算数のテストで「スケジュール管理ができない病」の原因が判明!そして忘れられない15000

新井見枝香 元書店員・エッセイスト・踊り子
更新日:2025-12-28 11:45
投稿日:2025-12-28 11:45

思い当たる節は多々あった

 思い当たる節はある。たとえば、何度も訪れている友人のマンションの部屋番号が一向に覚えられず、知らない人の部屋のインターフォンを何度も鳴らしてしまう。それも203と204とかではなく、203と908くらい違う番号だ。ほとんどあてずっぽうである。

 その他にも、お気に入りのワインバーの店名を、正しくは「1803」なのに「1984」と人に教えてしまう。これでは一生たどり着けない。乗って来た車のナンバーを覚えたはずなのに、用を足して戻ってきたら、同じような形の知らない人の車のドアを開けようとしたこともあった。

 忘れているくせに自信満々で間違えるところが実に不可解で、迷惑な話だ。数字となると、私の記憶力は著しく低下する。この連載がはたして何回目なのかも、正直記憶にない。

「15000」という数字は根深く覚えているニャ!

「何月何日の何時に用がある」という記憶の中から数字が抜け落ちると、「何か用がある」という実に役に立たないぼんやりとしたスケジュールの記憶となる。それ故、今日がその何日という当日になっても、思い出せないのだ。

 なるほど、私がスケジュール管理できない理由が、テストを受けることで、もはや結果を聞くまでもなくわかってしまった。できればこのテストに支払った〝15000〟という大きな数字も、とっとと忘れたいのであるが、そういうことはいつまでも根深く覚えている。

〝数字が覚えられない病〟という残念な情報を得るためのテストに、国民健康保険は利かないらしかった。ちょっと高すぎだニャ!

新井見枝香
記事一覧
元書店員・エッセイスト・踊り子
1980年、東京都生まれ。書店員として文芸書の魅力を伝えるイベントを積極的に行い、芥川賞・直木賞と同日に発表される、一人選考の「新井賞」は読書家たちの注目の的に。著書に「本屋の新井」、「この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ」、「胃が合うふたり」(千早茜と共著)ほか。23年1月発売の新著「きれいな言葉より素直な叫び」は性の屈託が詰まった一冊。

XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


家庭の派閥争い…夫の“ポカリ甘すぎ、アクエリアス!”に猛反対する妻
 混沌とした世の中。世界で起こっている戦争や紛争だけでなく、会社やネット上のコミュニティーでもあらゆる「派閥争い」が繰り...
ストリッパー、Airpodsおじさんに学ぶ。
 AirPodsをしたサラリーマンのおじさんを通勤電車で見た瞬間、私はその後ろ姿にぎゅんと心惹かれた。  なにそれ...
40代が自分の老いを実感した切ない瞬間4つ 運動は得意だったのに(涙)
 年齢を重ねると、体の老いを実感する瞬間が増えてきますよね。特に若い頃に運動が得意だった人は、頭では動けると思っているの...
別れる時くらい言いたいことを言う? それとも…
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
百均は飽きた…目的地はスタンダードプロダクツ!プチ模様替え厳選4商品
「普段の生活で使う、日用品をちょっと楽しく。」そんな思いを込めて生まれたStandard Products(スタンダード...
恋愛運は大吉にゃ♡ ご利益抜群な激レア三毛“たまたま”を激写!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
上司「あそこのチゲ鍋はおいしいにちげーねー」喜ばせるダジャレ返しは?
 昭和生まれの人はおおむねダジャレ好き。  特に職場のおじさん世代は、LINEでもダジャレを送ってくる人がいます。...
恋愛も金運も良縁GETするならこれ!強靭的に長生きするサマースイトピー
「物価上昇が止まりません。どうしていいか分からん」と嘆いている方、多いと思います。  ワタクシもご多分に漏れず、仕入れ...
わ、気まず!ママ友の集まりに旦那連れで来る人なぁぜなぁぜ
 ママ友同士で約束するランチ会。子育ての話や夫の話で盛り上がりますよね! ところが「旦那連れ」でママたちとのランチ会に参...
【難易度高め】にゃんにゃん間違い探し、全5カ所、わかるかにゃ?
 【A】と【B】のふたつの絵には、違いが5カ所あります。さてどこが違うでしょうか?  難易度はかなり高めなので、目...
【漫画】しっぽのお医者さん~ねこ医院長のぽかぽか日記(番外・出張編)
【番外・出張編】  ここはある町の小さな動物病院──。  この「春山動物病院」では、「院長」と呼ばれて振り向...
【1分でOK フェロモンジャッジ】春は引き算が鍵!貴女が幸せになる香り
 異動や引っ越しなどで環境が変わる人も多いこの時期は、生活を変えるいいチャンスです。普段、なんとなく続けてしまっている悪...
料理下手なワーママの救世主 予約待ちで契約したつくりおき.jpなのに!
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
隅田川にかかる橋の上でしばらくの間立ち止まってみる
 隅田川にかかる橋の上でしばらくの間立ち止まってみる。  冷たい風がビュービューと吹き抜ける音を聴く。
“たまたま”はいくつあるにゃ? 茶トラ軍団のおやつタイム
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
かまととの由来はオンナと蒲鉾! 類義語にぶりっこ、はまちっこ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...