寒暖差疲労の原因と対処法【医療従事者監修】季節の変わり目はイベントてんこ盛りで休めない…どうする?

コクハク編集部
更新日:2025-03-13 06:00
投稿日:2025-03-13 06:00
 寒暖差が激しい季節は、いつもと同じように睡眠時間を確保したつもりでも、なんだか疲れてしまいがち。そんな「寒暖差疲労」を「毎年のことだから」「気候が安定したら治るから」と放置していないでしょうか。寒暖差疲労を甘く見ると、大きな支障を招く恐れがあります。
 この記事では寒暖差疲労の原因や症状、放置するリスクを紹介します。そのうえで、寒暖差疲労への対処法を紹介するので、季節の変わり目に疲労感を覚えた際の参考にしてください。

1. 寒暖差が厳しい季節。なんだか疲れて…

 今回は、チヒロさん(35歳/仮名)からのご相談です。

「なんか、最近からだが重いんですよね…」

「あら…大丈夫? 忙しい時期だし、疲れているのかしら…」

「そう思って、就寝時間を早めたり栄養バランスに気を配ってサプリを飲んだりしているんですけど、どうにも改善しなくて…」

 なんとなく気持ちも落ち込みがちなんです…とため息をつくチヒロさん。その顔色は確かに悪く、体調がすぐれないようです。

「でも、これからの時期は忙しいんです。子どもも小学校に入学しますし、夫も私も部署異動があるし、実家のリフォームの手伝いもあって…。疲れがたまっているとはいえ、寝込んでいる暇はありません!」

 現時点でもかなり疲れている様子なのに、まだまだ無理をして頑張ろうとしているチヒロさん。

 これは放っておけません!

2. 寒暖差疲労の原因や症状

「チヒロさんの疲れの原因は、寒暖差疲労かもしれないわ」

「え…? 寒暖差はわかりますけど、寒暖差疲労、って…?」

 初めて聞く言葉にキョトンとするチヒロさん。そんな彼女に、えりのボスは優しく説明します。

「寒暖差疲労は季節の変わり目や日中と夜の寒暖差が激しい時期に、からだが気温の変化についていけずに疲労や体調不良を感じる状態を意味する言葉よ。前日との気温差、あるいは1日の最低気温と最高気温の差が7度以上あると起こりやすくなるといわれているわ」

「…確かに。最近は毎日最高気温も大きく変わりますし、1日のなかでの気温差も大きいですよね。でも、気温差だけでそんなに疲れるものなんですか?」

 不思議そうな顔で聞いてくるチヒロさんに、えりのボスは重々しく頷きます。

「単なる気温差と侮るなかれ、よ。気温差が大きくなると自律神経が乱れやすくなって、体温調節がうまくできなくなるわ。その他にも、睡眠時間を確保していても眠りの質が悪くて寝ても疲れがとれなかったり、食欲不振になったり、便秘や下痢になったり、免疫力が下がって風邪をひきやすくなったりするなど、自律神経が乱れることでいろいろな支障が出るのよ」

【読まれています】更年期の“意外と知らない”基礎知識/更年期症状は遺伝する? 出産経験の有無は影響する?【医療従事者監修】

 えりのボスの説明を聞き、チヒロさんは困った顔をします。

「なるほど…寒暖差疲労って、甘く見ちゃいけないんですね。季節の変わり目は風邪を引きやすいっていいますもんね。…でも、寒暖差が原因でそういう不調が出るのなら、暖かくなって気候が安定したら疲労感やダルさもなくなりますよね? それなら、もう少し我慢すればいいのでは…?」

「甘いわよ、チヒロさん」

「…え?」

「寒暖差疲労を甘く見て、放置するのはおすすめしないわ。寒暖差疲労を放置するリスクや対処法も、しっかり説明するわね」

「お、お願いします…!」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


性交痛がつらい…それって更年期のせいかも。医療関係者が教える“40代の悩み”対策は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
性交痛がつらい…それって更年期のせいかも。医療関係者が教える“40代の悩み”対策は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ツヤ肌メイクの“やりがち”NG3選。なんか脂っぽい…の原因はこれ! 成功するコツは?
 ツヤ肌メイクの、ちょうどいいツヤ感って意外と難しい…。やりすぎるとただのテカリに見えたり、毛穴が目立ったり。控えめすぎ...
日焼け対策、怠ってない? アウトドアガチ勢が実践すべき“美肌”を死守する3大ケア
 春と夏はポカポカと気持ちいい外の空気を吸いながら、アウトドアスポーツをしたくなる季節です。でも、「日焼けが気になる」と...
UV対策してる? 美容家が選ぶ春のおすすめ5選。大人の垢ぬけ顔にはこのチークが優勝!
 コクハク編集部では時短美容家の並木まきさん厳選アイテムを多く紹介してきました。  今回は、その中から選りすぐりのアイ...
毛穴にいい?「あの洗顔法」の真相を医師が解説。向いてる肌質もあるけれど…【美容のウソ・ホント】
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
救急箱の中身、チェックしてる? 「いざ」の時に役立つ“常備薬”の選び方【薬剤師が解説】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
乳液なしは「老け顔」を加速する!? 40代は“プチこってり”がキーワード。美容家の厳選アイテム3つ
 40代も半ばを過ぎると、気になるのが顔の“老いた雰囲気”。過去の自分と比べてギャップにがっかりなんてことも。  今の...
「寝ながら運動」で美ボディになれるってマジか! 激しいダイエットなしで痩せるコツ【インストラクター監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代のツヤメイクは暑苦しさNG!2000円以下で買える「夏までヘビロテできる」優秀アイテム3選
 今年は春から日差しの強い日も多く、初夏のような陽気も増えています。というわけで、そろそろメイクも衣替え!  春から夏...
モテる以前にマナーだよ!「みっともない」認定されてしまう男性の特徴6つ
 ルッキズムに厳しい昨今、男性のルックスにだって難癖付けることはできません。でも…悲しいかな、どうしても「生理的に受け付...
「五月病」になるのは5月だけじゃない!イライラ、不眠、意欲減退…なりやすい人の特徴や放置のリスク
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
プチプラと侮るなかれ! 40代後半美容家がガチで使って惚れた神アイテム3点【2025春・スキンケア編】
 優秀アイテムがたくさんあるプチプラコスメ。ですが、40代以上の世代には「ちょっと物足りない…」アイテムもチラホラ。 ...
一晩に何度起きたら頻尿ですか?【医療従事者解説】頻尿のセルフチェック&トイレによる寝不足改善法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
990円の“プチプラ化粧水”1本だけで10日間過ごしてみた。乳液&クリーム不使用で意外な結果が…
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
「妊活を始めたものの、なかなか授からない…」《男性不妊》って知ってる? 意外と多い“精索静脈瘤”の話
「妊活を始めたけど、なかなか授からない…」そんなとき、多くの女性が婦人科に行く。でもちょっと待って。実は不妊の約半数は「...