「この結婚は失敗…」コロナを機に別居に踏み切った妻の主張

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-06-06 06:28
投稿日:2020-06-06 06:00

コロナの感染対策から別居に持ち込む

「そうこうしているうちに、コロナの問題が出てきたんです。ニュースを見るたびに怖い話が出てくるし、未知のウイルスに対して万全の対策をしなくちゃって思いましたよ。ところが、もともとだらしない性格の夫は、感染症対策の手洗いや消毒すら雑すぎて……。

 指摘したら『怖いよね。僕も対策してるよ』と言いつつ、帰宅後すぐに手洗いせずにいろんなところを触ったり、何日も同じジャケットを洗わずに着たりと、やっていることを見ると、口だけにしか見えませんでした。それで、もしこんな夫のせいで私が感染したら一生悔やむかもと感じ、別居を申し出たんです」

 早くから在宅勤務に切り替わっていた妻と、緊急事態宣言が出るまでの間は通常どおりの勤務体制だった夫。Kさんは、緊急事態宣言が出る前の段階で夫婦間の感染リスクの違いを理由に別居を提案し、Oさんもこれに了承したそうです。

「実はこれまでも、何度か夫には別居を提案してきたけれど、なかなか進んでいなかったんです。だけど、今回のコロナに関しては、有無を言わせずに了承させました。だって、きちんと対策もできない夫のせいで感染したら嫌ですからね。

 彼の様子から、短期のつもりで出て行っているのが明白でしたが、コロナとの戦いは長期戦になるのがわかっていたし、私は心底ホッとしましたよ。

 実は、緊急事態宣言が解除になったときに、義母を通じて様子伺いの探りが入りました(苦笑)。きっと夫は、別居後の私とのやりとりで、今回の別居は“単なる感染症対策”だけではないと悟ったのか、自分では何も言ってきません。だけど義母からは『そろそろ家に帰らせたら?』などと電話がかかってきました。

 正直、まだまだコロナへの警戒は必要だし、不安定な世の中なのに頼りにならないどころか心配事のタネになっている夫と、再び生活をする気には到底なれません。離婚となるとまたいろいろと厄介事が増えそうなので、今しばらくは現状維持で、流れを見ながら結論を出したいなと思っています」

最善と思える選択肢を選びたい

 Kさんは、夫がいない今の生活のほうが体調も良く、毎日が穏やかだと言います。コロナ禍から抜け出したときに、その時に自分が「最善」と思える選択肢を選びたいと話していました。

 恋人同士であれ夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。これこそが男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

 次回は、Kさんの夫であるOさんの言い分をご紹介します。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


女優の早見あかり《幸せ》《感謝》を並べた離婚報告に違和感。“言葉どおり”になぜ受け取れないのか
 元ももいろクローバーメンバーで女優の早見あかり(29)が20日、自身のインスタグラムを更新し、離婚を報告した。 ...
『虎に翼』に共感。40歳の私が“夫婦のようなもの”を選択した理由
 8月22日に放送されたNHK連続テレビ小説『虎に翼』は、寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)が結婚を止め、“夫婦のような...
アラフォー夫婦が抱える不満の種。旦那のイラッ、妻のイライラッ6選
 幸せそうに見えるアラフォー夫婦にも、少なからず互いに不満はあるもの。しかし、大人であるゆえ「喧嘩にならないように」と我...
恋バナ調査隊 2024-08-23 06:00 ラブ
女風の指名に異変? 20代イケメンより30代セラピスト推しの人妻が増えるワケ【経験者談】
 今や女風(女性用風俗)は都内だけで100以上のサイトがあり、需要も定着しつつあります。  最初のうちは20代のイ...
内藤みか 2024-08-22 06:00 ラブ
不倫疑惑の夫を揺さぶるカマかけフレーズ6選。キョドったらクロ確定!?
「もしかしてうちの夫、不倫してる?」と疑いを持っても、スマホをチェックしたり尾行したりするのはハードルが高いですよね。 ...
恋バナ調査隊 2024-08-22 06:00 ラブ
不倫やらかして幸せになれると思うなよっ! サレ妻たちによる決死の制裁LINE10選
 夫に不倫されてしまった「サレ妻」の女性は、毎日悲しくて涙に暮れる日々を送っているかもしれません…。でも、中には、男性た...
恋バナ調査隊 2024-08-21 06:00 ラブ
40代でもマッチングアプリでモテる方法。“テッパン4つ”を試してから止めても遅くはない!
 平成中盤までは、「若者が出会いを求めて使うもの」という印象だったマッチングアプリですが、令和の今では、大人の世代もマッ...
恋バナ調査隊 2024-08-21 06:00 ラブ
彼氏の恋愛温度が低いワケ&3つの改善点 好きな感情は私だけですか?
 彼の恋愛温度が低くて、「自分だけが好きなんじゃないか」と不満や不安を抱いていませんか? そんな場合でも彼が悪いのではな...
恋バナ調査隊 2024-08-20 06:00 ラブ
経験人数、手をにぎにぎ、下ネタ炸裂…タカが外れたのか? 勘違い男たちの“婚活セクハラ”5選
 婚活をしている女性なら、1度はセクハラのような言動を受けた経験があるのではないでしょうか? 結婚を視野に入れた出会いだ...
恋バナ調査隊 2024-08-18 06:00 ラブ
旦那が突然家出!不倫、たびたび追い込まれる、夜のアレ…非常事態下で繰り広げられた夫婦のLINE
 ある日突然、旦那が家出したらどうしますか? 大喧嘩をしたなど、家出したきっかけが明確であれば別ですが、それ以外であれば...
恋バナ調査隊 2024-08-17 06:00 ラブ
「子供はいない。自分ファースト妻との仮面夫婦、価値あります?」気持ちがプッツンした40代男性
「冷酷と激情のあいだvol.208〜女性編〜」では、夫婦関係が冷え切って7年が経過し、仮面夫婦の関係に満足していると話す...
並木まき 2024-08-17 08:46 ラブ
「離婚? 既婚者のステイタスを手放すほど私はバカじゃない」仮面夫婦の継続を望む40代女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-08-17 06:00 ラブ
アラフォー女性が年下男性を沼らせる「相談に乗る」という秘技。若人キラーが実践する“7つの手”を公開
 年下男子キラーと言われるアラフォー女性がいます。彼女はごく普通の、それほど派手ではない女性ですが、20代や30代の男性...
内藤みか 2024-08-15 06:00 ラブ
アラフォーの「結婚前同棲」メリット&デメリット 若い頃とは違うからきちんと考えたい
 20代の頃は、彼氏ができたらすぐに同棲も珍しくなく、勢いに任せて行動できたもの。でも私たちアラフォーともなると、彼氏が...
恋バナ調査隊 2024-08-15 06:00 ラブ
恋愛したいシンママ、シンママと恋愛したい男性。嬉しい!これは嫌!本音LINE3選
 1人で仕事をしながら子育てしているシンママ。そんな頑張る女性に惹かれる男性は少なくありません。  シンママにも恋愛の...
恋バナ調査隊 2024-08-14 06:00 ラブ
入籍直後からセックスレス気味。我が家も“鉄板”レス解消法「同じ寝室で寝具別々」を試した結果は…
 最近あちこちで取り上げられているセックスレス問題。結婚して1年ちょっとの筆者は、まだまだラブラブ♡、レスだなんて…「そ...
2024-08-13 06:00 ラブ