無頓着な夫が急にオシャレ服を…浮気の芽を潰した妻の機転

うかみ綾乃 小説家
更新日:2020-07-02 06:00
投稿日:2020-07-02 06:00
 前回に続き、浮気男に対処する妻(彼女)たちのエピソードです。
 昔から「男の胃袋をつかめ」という言葉がありますが、多くのカップルが共働きで、美味しい外食店も豊富な現在、女だけが男の胃袋の面倒を見る必要はありません。そもそも浮気男とは、ふだんは妻の手料理に幸せを感じつつも、たまにこっそり外食を愉しみたがるもの。
 ただ衣服の管理だけは、よほど使用人を雇える富豪でもない限り、家庭内でしかできないことです。

衣服をつかむ

 会社員のC子が、同じく会社員のDと結婚したのは、互いに30代半ばのこと。もともと同じ大学のサークル仲間で、当時も付き合っていましたが、Dの浮気で別れたという経緯がありました。それから十年後、別のサークル仲間の結婚式で再会し、めでたく復縁→結婚の運びとなった次第。

 結婚して家事分担を決める際、C子は担当のひとつに洗濯を選びました。理由は元来がズボラな性格のDに衛生面を任せたくなかったのと、彼の職場は私服勤務なので、服装選びを面倒臭がる彼の手伝いができれば、という気持ちからでした。
 
 もともと世話好きでコマメなC子。洗濯物を畳むたびに、Dのタンスに着る順番を工夫して仕舞います。Dは毎日、いちばん上にあるものを取って着るだけで、バリエーションのついた格好ができます。

若い女の子の気を引きたい男

 ところが結婚して一年ほど経った頃、Dの様子に異変が起こりました。それまで無頓着にタンスの上のものを取っていたのが、たまに奥を探り、新品のシャツや、シャレたダメージジーンズなどを掘り返して着るようになったのです。
 
 かつてもDに浮気されたC子です。直感しました。女だ。Dはズボラですが、女に惚れると途端に、格好をつけたがる癖があります。

 注意深くタンスのチェックをし続けました。どうやらDがシャレた格好をしたがるのは、月火、木金。Dの職場状況を探ると、その曜日に、アルバイトに来ている若い女の子がいることがわかりました。

 そのうちDは、下着まで新しいものを掘り返すようになりました。が、帰宅時間はそう変わりません。Dが一方的に舞いあがって、その子をデートに誘っても断られている可能性が高いです。それでも舞いあがりはじめたいちばん楽しい時期を過ごしているらしく、休日も彼女にLINEしているのか、ソワソワとスマホを弄る時間が多くなりました。

うかみ綾乃
記事一覧
小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

関連キーワード

ラブ 新着一覧


今では私が彼を追いかけている…好きが“逆転”してしまう理由
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。好きだ愛していると追いかけられて一緒になったはずなのに、ふと気がつけば愛が逆...
山崎世美子 2021-02-13 06:00 ラブ
結婚へと進みたいのに…彼氏の浮気に振り回される女性の苦悩
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-02-13 05:46 ラブ
交際6年の彼女がいても…浮気を繰り返してしまう男の言い分
「冷酷と激情のあいだvol.31〜女性編〜」では、浮気を繰り返す彼氏の真意が分からない女性・Aさんの苦悩をご紹介しました...
並木まき 2021-02-13 05:52 ラブ
ずるずるは嫌…不倫の上手なやめ方! やめる準備&注意点
「不倫がいけないこと」というのは、誰もがご存知の通り。しかし、人知れず不倫をはじめる人は、あとを断ちません。とはいえ、気...
リタ・トーコ 2021-02-12 06:00 ラブ
“長すぎた春”って交際歴何年? “長い春”に終止符を打つ方法
 長い間お付き合いしている人がいるものの、先が見えなくて悩んでいる方は多いでしょう。交際期間が長くとも、結婚に至らず破談...
恋バナ調査隊 2021-02-12 06:00 ラブ
「Clubhouse」に恋愛に発展する出会いはあるのか考えてみた
 会員制の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が話題です。招待制で、現段階ではiPhoneでしか使えないアプ...
内藤みか 2021-02-11 06:00 ラブ
男性は結婚相手に何を求める? 6つの条件&意識させる方法
 数年交際している彼氏がいるにも関わらず、結婚話がまったく出ないと不安になるものです。「私のこと、どう思っているのだろう...
恋バナ調査隊 2021-02-11 06:00 ラブ
もう限界!「コロナ破局」を迎えた男女にありがちな特徴3選
 コロナ禍によって、良くも悪くも男女間に潜在的に存在していた問題をあぶり出している話が多く聞こえています。これまで「だま...
並木まき 2021-02-10 06:00 ラブ
彼から連絡が来ない…私に飽きたの? 連絡しない男性の本音
 好きなカレから連絡が来ないと不安になりますよね。スマホを見るたびLINEの既読や未読などが分かったり、SNSではつぶや...
若林杏樹 2021-02-10 06:00 ラブ
彼に愛されているか不安…愛情の確かめ方&4つのNG行動
 交際期間が長くなると、ふとした瞬間に「彼にちゃんと愛されているのかな……」と不安を感じてしまうことがあります。男性は女...
恋バナ調査隊 2021-02-09 06:00 ラブ
結婚相手に経済力を求めて何が悪い?失敗と成功の境界線は…
「何歳からでも夫婦になるのは遅くない」とお伝えする本連載。インタビュアー・内埜(うちの)さくらが、40歳以上で結婚した男...
内埜さくら 2021-02-18 20:32 ラブ
なんで嫌がることするの…?共に暮らすために大切な基準とは
「私があんなに嫌がってたのに、全然やめてくれなかった……」そんなパートナーがいた経験、ありますか? もしくは今のパートナ...
七味さや 2021-02-09 06:01 ラブ
状況別“好きな人の忘れ方”!片思いの未練を断ち切るには?
 心がときめくような楽しい恋もあれば、胸が締め付けられるような切ない恋もありますよね。中には、なんらかの事情で「好きな人...
恋バナ調査隊 2021-02-07 06:00 ラブ
彼も男だったと再認識…浮気されて気付いた夫への愛情と後悔
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。長年連れ添うとお互い空気のような存在になってきます。  トキメキも薄れて相...
山崎世美子 2021-02-06 06:00 ラブ
信じていたのに…持病への理解がない夫と別居した妻の嘆き
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-02-06 04:42 ラブ
別れたらみっともない…別居には応じるも離婚を拒む夫の主張
「冷酷と激情のあいだvol.30〜女性編〜」では、持病を理解されずに夫への別居を突きつけた妻・Yさんの決断をご紹介しまし...
並木まき 2021-02-06 04:41 ラブ