想定外しかない商店会ワーク。文句ばかり言うおっさんにブチ切れ寸前、寅さんの名台詞で堪えました

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2025-03-05 06:00
投稿日:2025-03-05 06:00
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかりで…。

街路灯LED化の後にフラッグ設置をするはずが…

 諸事情により、更新予定日をお休みしてしまいました。すみません。そして、1回休んだらもう3月。なんか焦るなぁ。前回、街路灯話が途中になってしまったので、商店会の顔「街路灯」リニューアルPART2として続きを。

 昨年6月、ポンコツ商店会の再出発とともに、街路灯ランプのLED化を区役所に申請。そして、9月には新たな商店会のシンボルである街路灯フラッグ製作も進めていた。

 なんたって、15年かけっぱなしの街路灯フラッグは相当ボロボロ。フラッグの新調は、再出発にとって必須要項だった。ちなみに、フラッグ製作も自治体から補助があり、役所への申請ありきの事業。「LED化の方を先に申請し、街路灯の灯りが変わったところに新しいフラッグを設置! っていう段取りで進めてますので、よろしくお願いします!」とフラッグ製作の業者さんにお伝えしたところ、

「どうかなー、LED化申請って結構他の商店会さんも時間かかってるみたいですよ。もしかするとフラッグの方が先になっちゃうかもしれないです…ね」とフラッグ屋さん。

「え、そうなんですか? でもLED化は6月申請で、フラッグは9月申請だから、3カ月の差がありますよぉ。さすがに大丈夫ですよねー」と私。結果、お気楽予想は思いっきり外れ、フラッグ屋さんの予想が見事的中。LED化の許可はなかなかおりず、結局フラッグの申請が先に通過し、年内にはフラッグが出来上がってしまった。

「どうしましょう? フラッグできちゃいましたけど…」とフラッグ屋さん。

「ですね… もうー、しょうがないから先に付けちゃいますか!」

 商店会ワークって、なんだかんだ、一つも予定通りにいかない。いっつも想定外。

【こちらもどうぞ】「オレ忙しいアピール」って何様よ? 昭和オヤジの怠慢さに怒りの沸点越え

皆さんから「フラッグ新しくなったね、いい感じ!」とお褒めの言葉

 もともと付いていたボロボロのフラッグを外し、新しいフラッグを設置したところ、近隣の皆さんからお褒めの言葉をたくさんいただいた。意外に商店会って見られているんだなぁ。

「新鮮」「オシャレな感じ」「前のフラッグが思い出せない」「明るいイメージ」など、住民の皆さんも商店会のイメージが良くなったという意見が多かった。

 街路灯のランプが変わっていない状態でも、皆さんがたくさん褒めてくださる。きっと、街路灯の色がオレンジに変わったら、もっと褒めてくれる気がする。楽しみだー。わくわく。

ネガティブキャンペーンをぶち上げる人が約1名

 ほとんどの方からポジティブなご意見をいただき、ホクホク気分でいたところ、約1名、ネガティブな人がそばにいた。

「なんか地味っすよね、暗くないっすか?」とブーたれた人、はい、床屋の角さん。ほとんど何もしないのに、文句だけは一丁前なんだわ、この人は。そして、隣にいた元酒屋の助さんが「あ、確かにちょっとそれあるかもね、前のが赤いフラッグだったしね」とかぶせてきた。このおっさんたち、なーんもしないくせにー!

 さすがにカチンときて、「それ、感覚が古いか目が悪くなってるんじゃない?? 若い人やオシャレな人たちはみんな褒めてるもん」と意地悪く言い放ったところ、「そうだね、おれは、実は結構いいなと思ってた」と助さんが発言撤回。この人、じーさま扱いされたくないもんだから、変わり身はやっwww

「ご不満もあるかもですが、なんたって私も初めての作業ですし、そこのところご理解ください」と私。本当は『文句があるなら全部自分でやれば?』と喉まで出かかったが、そのセリフだけはやはり御法度。それ言っちゃうと、人間関係うまくいかなくなっちゃうしね。

 子供の頃、よく寅さん映画を親に観せられたが、寅さんの名台詞「それを言っちゃぁ、おしまいよ!」を思い出して、ぐっと我慢。

オレンジ色の温かな灯りは、世代を超えて大好評!

 数日後、街路灯に新たなLEDランプが設置された。商店会がオレンジ色のあったかーい光に包まれるようになると、またまたお褒めの言葉をたくさんいただいた。

「ランプが変わって、あったかい感じになった」「オレンジの優しい光でホッとする」など、蛍光灯の色よりも、オレンジの電球色ファンは多かったんだなぁと気づく。

「ロータリークラブの会合で、あのランプの色いいねって言われてましたよ」と近所の信金の担当者。

「おー、ロータリークラブのおじさま達も電球色が好きなんだ」と私。

「そういえば、新しいフラッグも褒めてましたよ」

 ほほう、とりあえず、シニア層にも好評とは嬉しい限り。かくして、街路灯LED化とニューフラッグは、角さん以外のほとんどの方々に好評を博しwww、8カ月間の長い街路灯事業は無事設置完了となった。

 次回(#15)へ続く。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【ドンキ】エモい「情熱価格」激旨1位は… 2022.10.20(木)
 みなさん、ドン・キホーテは好きですか? 筆者は大好きです。右を向いても左を向いても物価高なこのご時世、「驚安の殿堂」っ...
本当の友情ですか? 同性の友達の束縛がつらいと思ったら…
 同性の友達に「束縛されてる」と感じたことはありませんか? その子との予定を最優先させられたり、あなたに彼氏ができると機...
まるでぬいぐるみ!モッフモフ高密度“たまたま”にキュン♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
友達ってなんだろう 2022.10.19(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
何コレ!? 天然の「旅人の木」はコバルトブルーの種がヤバい
 ある冬の日のお話しでございます。  猫店長「さぶ」率いる我がお花屋さんに、ややご年配の、でもやたらと威勢の良い殿...
アラフォーが「テヘッ」はねぇ…今どきの「痛い女あるある」
「いい年してそれは痛いでしょ」と思える言動をする女性、あなたの周囲にいませんか? 若い頃は「かわいい」と言われた行動も、...
服が捨てられない!片付け下手に神グッズ 2022.10.18(火)
「1枚服を買ったら1枚は捨てる」「触ってみて心がときめくか」「お店のように美しく飾る」などなど、クローゼットを整えるメソ...
どうしてそんなに尊いの?“たまたま”を真面目に考察してみた
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
家庭で簡単にできる節電対策6つ 子供が楽しめるアイデアも!
 東日本大震災のあと、日本中で節電運動がはじまった時、当たり前にある電気のありがたさを痛感しましたね。震災後ではなくても...
いつもの道にも秋が落ちている 2022.10.16(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ママ友地獄LINEにムカッ「その歳でアンパンマン」何が悪い?
 大人になると、付き合う人って自分で選べますよね。でも、子供を産んだらそうはいきません。  子供同士のつながりで出会っ...
今日からできる「SDGs」スーパーの食品棚は手前から選ぶ!
「継続可能な開発目標」の略称として「SDGs(エスディージーズ)」の言葉もだいぶ浸透してきましたね。将来の地球を守るため...
断るのが苦手!身内の弔事を使い尽くした私のテッパンワード
 気分の乗らない誘いを断る時、みなさんはどうしていますか?  私は「今日は体調が悪くて……」とか「どうしても外せない...
神戸っ子溺愛!「とくれん」まみれの部屋 2022.10.13(木)
「とくれん」――。それは、神戸っ子が歓喜する魔法の言葉。1970年代から学校給食のデザートとして登場した冷凍フルーツゼリ...
実はハイスぺ!“たまたま”の後ろ足が実力を発揮するのは…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
幸せは庭やベランダから!春まで百花繚乱「秋に仕込む植物」
 ワタクシの住む神奈川では、今年も「いきなりの冬」のような事態でございます。昨日までは冷房だったのに今日から暖房かよ……...