの書類仕事を終わらせ、改めて会合に参加。

「だいたい終わりましたよ、書類。今後は会員候補リストにしたがって新会員を勧誘して、区にその他の書類と一緒に出せばオッケーです!」と私。

「いやー、すごいなー! 早いねー、こまかいなー!」と喜ぶ床屋さんと元酒屋さん。

「で、作ったこの資料を全部お渡ししますので、今後は会長になる人がこれを引き継いでください。私、ミーティングの時の議事録も作っておきましたのでー」と一式お渡ししようとすると、

「え! いやいや、こんなん俺らはできないですよ…。会長職は引き受けてもいいですけど、こういう細かい仕事は無理ですよ~」と床屋さん。

名ばかりの会長職ですか?

 ん? なぬ? それは、会長職は引き受けるけれど、会長は事務仕事をしないということ?

 こんなポンコツ商店会に会長秘書がいるわけもなし、じゃ、会長ってなにすんの?

 ちょっとびっくり仰天の発言。あぁ、こういうところがダメなんだよなー、昭和のおじさまたちは。

 そして、わたくし、とても静かに、でも、がつんとお返事。

「あのー、申し訳ないんですけど、私、秘書みたいな事はやりませんよ。バツイチ女一匹、長らく個人事業主で生きてますし、性格的に男性のサポート役とか無理なんですよー。今回はお困りのようだったし、ちょっとだけお助けのつもりでした…」

 再起動に必要な書類をほぼ仕上げたので、全然ちょっとだけお助けじゃないけど、一応大人として控えめに。

 床屋さんと元酒屋さん、しーん。

フィッシュバーン真也子
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コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

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