子宮全摘だけでもつらいのに…腸閉塞で長さ190㎝の管を挿入

コクリコ 編集者
更新日:2019-11-28 05:52
投稿日:2019-10-15 06:00

麻酔の魔力で「大阪王将で天津丼食べてた」発言

 婦人腫瘍科の先生たちは腸閉塞に関しては専門外なので、消化器科の先生たちに処置が託されます。

 処置室に呼ばれると、優しそうなおばちゃん技師さんが「怖いわよね、頑張りましょうね」と励ましてくれます。私が涙目で「気持ち悪いの嫌なんです……もしあれば胃カメラの時みたいな眠る麻酔をしてください」とお願いすると、眠る麻酔を使ってもらえることに!

 結局、鼻、のど、眠る麻酔のトリプル麻酔で眠っている間に挿管してもらいました。ちなみに病院によっては鼻の麻酔のみで挿管するそうなので、本当に私はラッキーです。ほんまに先生によると、おじいちゃん、おばあちゃんも麻酔なしでできるそうです。痛みを感じにくいだけではなく、そのあたりの感覚も鈍っているとのこと。ほんまに~?

 40分ほどで挿管の処置が終わり、麻酔から目覚めます。ここで本当に信じられないことが起こります。麻酔から覚めたばかりの私が「いま、大阪王将で天津丼食べてたの……」と言ったのです。

 なぜ! 大阪王将なんて数えるほどしか行ってないし、正直、大阪王将の天津丼はしょうゆ味で、東京の甘酸っぱい天津丼とは違うから、そこまで好きでもないのに(笑)!

 寝ぼけた私の発言で、処置室のみんなが爆笑。消化器科の処置室まで様子を見にきたほんまに先生は「ああ、あれはうまいもんなぁ」と笑っていました。麻酔、こわいですね。何を言い出すか分からない。

執刀医と患者の恋

 余談(?)ですが、数日前にお見舞いに来てくれた先輩が同じくイレウス(腸閉塞)でチューブを2週間くらい入れたまま過ごした挙句、手術までに至ったと話していたんですね。そして、その先輩はなんと、そのときの執刀医と付き合ったといううらやましいエピソード付きだったのです。

 ならば私も! と目覚めてから処置室できょろきょろと医師たちを眺めていたのですが、そうそうに看護士さんたちによって病室まで運ばれてしまいました。

挿管4日目、イレウス管と“顔見知り”の関係に

 ほどなく麻酔が切れ、イレウス管がのどの奥ですごい存在感を放ってきます。オエー。想像してみてください、胃カメラを入れっぱなしの状態を。

 麻酔が切れた私はもうしゃべることもできません。しゃべると気持ちが悪い、横になっても気持ちが悪い。そんな中、ひと晩でチューブを通して、泥水のような色の液体が私の腸からポンプで吸い上げられ、1リットル以上も出てきたではありませんか。

泥水=便の色=やばい液体

 泥水っていうか便として出なかった腸の内容物なので、要するに便の色をしているわけです。液体はチューブの中を通過している限りは無臭ですが、一度、チューブの継ぎ目を引っ掛けてベッドにぶちまけたことがあるのですが……はい、悲惨でした。汚臭。。。

 それにしても、これだけの水が排出されないわけですから、そりゃあむくむし、体重は増えるし、気持ち悪いはずだわ。

 それほどのやばい液体が出てもイレウス管を抜いてはもらえず、数日間は看護士さんとの会話は筆談、ちょっと動くとのどちんこにチューブが当たるので、排尿トレーニング以外は動かず、ずっと座ったまま。本を読む気力もなく、横になって寝ることもできず、ただただベッドに座って時計の針を眺めて過ごしていました。

 3日目ほど経って、あまりにも衰弱していく私を心配した看護士さんが点滴に睡眠導入剤を入れてくれました。これで3時間ほどまとまった睡眠がとれ、4日目あたりからようやく少しチューブに慣れてきて、この位置に顔を向けると気持ち悪くなるな、とか、咳は我慢しないとやばいなどが分かってきました。

さらに長いイレウス菅を…

 イレウス管と親友にはなれないけれど、顔見知りくらいまでの距離感までは近づいてきた感じです! ところがです。症状の改善が思うように見られないので、イレウス管をもっと腸の奥まで進めると言うのです。

 病室で「眠る麻酔してください。お願いします」と書いたメモを用意してポケットに忍ばせます。

 処置室に着くなり看護士さんに見せ、前回同様のトリプル麻酔をしてもらいます。イレウス管はさらに奥まで、長さ190㎝まで入れたそうです。腸って長いですね。

 せっかく顔見知りくらいまでなれたチューブとは角度が変わってしまい、また初対面からやり直しです。オエー。あと何日続くんだろう……。

 次回(10/22公開予定)に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


商店街で「縄張り荒らし」騒動が勃発! ムキムキお兄さんを近隣おじさまと奪い合う…顛末はいかに
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
中年のニラが歯に挟まる問題。口内インフラも老朽化するのだ。治療は保険治療か、それとも自費か
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
ワーママも専業主婦も、みんな違ってみんないい。それでも女は“自分の収入”を持った方がいいと思う
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
切ない…親の老いを実感したエピソード。ゴミ屋敷一歩手前、母の死から父の独り言が急増
 GWや年末年始など、長期休みに帰省する人は多いですよね。実家で過ごすと「懐かしい」「ホッとする」と感じ、心身ともに満た...
アラフィフ独女が『人事の人見』を見て思うこと。平成の働き方はもう通用しない…私たちはどう振る舞うべき?
 アラフィフ独女ライターのmiraeです。前回のコラムでもお伝えしたとおり、アラフィフである私は、氷河期世代として社会に...
夫のいびきがうるせえ! 約6割の人が悩んでいる睡眠問題、「対処法がわからない」は卒業しましょ
 眠い眠い眠すぎる! 「春眠暁を覚えず」昔の人はよく言ったもので、つい昼間でもうとうと…。  この眠気、我が家に関して...
2025-04-29 06:00 ライフスタイル
シッポがピン!「今日のご飯は鯛だニャン♪」ご機嫌“たまたま”たちが集結したよ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
脱「片づけられない女」宣言! この連休中こそ実行したい“断捨離”4つのコツ
 自宅の床には片方だけの靴下や、ぐちゃぐちゃのハンカチが転がり、デスク回りは書類と資料の山で作業するのも一苦労。そんなあ...
何気ない街の風景
 何気ない街の風景。  ここにいるよ…って呼ばれて振り返る。  心地良い風が吹いた。
【動物&飼い主ほっこり漫画】第95回「おーい! コテツ!」
【連載第95回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
夫よ「育休=自由」じゃないんだよ! 病む寸前まで追い詰められた女たちの叫び
 子供を出産してから、育休を取得する女性は多いですよね。また、出産後の妻を支えるために、育休を取得する夫は少なくありませ...
【女偏の漢字探し】「桂」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
アラフォー最強のすっぴん女優は? 北川景子らに学ぶ「見た目年齢が若返る」メイク術【プロ解説】
 美人女優たちの素顔が話題になっている。女優の北川景子(38)が21日に自身のXを更新し、主演ドラマ『あなたを奪ったその...
ごめん、フォローしきれない! 新入社員からの正直うざいLINE3選。電話魔、完コピ女、自分至上主義にゲンナリ
 右も左も分からない新入社員を迎えたとき、「自分もそんな時期があったな」と懐かしく感じるとともに、先輩や上司としてフォロ...
病み期のLINEは“黒歴史”の宝庫デス。「生きてる価値ないよね?」かまってちゃん化して大騒ぎ!
 悩みが多かったりつらい出来事が重なったりして心が病むと、いつもとは違う自分が出てくることもありますよね。そんなときに送...
金運=黄色だけ? いいえ「赤い花」もアガるんです。仕事運もゲットするベストな置き場所
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋、止まらない物価高騰のせいか「金運が上がる花ってあるんかい?」という質問をお客様からもら...