非常事態なのに…自分さえ良ければいいの?
「異業種交流サークルの定例会が、新型コロナ対策で中止になったのですが、とある女子がグループLINEに『せっかくここまで準備してきたのだから、こうなったら有志でカラオケボックスに集まって開催しましょう!ネット中継もしたいですね!参加者求む!』ってメッセージを送ってきました。
それを読んだ瞬間『はぁ?なんのための中止だと思ってるの?』って思いましたし、その後、参加者が集まらなかったら、今度は個人LINEでわざわざ『こういうときこそ、集まって知恵を出し合わないと!』とトンチンカンな一本釣りまで。
結局、押しに弱い内気なタイプの子が、20名ほど無理やり呼ばれて実行していましたけど…。感染症を広げないために、世間が人の集まりを控えているのに、ありえないと思いました。その子との今後の付き合いも、ちょっと考えちゃいますね」(Rさん・38歳女性)
「北海道に非常事態宣言が出たタイミングで『北海道、今なら空いてそうだから、明日から旅行行かない?食い倒れの旅しようよ!』と女友達に誘われ、絶句。『でも新型コロナに感染してしまったら、大変だし、道民だって今は大変なのでは』と返事をしたら、さらに耳を疑う返信がきて『でも、40代まではかかっても軽症らしいから、楽勝じゃん!なにビビってんの?(笑)』と…。
仮に自分がかかって軽症だとしても、高齢者に移したら大変なことになるし、そもそも感染症を蔓延させないために国を挙げて対策しているときに、自分のことしか考えていない本性を見せつけられた気がしました。
そういえばインフルエンザになっても、治りきらないうちに出社したのを得意げに話すような子だったのも思い出し、今回のことで、私とはやっぱり合わないかも…って思いましたね。今後は、申し訳ないけど、距離を置くと思います」(Hさん・42歳女性)
対策の方法には温度差がある
新型コロナウィルスへの対策には、個人で温度差があるのも実情です。
大多数の学校が休校となり国内に非常事態宣言が出ている自治体もある現状(2020年3月1日現在)では、厳重な警戒をしている人からすれば神経質にならざるを得ないでしょう。他方、自粛ムードそのものに不満を抱き、平時通りの生活を送ることに躍起になっている人もいて、まさに対策への温度差も露呈しやすい現実が垣間見えています。
新型コロナウィルスへの対策を通じ、身近な人間関係において、思わぬ落胆やトラブルを招く話も聞こえてきます。対策の具体的行動には個人差があると心得たうえで、自分の価値観を押し付けるような誘いは控えたほうが賢明と言えるのではないでしょうか。
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