女にロックオンされた私…謝罪と懇願への油断が招く悲劇

うかみ綾乃 小説家
更新日:2019-11-14 17:01
投稿日:2019-09-19 18:00

15分遅れで来た彼女の驚きの行動

 18時、指定された▲▲に行きました。

 彼女は15分ほど遅れてやって来ました。

 私が仕事について話しだすと、

G「ちょっと待ってください。落ち着いて飲ませてください」

 と、日本酒を四合瓶で頼み、ゆっくりと飲みはじめました。

 この瓶ぜんぶ、飲むつもりなのだろうか……

 時間を気にしつつ待っていると、彼女は一杯目を飲み終えた後、おもむろに鞄から紙を取り出しました。

 それは、私の送ったメールのコピーでした。

G「あやさん、こんな素晴らしい文章を、よく書けましたね」

 彼女がにこにこと言いました。

G「ほら、こことかここ。赤線を引いて、花丸をつけてきました。感心ですよ、偉いですよ。こんなメールを書けるあやさんは、これからきっと素晴らしいお仕事ができますよ」

 唖然とする私の前で、次いで彼女は、イチゴの箱を取り出しました。

G「ここに来る前に、千疋屋で買ってきたんです。この前、あのバーのマスターにご迷惑をかけたから、後でこれを持ってお詫びにいきましょう」

私「待ってください。私、今日はすぐに帰って、仕事をしなきゃならないんです。もし今朝お送りした修正でOKだったのなら、せめてその時点で、メールの一行でいいから、そう伝えていただきたかったです」

G「ひどーい!」

 彼女が声を張り上げました。

G「私だってこの三日間、食事が喉を通らなくて、2キロも痩せたんですよ!」

 この瞬間、私は遅まきながら、ようやく気づいたのでした。

 とんでもない人間にロックオンされてしまった……。

うかみ綾乃
記事一覧
小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「夏の庭の花・植物の水やり問題」災害級の暑さで1週間留守に…対策は?
「災害級の暑さ」なるフレーズ、耳にする日が続いていますが、気付けば夏休みシーズン到来!  我が花屋は神奈川の片田舎の温...
深夜3時にメッセ連続投下!グループ脱退したい…常識知らず&KYなママ友のお騒がせLINE10連発
 保育園や幼稚園の保護者同士でやりとりするママ友LINE。同じクラスのママに誘われて断るわけにもいかず、半ば強制的にグル...
ふるさと納税について夫婦で考えたら、意見が食い違って爆笑の大喧嘩に…「特別vs日常」何が正解?
 選んだ自治体に寄付をしてお礼をもらうことができるだけでなく、一部の税金が還付または控除される、“ふるさと納税”。  ...
2024-08-07 06:00 ライフスタイル
「子どもの夏休み暇対策」どうしてる? 頑張るママのお助けアイデア7選
 子どもが小学生になると、夏休みの過ごし方で悩む大人がたくさんいます。近年では外遊びも猛暑による熱中症の心配があるので、...
【調香師解説】夏バテ解消アロマでフェロモンも復活!睡眠、胃腸、イライラを鎮める香りは?
 毎日暑いですね。フェロモンは最低限の生命力が維持されたうえで、余力から生まれてくるものです。うだるような暑さが続くと心...
【独自】大満足の新作すいか「夕焼けセレブ」を収穫! 白州のすいかばか'24~究極のレシピを求めて#3
 すいか生産量全国47位、ごくごくレアな山梨県ですいか作りに情熱を注ぐ「寿風土(こどぶきふうど)ファーム」代表の小林栄一...
無意識な「フキハラ」あるある4選 職場や家庭でやらかしていない?
 ここ最近でできたハラスメント用語の一つとして「フキハラ」があるのですが、ご存じでしょうか。 「不機嫌ハラスメント」の...
「キメ顔、お願いします!」と念じて叶った“たまたま”な1枚
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
暑いときは「花魁」に限る?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
娘に「ママは全部諦めた」って愚痴るのは反則だ!被害者面炸裂LINE3選
 世の中には、「私は悪くない」と自分を正当化したり、自己中心的な視点から何かにつけて被害者面(づら)する人がいますよね。...
なんでもハラスメント扱いする人への対処法3つ、“ハラハラ”は正論が正解
 セクハラ、パワハラ、マタハラ、新型パワハラ…。ハラスメントに厳しくなっている現代では、職場の人に接する際に今まで以上に...
「お義母さんが大好きです」大敵に嫌われてるなら試したいLINEテク3選
 大好きな人と入籍しても、幸せな結婚生活のハードルとなり得るのが義母との関係です。  世間には、義母と仲の良い嫁も...
夫の死、女優引退…ママがスナックを開いたわけ どん底を抜けるコツは?
 時に優しく、時に厳しく、含蓄のある話からくだらない話までなんでもできる人生の先輩。スナックのママってそんなイメージあり...
ダイソーさん、助けて~! 夏を乗りきる「暑さ対策グッズ」5選。猫ちゃん耳のハンディ扇風機はズルい
 毎日、尋常じゃない暑さが続きますね。へたりながらSNSを眺めていたら、「ダイソー」の暑さ対策グッズがバズっているのを発...
【独自レポ】あやまんJAPANは健在だった! Tバックにぽいぽいコール、コンプラ無視の危ない芸に会場は爆笑
 2010年に『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)出演をきっかけにブレイクした、下ネタ宴会芸チームあや...
僕を見て! 美シルエット“たまたま”にモデル立候補にゃんが大集合
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...