更新日:2019-11-02 06:00
投稿日:2019-11-02 06:00
妻に浮気された夫のアンリが切なすぎる
筆者が本作中、もっとも切なく感じ「誰か救ってあげて……!」と感じたのは、マリーの夫・アンリ。マリーとピエールの不倫を知っても、マリーを求め続けます。ピエールを受け入れているマリーが自身との肉体関係を頑なに拒否しても、マリーを愛するのです。
想い人に想われない切なさ
19世紀のパリといえば、1810年にナポレオン・ボナパルトは嫡子が生まれないことを理由に、皇后陛下のジョゼフィーヌ・ド・ボアルネと離婚しました。
アンリも離婚という選択肢を選べたはずなのです。それなのに離婚はせず、2人の関係を知ってもピエールに「君が相手でよかった」と責めない。
自身の自宅で2人がバックで交わっても部屋に入ろうとはせず、壁に耳を押し当てて様子を伺うだけ。“不注意の果実”ができた後(詳しくは本編で)も、2人きりの時間をつくってあげる。
この3要素だけでも、いかにアンリがマリーを愛していたかを思い知ることができます。想い人に想われない切なさに、胸が締めつけられる人も多いかもしれません。
オトナが抱える切ない経緯以外にも、エロスも満載の本作。ピエールの愛人、ゾラがマリーに自慰を教えるシーンも見応えバツグンです。
「不実な女と官能詩人」は、11月1日より公開。R18+指定。配給:クロックワークス