「100均があれば十分」その幸せは本物なの? 専業主婦に差し伸べられた港区からの“禁断”の誘い

ミドリマチ 作家・ライター
更新日:2026-02-07 11:45
投稿日:2026-02-07 11:45

今の優梨愛は「蟻地獄」にいる

 優梨愛が、あの夫と結婚したのは、おそらく、たまたま再会した同級生に結婚をちらつかせられただけなのだろう。そして、フィーリングという曖昧な言葉で自分の心を誤魔化して、念願の結婚生活を手に入れた。

 しかし、今の優梨愛は抜け出せない蟻地獄にいるようだ。

 家持ちで子持ちの専業主婦。肩書上は幸せそうだけど、まったく幸せそうじゃない。「こんなはずじゃなかった」と、どこかでそう感じているはず。

 奈江に揺るぎない正義感が湧いてくる。優梨愛の手を取って、いざなってあげたいと思った。モラルなど知らない。それだけ、彼女が見ていられなかった。

 奈江はまっすぐに優梨愛の目を見つめた。

「ねえ。今度、経営者との食事会があるんだけど、行かない?」


#3へつづく:29歳、元キラキラ女子の“なれの果て”。冴えないスーパー店員と結婚…その理由に共感できる?】

ミドリマチ
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作家・ライター
静岡県生まれ。大手損害保険会社勤務を経て作家業に転身。女子SPA!、文春オンライン、東京カレンダーwebなどに小説や記事を寄稿する。
好きな作家は林真理子、西村賢太、花村萬月など。休日は中央線沿線を徘徊している。

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