手術が終わって感じた「世界はこんなにも静かだったんだ…」

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-05-12 06:00
投稿日:2020-05-12 06:00

手術翌朝の食事は完食!

 傷口の熱感や痛みは相変わらずでしたが、それでも昨夜よりは「はるかにマシ」。喉の皮や肉が強烈に突っ張っている感覚で、唾を飲み込むたびに違和感がすごい……。けれども、喉を切り裂かれたかのような痛みに比べたら、全然マシ! 体力はまだかなり弱っているのを痛感していましたが、ベッドの上で上体を起こすのにも成功しました。

 そして何よりびっくりしたのは、手術翌朝から普通に食事が出てきたこと。運ばれてきた食事はご飯こそお粥でしたが、煮物や豆腐、漬物など、固形物も普通に並んでいました。

「えーっ。お腹はすいてるけど、首の違和感がすごいのに飲み込めるんだろうか……」と、おそるおそる食べ始めてみると、意外にも飲み込めた自分にまたびっくり。もちろん、ひたすら噛む必要があり、飲み込みに違和感はあったものの、それさえ我慢すれば突っかかったり詰まったりもせず、まさかの完食に至りました。これには、看護師さんも驚いていました。

「あら! 全部食べられましたか!? けっこう残しちゃう人が多いので優秀ですね~。よかったです!」と、お褒めの言葉(?)もいただけました。

 この時点では、まだ自分の傷口は見ていません。傷の上からテープが貼られ、さらにはドレーンが首の左右2箇所から飛び出している状態だったので、その頃の写真を見返してみると、とにかく生々しいです。ドレーンは、血が出なくなったらすぐに抜けるとのことで、2〜3日の辛抱と言われました。

少し歩くだけで息があがる

 朝食を終えてテレビを見ながら母と談笑していると、看護師さんが登場。

「さて、少し歩きましょうかね。外出はできませんが、今日から院内はフリーで歩いていいですよ。院内コンビニに買い物に行っても大丈夫ですよ~」と提案され、軽く衝撃を受けました。

「ええっ!? まだ、歩ける自信がないんですけど……」

 ビビリな返事をすると、看護師さんは「でも、全身麻酔をしてるので、早めに身体を動かさないとダメなんですよ~。歩ける範囲でいいので、今日中に部屋から出て、少しは歩いてくださいね!」と今度は“提案”ではなく“指示”を受ける流れに。

 どうやら、術後1日目に歩くことは、その日の私がこなさなくてはならない“マストなメニュー”だったようです。

 トホホな気持ちになりつつも、身体の回復のためにはやらねばならないという義務感で、しぶしぶ歩くことにしました。看護師さんが、見た目ちょっとグロいドレーンの廃液を溜めるパックを専用ポーチに収納して、ポシェットのようにセットしてくれました。

 そのまま、ベッドから出て歩いてみるとーー。まず、立ちくらみ。クラっと一発、軽いめまいを感じました。「あれ……。なんかフワフワする……」と弱気な私。

「あー、立ちくらみですね。大丈夫ですよ。少し休んだら、またチャレンジしましょう」と、看護師さんは慣れた様子です。

 こうして、身体に残っていた体力をふり絞るようにして、なんとか部屋から出て歩き始めたのですが、とにかく体力が落ちていて歩くスピードが遅い!! そのうえ、歩くたびに軽く息があがってしまうという、なんとも情けない状態でした……。

「無理はしないでいい」とのことだったので、この日は病室の前の廊下からワンブロック先のコーナーまで歩き、折り返して部屋に戻るという「超ショートコース」で終了。術前にも寝たきりだったので、想像以上に体力が落ちている自分にガッカリするとともに、回復まで時間がかかりそうだな……と感じたのを覚えています。

 退院予定日は、手術から6日後。術後1日目はこんな感じであっという間に過ぎ、しばらくの術後病院生活が始まりました。

 次回に続きます。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


朝に弱いけどショートスリーパーに憧れる 2023.2.26(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
いい大人世代の親孝行とは? 後悔しないために見直す8項目
 久しぶりに親に会ったら、急に老けたように感じてびっくり!「親孝行しなければ……!」と急に焦ってしまうけど、いざとなると...
“削るお絵描き”スクラッチアートで癒される 2022.2.25(土)
 100円均一の「DAISO(ダイソー)」で、スクラッチアートを販売しているのを知っていますか?  数年前から見かけ...
この世は大冒険でも脱迷子!方向音痴あるあるから学ぶ克服法
 地図通りに歩いていたはずが目的地の真逆へ向かっていたり、犬の散歩で迷子になったり……。はじめての場所へ行くのに人の倍以...
2023-02-24 06:00 ライフスタイル
年齢そのものは関係ない? 大人なら考えたい「老害」の意味
「老害」というワード、最近本当によく目にします。字面から、ものすごい嫌な感じがしますよね。だけどぶっちゃけ、そう言われて...
ゆっくりと歩くには良い日、一期一会の風景 2023.2.24(金)
 たまには目的地も決めずにぶらぶらと出かけてみる。すると、思いがけない風景に出合う。  だけど、今度もう一度来よう...
実証!「紀ノ国屋のポーチ」気になる収納力 2023.2.23(木)
「紀ノ国屋 スイーツポーチ」のポーチだけ(単体購入可)が2月15日に発売され、好評を博しています。お店を訪れると一色のみ...
おんにゃの子の匂いはどこだ?パトロール中“たまたま”を激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
店頭に並ぶ「サービス花束」は分けて飾るのが正解!運気もUP
「またかよー!」と、なんでもかんでも値上げばかりで嘆き(怒り?)たくもなりますよね。今までが安すぎたのか、これ(から)が...
「オバ見えする後ろ姿」はスマホ首・ハミ肉・パサ髪+2項目
 家の中にいると、自分の後ろ姿を見ることはほとんどないですよね。でも街へ出かけ、ショーウィンドウに映った自分の後ろ姿に、...
さよならシャンシャン、また会う日まで… 2023.2.22(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
仕事の悩みは尽きない! 40代女性の働き方を見直すヒント5つ
 仕事をしていると悩みは尽きないもの。40代になるとふと「このままでいいのだろうか?」なんて、仕事に対して不安に感じる人...
【どこ?】買い物中のあさだくんとやまぐちくんをさがせ!
「日刊ゲンダイ」毎週月曜発売の紙面で連載中の人気漫画「中年2人とねこの日々 あさだくんとやまぐちくん」の特別番外編! ...
【回答】買い物中のあさだくんとやまぐちくんをさがせ!
(日刊ゲンダイ臨時特別号「日刊ニャンダイ2023」記事を再編集) ※「日刊ニャンダイ2023」はAmazonでも好...
日記が続かない人必見!今度こそ3日坊主と決別する5つの方法
 新しい年のはじまりや誕生日をきっかけに「日記を書こう!」と決意したものの、三日坊主……なんて経験はありませんか? 可愛...
猫=ダンディ! 無頓着を装った“たまたま”チラ見せにキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...