「あんぱん」八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)、“何か”が始まっちゃう? 嵩は作詞能力をいつ見抜かれたのか

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-09-04 12:26
投稿日:2025-08-16 12:04

八木と蘭子、何かが始まった予感

「そんなふうに感じるあなたも詩人ですね」と蘭子に言われて、「ただの雑貨屋の親父だよ」と八木。

「妹は会社勤めをしながら、雑誌に映画の記事を書いているんです」とのぶが蘭子について話すと、「独立は考えないのか?」と八木。「会社辞めたい、思うことはありますけど。……うち学歴ないがやろ。タイプが早う打てても、それで見下す人、おるき」と蘭子。

 蘭子は何をしてる人なの? と気になっていましたが、タイプライターのようです。たしか高知から東京に転勤したはずでしたが、タイプライターだったとは!

「妹は郵便局で働いて、うちの家族を助けてくれたんです」とのぶ。

「逆境が人に及ぼすものこそ輝かしい」と誰にいうでもなく言葉にする八木。

「おー、シェイクスピア」と蘭子。

「だから今の君があるんじゃないのか」という八木をみつめる蘭子。

 これはもう何かが始まったと思って間違いありません。

 店に来た嵩に八木が「のぶさんはお前に好きなことをやらせるために2人分働いているんだよ」と言っていましたが、この狭い店で、おもな商品は孤児院の子どもたちが作ったカードくらいのものなのに、人を雇える余裕などあるのかと、そちらのほうが心配です。

名曲の誕生の瞬間

 雨の中、自宅に戻ってくる2人。ほどなく停電になり、懐中電灯でてのひらを照らし帰るふたり。手のひらを、透かして見れば、真っ赤に流れるぼくの血潮」と。いまも歌い継がれる名曲の誕生でした。

 ほいたらね。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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