恋人は責任を感じ…体調不良の原因は意外なところにあった

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-02-18 18:02
投稿日:2020-02-18 06:00
 潜在的な患者も含めるとおよそ30〜60人にひとりの女性がかかると言われている甲状腺疾患。バセドウ病は、甲状腺機能が亢進する病気で、動悸や発汗、めまいや悪心、体重減少に筋力低下など、その症状は全身に及びます。治療法は投薬・アイソトープ・外科的手術の3種類とされ、多くの患者は投薬治療で寛解を目指します。
 これは、投薬治療の末に、手術で甲状腺を全摘し完治に至った筆者が、2年間の闘病生活を振り返るドキュメンタリーです。

体調不良の原因は「猫アレルギー」

「なんだか息がゼエゼエします。あと、蕁麻疹もつらいけど、筋肉もカチコチで、首も張っているし、背中も腕も動かしにくいです……。少し前から症状が出始めたんですが、今日になって急にひどくなりました……」

 近所の内科に行った私は、医師にバセドウ病の治療中であることを伝え、ひととおりの問診と触診などを受けました。ドクターから「最近、何かこれまでと変わったことはありましたか……? 食べたことのないものを初めて食べたとか、環境を変えたとか…」と質問をされました。

「最近ですか?……あっ。2ヶ月ほど前に、猫が我が家にきました」

「あー。もしかすると、猫アレルギーですね。もともと猫アレルギーはありませんでしたか?」

「そういえば……、子どもの頃に猫を触って肌が真っ赤になったと母から聞いたことがあります。それ以来、猫に触れることはなかったので、忘れていました……」

「念のため、アレルゲン検査をしましょう。猫以外のアレルゲンもわかれば、生活しやすくなるはずです」

責任を感じた彼から謝罪をされるも…

「おそらく猫アレルギーだろう」ということで、その日はアレルギーの治療として点滴をしてもらったところ、息苦しさと蕁麻疹は軽快。けれど、筋肉の異常なこわばりは、抜ける気配がありませんでした。

「まだ、筋肉がカチコチで、首のまわりもガチガチに張っています。ゼエゼエは止まりましたが、なんとなく息苦しいです」

 医師にそう伝えると、

「バセドウの治療中だと、いろいろ厄介なんですよね。こわばりもアレルギーに関係していると思うけど、息苦しさが消えたなら、ひとまず様子をみましょう。だけど、またゼエゼエが出てきたら、すぐに連絡してください。それから、明日から3日間は点滴を打ちに来院してくださいね」

 ドクターから丁寧な説明を受け、ひとまず自宅へ戻る私たち。実はこの“猫”は、恋人と暮らし始めたときに恋人が連れてきた“連れ子”の猫だったため、責任を感じた彼は、終始暗い顔をしています。

「ごめん……。そういえば、めりぃはだいぶ前から『目がかゆい』とか『皮膚がかゆい』とか言っていたのに、まともに取り合ってなくて……。しかも『私、猫アレルギーかも?』とまで言っていたのに、俺、そこまで深刻だと思っていなくて……」

 内心では「ホントだよ」と思いながらも、まだ身体のこわばりが苦しくてまともに返事すらできない私は「もういいよ。大丈夫、息苦しいのは収まったし」と答えるのがやっとでした。

猫は恋人の家族のもとに引き取られることに

 あとから知るのですが、アレルギーはバセドウ病を悪化させる引き金になりやすいのだそう。

 このときの私はその知識がなかったので、「アレルギー源と離れれば、そのうち良くなるだろう」と楽観的に考えていたのですが、のちのち甘かったことに気づきます。

 そして、この“猫”は恋人の家族のもとに引き取られることとなり、一見すると平穏な日々が戻りそうだったのですが……。このアレルギー騒動を境に、私のバセドウ病はどんどん悪化をしていくのでした。

 次回に続きます。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

ライフスタイル 新着一覧


見ず知らずの人に電車代を貸せる? 一生大切にしたい人が分かった話
 みなさんは人を信用しやすい方ですか? それとも疑い深い方ですか?  私はどちらかといえば後者で、人を簡単には信用で...
切り取られた街を見上げる 「もっと見たい」は人間の性かな
 ふと見上げたら、切り取られた街が隙間からのぞいていた。  これもチラリズムなのか。全体を見せられるよりも刺激され...
海外駐在妻の驚愕実態!閉鎖的な女のドロドロ、とかくママ友が面倒くさい
 海外駐在ママというと、どこか華やかで羨ましいイメージがありますよね。でも、中には、現地でのママ友との面倒くさい関係に疲...
パワハラ認定は回避を…叱り上手な人が実践するコツ5つ&間違った叱り方
 人を叱るというのは、意外と難しいものですよね。部下や後輩が失敗した時「ビシッと言ってやろう」と思いながらも、パワハラだ...
「俺を撮ってくれよ」な“たまたま”様、地を這うカメラマン冥利です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
球根いつ仕込む?「秋」の今でしょ!植えっぱなしにオススメの花は7種類
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の真ん中の片田舎で商売をさせていただいておりますが、今年も悩ましい秋でございま...
とことん落ちないと浮上できない 放っておいてあげる優しさ
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「花屋前にいる」「どこ?どこにでもいる顔だから」実は傷つきLINE3選
 誰かの何気ない一言に深く心が傷ついた経験は誰しもあるはず。  相手の性格にもよりますが、ほとんどは相手に悪気がな...
お疲れ様はNG、お元気様はOKのナゼ…職場のうざいローカルルール5選
 社会一般ではない通じない「職場独特のローカルルール」が存在する会社って多いですよね。入社したての社員からすれば、ドン引...
青空に踏切の音が映える 季節は秋でも絶対に手放せないもの
 ここ数年ですっかり浸透したものに男性の日傘がある。 「男が日傘なんて」という謎の気負いも、死を覚悟する日差しには...
たまたまもゴロンと全開!幸せそうなにゃんたま様に昭和CMを思ふ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年のババア、もとい「中年女性」になった私たちへ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「聞いてよ!」「で、結論は?」せっかち君のLINEはタイパ重視ですって
 世の中には、1秒でも時間を節約したい「超せっかちな人」が存在します。なぜ生き急いでいるのかはわかりませんが、とにかく少...
#1 芸能界に執着する35歳女の密かな楽しみ。裏アカで吐き出す腹黒い本音
「いらっしゃい、シゲさん今日は早いんだね」  阿佐ヶ谷駅の北口の飲み屋街・スターロードにひっそりたたずむ小さなスナ...
平日夜8時、話題のオーケー銀座店の惣菜コーナーに行き完全敗北した件
 10月17日、東京・銀座3丁目のマロニエゲート銀座2内に「オーケー銀座店」がオープンして話題になっていますね。銀座の一...
#3「バカにされてる?」元彼のイヤミがつらい。女が椎名林檎を歌う理由
【#1、#2のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな...