ツナ缶を炒めて加えてうま味をプラス
フリコは、北イタリアのフリウリ地方の郷土料理で、ジャガイモとチーズを混ぜて焼いたガレットのこと。本来は、モンタジオという熟成感のあるうま味の強いチーズを使うのですが、今回は家庭用のシュレッドチーズで。
「ただし、それだけだとうま味が足りないのでツナ缶を炒めて加えます。そうすると缶詰特有の臭みが消えて、うま味だけが残ります」(堤シェフ)
ポイントは、チーズをよく混ぜて味が均一になるようにすること。そして、チーズが焦げやすいので、弱火でじっくり時間をかけて焼くこと。表面はカリッと香ばしく、中はチーズがとろ~り溶けてふわっふわ。うま味が濃厚で、ついついお酒に手が伸びます。堤シェフが合わせてくれたのは、フリウリ地方の白ワイン。
「渋味と酸味がしっかりあって、口の中の油分を洗い流してくれるので、またフリコが食べたくなるワインです。あ、食べたい、そしてまた、あ、飲みたい……そんな危険なループに陥ります」
【材料】
ジャガイモ 大1個(正味150グラム)
玉ネギ 1/4個(40グラム)
シュレッドチーズ 40グラム
ツナ缶 1缶(70グラム)
塩、白こしょう 適量
オリーブオイル 適量
【レシピ】
1. ジャガイモは皮をむいてチーズおろしなどで細くすりおろし、玉ネギは薄切りにする。
2. フライパンにオリーブオイルを熱し、1を炒めて塩、白こしょうで調味する。
3. ツナ缶は水けを切り、オリーブオイルを熱したフライパンで炒めてフレーク状にする。
4. ボウルに2と3、シュレッドチーズを合わせ、よく混ぜる。
5. オリーブオイルを熱したフライパンに4を平らにならし、焦がさないように弱火でじっくり焼く。薄いきつね色になったら裏返し、きれいな焼き色がついたら皿に盛る。
本日のダンツマ達人…堤亮輔さん
▽つつみ・りょうすけ
1978年、熊本県生まれ。大学生のとき、居酒屋とイタリア料理店でのアルバイトを機に料理人を志し、中退して1年間イタリアへ。帰国後、辻調理師専門学校で学び、フランス料理店で3年間働いた後、イタリア料理へ。東京・駒沢「トゥ セイ グランデ」の料理長を経て、2013年に学芸大学に「オステリアバル リ・カーリカ」、15年に都立大学に「カンティーナ カーリカ・リ」、17年に学芸大学に「あつあつ リ・カーリカ」を開く。
▽あつあつ リ・カーリカ
東急東横線学芸大学駅から徒歩2分。イタリアの郷土料理をベースに、和のテイストも織り交ぜた創作料理と自然派ワインが楽しめるバル。わずか7坪の店内はカウンター12席とスタンディングのみ。
東京都目黒区鷹番2―20―4
℡080・4858・2233
18時~翌1時(LO) 不定休
(日刊ゲンダイ2018年11月29日付記事を再編集)
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