柿がお酒のツマミに化けるなんて!
和食職人の技を披露するかのような、美しく盛り付けされた蕪と柿。見るだけでも食欲をそそられる一品です。
「蕪を柿と一緒に甘酢に漬け込みました。ある程度の食感を残すために、あまり薄くスライスしない。若干厚めにしています。強めに塩をふることもポイントですね。重しがなければ、まな板を置いて重めのお皿を置くことで代用もできます」
シャクシャク、シャクッ。しっかりと歯ごたえを残しつつ、柿のトロッとした食感もある。柿がこれほどうまいツマミに化けるとは驚き! ほんのりとしたユズの香りも上品さを増しています。これは辛口の冷酒がよく合うな~。
「合わせる酒は、『大吟醸 喜多屋』です。糸島産(福岡県)の山田錦を使ったしずく搾りで、知る人ぞ知る名酒です」
芳醇で濃厚なのにスッキリした飲み口で、飲んだ後の余韻も楽しめます。2013年にIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の日本酒部門で「チャンピオン・サケ」を受賞している酒で、稚加榮でも人気なんですって。
【材料】
・蕪(中サイズ) 1個
・柿 2分の1個
・昆布 5グラム
・鷹の爪 少々
・ユズの皮 少々
※合わせ酢(各分量を火にかけ、沸騰する直前で火を止めて冷ます)
・酢 100㏄
・みりん 100㏄
・塩 少々
・薄口醤油 少々
・水 100㏄
・砂糖 50グラム
【レシピ】
(1)蕪の皮をむき、スライスして強めに塩をふり、一晩重しをしてから、しっかり水分を切る。
(2)柿をスライスする。
(3)昆布、鷹の爪、ユズの皮をスライスして、蕪と柿と一緒に合わせ酢に一晩浸して出来上がり。
本日のダンツマ達人…平山克浩さん
▽ひらやま・かつひろ
1965年生まれ。18歳で「博多料亭 稚加榮」に入店し、今年で35年目を迎える。繊細な技を必要とするフグさばきの美しさは、多くの美食家をうならせてきた。
▽はかたりょうてい ちかえ
明太子に代表される博多の食文化を広める名店。福岡店の広大ないけすには九州各地から水揚げされた四季折々の活魚が常時30種類以上。豪快にすくいあげられる海の幸は、客人の舌だけでなく心も満足させている。
福岡市中央区大名2―2―17
℡092・721・4624
(日刊ゲンダイ2019年1月30日付記事を再編集)
フード 新着一覧