平手友梨奈 長濱ねるに送った欅坂46「アニラ大阪」での笑顔

こじらぶ ライター
更新日:2020-04-04 06:00
投稿日:2020-04-04 06:00

平手と長濱が抱擁するVTRシーンも流れた

平手(後方右)が公式にバックで参加したのは長濱(手前左)のユニットのみ/欅坂46公式サイトオフィシャルレポート(17年2月24日付)より
平手(後方右)が公式にバックで参加したのは長濱(手前左)のユニットのみ /欅坂46公式サイトオフィシャルレポート(17年2月24日付)より

 平手は他の一期・二期24名と同様、宙を浮く長濱を盛り立てる一員だった。なんとも可愛らしすぎる振付けを微笑みながらする平手をからかうように後ろにいた齋藤冬優花(22)が笑っているのに対し、平手は「笑うなもう!」といった感じに齋藤の顔を手で押しながら、彼女自身も笑っていた。

 そして、時折、宙をふわふわ歩いている(ふりをしている)長濱の方へ顔を向け、笑顔で見つめていた。バックダンサーズとして長濱より一足先にはける際には、他のメンバー複数名からもからかわれるようにわちゃわちゃされていた。

 そんな平手含め、メンバー全員が、長濱のために一体となって可愛らしく微笑ましい空間を創り出した。この瞬間こそ長濱の卒業ライブ的要素を含んだアニラ大阪のひとつのハイライトであった。

 3年間を振り返るVTRでも、16年のデビューカウントダウンライブで平手と長濱が抱擁するシーンも流れ会場が沸き、本編シメに会場をヒートアップさせる曲でおなじみの7thシングル「アンビバレント」では、2人の関係を象徴とするような平手が長濱を支えに空中で側転する大技も綺麗に決まった。会場からは「おぉー!」という歓声が上がった。

 同じく5thシングル「風に吹かれても」では、サビで2人が向かい合いハイタッチする振付けがある。以前より長濱はこの振りで平手と見つめ合えるのが嬉しいといい、平手がどんなにコンディション不良でうつむきがちでも常に笑顔で両手を合わせに行っていた。

 しかし、自身の卒業が決まり、当時最後になるかもしれなかったこのライブでは、長濱は平手を見て泣いてしまわないようにか、初めて平手を見ないようにハイタッチをしていた。

白石麻衣への敬意を込めた「シンクロニシティ」

ライブ後の車いすに乗った平手を囲んだ集合写真を掲載後、削除した佐藤詩織(左、23)。右手にもサポーターを巻き満身創痍で挑んでいた平手/佐藤詩織公式ブログ(2019年4月7日付)より
ライブ後の車いすに乗った平手を囲んだ集合写真を掲載後、削除した佐藤詩織(左、23)。右手にもサポーターを巻き満身創痍で挑んでいた平手 /佐藤詩織公式ブログ(2019年4月7日付)より

 アンコールでは一番のサプライズとして、乃木坂46の20thシングル「シンクロニシティ」を披露。平手は秋元氏からデモ曲を聴かせてもらっていた段階からこの曲を気に入っていた。結果的には乃木坂46の楽曲になったが、このアニラ大阪の機会に「すごく好きな曲だから、届けたい」とカバーした(「ROCKIN'ON JAPAN」19年6月号より抜粋)。

 この曲は、世界中のひとりで泣いているかもしれない人と、共鳴し、分かりあいたいと愛で包み込むようなメッセージで溢れている。

 平手は楽曲とセンターを務める乃木坂46・白石麻衣(27)への最大限の敬意を払いながら、髪を両耳にかけ、より女性的に見せ、魂を込めて歌っていた。このときは平手が慈愛に満ちた女神に見えるほどだった。

 平手がアニラ大阪にこの曲を持ってきたのは、単純に楽曲へのリスペクトからだったかもしれない。だが、

「一人では負けそうな 突然やってくる悲しみさえ 一緒に泣く 誰かがいて 乗り越えられるんだ」

 という歌詞が、当時最も当てはまったのは、数週前に卒業発表をし、最後の全国握手会でたくさんの涙を流した長濱ではないだろうか。

 千秋楽、アンコール前のMCで話を振られた長濱はついに涙を堪えきれなくなり、泣きながら挨拶をした。アンコール曲は泣いたままでのパフォーマンス。

 長濱の涙を最も見てきたのは、初期から支え合い、たびたび相談に乗ってきた平手ではなかっただろうか。

 一方の平手も、この前年より患った腰部のケガの影響が出たのか、ライブ後のメンバーとの集合写真ではひとり車椅子に乗っていた。それほどの痛みを抱えながら高校生活最後の年に入っていた。“欅坂46平手友梨奈”の終わりが少しずつ近づいていたころだった。

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ
NHK大阪が誘拐未遂事件をぶち込んだのなぁぜなぁぜ? かつ丼コント?
 誘拐犯が捕まってから、愛子(このか)は3日間も学校を休んでいた。スズ子(趣里)は、学校に行くようにと言うが、愛子は友達...
桧山珠美 2024-03-15 14:30 エンタメ
“テレ朝ドラマ”常連・ホンモノの刑事よりも刑事な内藤剛志、降臨!
 大野(木野花)が受けた電話は、3万円払わなければ、愛子(このか)を誘拐するという脅しの電話だった。そして、警察には伝え...
桧山珠美 2024-03-13 14:30 エンタメ
りつ子スパークのラインダンス必見!ワクワクズキズキと笑顔が溢れる回
 羽鳥善一(草彅剛)作曲二千曲記念ビッグパーティーの日が近づいてくる。羽鳥はスズ子(趣里)たちに、パーティーで余興をして...
桧山珠美 2024-03-11 15:30 エンタメ
“ユーミンドラマ”で見せたクソ女の夏帆、そして金子大地と中島歩に注目!
この投稿をInstagramで見る 【公式】「ユーミンストーリーズ」オムニバス夜ド...
真木よう子“まっけんセクハラ発言”はわざと?昭和の価値観をエンタメ化説
 ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年/フジテレビ系)や『最高の離婚』(2013年/同)などでの演技が好...
堺屋大地 2024-03-09 06:00 エンタメ
第111回ブギウギの“三大なぁぜなぁぜ”…畑仕事する農家の手じゃない!
 梅吉(柳葉敏郎)が亡くなった。葬儀では松吉(木内義一)が号泣しながら、遺影の自慢をする。  そんな中、スズ子(趣...
桧山珠美 2024-03-08 15:50 エンタメ
死の間際までユーモア忘れず、父娘で歌った「父ちゃんブギ」
 久しぶりに香川に戻ったスズ子(趣里)は、梅吉(柳葉敏郎)が写真館を切り盛りし、繁盛していた話を聞く。梅吉が大切にしてい...
桧山珠美 2024-03-07 15:40 エンタメ
NHKさん、経費削減のあおりですか?スズ子の米公演シーンは写真だけ
 アメリカ行きを決めたスズ子(趣里)だったが、愛子(小野美音)は置いていかれることにすねてしまう。  旅立ちの直前...
桧山珠美 2024-03-05 15:35 エンタメ
“電撃婚”大谷翔平の心を射止めた妻はプロ中のプロ彼女。目標はダル夫婦?
 2月29日16時42分のことでした。NHKで衆院政治倫理審査会(政倫審)の中継を見ていたら、<大リーグ・大谷翔平選手 ...
【台湾ルポ】台湾人の祈り方「拜拜」が酔狂的でエキセントリックすぎる!
 日本からのアクセスも良く、週末や連休を利用して旅行が楽しめる海外として人気の「台湾」。台湾グルメを満喫したり、観光スポ...
2024-03-07 18:24 エンタメ
「買い物ブギ」圧巻のステージ!“キングカズ長男”覚醒、スズ子の虜に
 ワンマンショーに向けて稽古や衣装合わせが続く中、スズ子(趣里)は新しいマネージャーのタケシ(三浦獠太)の様子を見て不安...
桧山珠美 2024-03-01 14:30 エンタメ