平手友梨奈 森山直太朗とのコラボで「朝ドラヒロイン」も!

こじらぶ ライター
更新日:2020-08-29 08:38
投稿日:2020-08-29 06:00

2020FNS歌謡祭夏の平手はワンピ姿で登場

久しぶりの音楽番組生放送で渾身のパフォーマンスを見せた平手。そのダンスにトップダンサーも太鼓判。さらに音楽活動なのになぜかそこから朝ドラヒロインが見えた!/(C)日刊ゲンダイ
久しぶりの音楽番組生放送で渾身のパフォーマンスを見せた平手。そのダンスにトップダンサーも太鼓判。さらに音楽活動なのになぜかそこから朝ドラヒロインが見えた! /(C)日刊ゲンダイ

 今月26日に放送された「2020FNS歌謡祭夏」(フジテレビ系)にて、元欅坂46の平手友梨奈(19)が森山直太朗(44)の「生きてることが辛いなら」に合わせ、ダンスでコラボレーションした。

 同曲は<生きてることが辛いなら いっそ小さく死ねばいい>という歌詞から始まり、2008年発表当初、自殺を助長するなどとして批判もあった楽曲だ。

 しかし、歌詞を通して見れば<嫌になるまで生きるがいい>、<くたばる喜びとっておけ>と、むしろ「生き抜いて欲しい」というメッセージソングになっていることが分かる。

 今回のコラボレーションでは歌い出しで平手のアップからはじまり、同じシルクで無地のワンピースの衣装をまとった少女と2人のダンスでその楽曲の世界観を劇風に描いたものになっていた。

プロダンサーかと思うレベル。上手い!!

ダンスのシンクロ率がハンパないと話題になったキッズダンサーみおしめじ(左)と平手(右)/みおしめじ公式Twitter(2020年8月26日付)より
ダンスのシンクロ率がハンパないと話題になったキッズダンサーみおしめじ(左)と平手(右) /みおしめじ公式Twitter(2020年8月26日付)より

 今回のダンスの技術面については、以前の記事(平手友梨奈のダンスは何が凄い?トップダンサーに聞いてみた)でも平手を分析、評価してくれたトップダンサー兼振付師(ブリトニー・スピアーズのワールドツアーバックダンサーや嵐などの振り付けを歴任)に感想を尋ねたところ、「普通にプロダンサーかと思うレベル。メリハリのある振りなので躍りやすいとは思うがそれでも凄い。表現力ももちろんだが、技術がある。上手い!!」と太鼓判を押していた。

 表現という意味では、平手はいままでに無かった様々な一面を見せた。生きることに絶望した表情で、自身の娘のような、あるいは自身の幼少期のような少女をおんぶする姿。

 その疲れ切った表情は戦時中の食糧難に苦しみながら我が子をおんぶしている母親かのようだった。物が溢れた現代においても精神的に生か死かをさまよっている象徴にも見えた。

 さらには少女を抱きしめようと笑顔で駆け寄るも、すんでのところでその少女の影が無くなり悲嘆する表情。少女と強く抱きしめ合い背中に手を添え、命がそこにあることを痛切に安堵したり願うような姿。

 クライマックスでは<くたばる喜びとっておけ>という歌詞を目をつむって力の限り口ずさんで生きることにしがみつく様を体現。アウトロ(終奏)に向けては少女と穏やかに微笑み合い、明日を見つめるような視線で楽曲が提示する「生きることへの希望」を表現していた。

 19歳の平手が少女に対して見せた母親のような表情。今回のパフォーマンスにおいては、欅坂46時代に彼女が囚われ続けた楽曲の主人公“僕”がいい意味で姿を消したことが確信できた。

「FNS歌謡祭」遍歴 JK役から大人の女性へ

 欅坂46時代に「2017FNS歌謡祭」で平井堅とコラボレーションした「ノンフィクション」のパフォーマンスでは、親友の自死を嘆き「あなたに会いたい」と悲痛な想いを絶叫する女子高生役を演じていた。

 当時弱冠16歳だった平手。制服を着て紙切れを頭上にまき散らし、からっぽになった学生カバンを頭に突っ込む。設定は“女子高生”なのだが、激しい衝動や叫びからは欅坂46の楽曲の主人公“僕”と同じ類いのエネルギーの放出を感じさせた。

 今回の平手は同じく生きることへの絶望を表現しながらも、どこまでも女性的だった。予想外に登場した少女の存在で、母親のような母性を醸し出し、まだ幼い命を力強く抱きしめた。そこに欅坂46の“僕”のような男性性は見られなかった。

 今年1月に欅坂46を脱退して以降、ソロになって2本の映画の撮影を経験した。平手友梨奈として楽曲の“僕”になるのではなく、物語の“ヒロイン”、“少女”という役に入り込んでその人物の喜怒哀楽を表現する時間が多く持たれたことだろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


口をプーっ! 草彅剛演じる羽鳥の駄々っ子な表情に注目して
 トミ(小雪)から伝言があると、社長秘書室長の矢崎(三浦誠己)が、スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)のもとにやってくる。 ...
桧山珠美 2024-01-22 15:35 エンタメ
宮沢氷魚の文面にデキ婚とは言わせない圧…イケメン続々“獲られる”幕開け
「まさかやー」と思わず声をあげてしまいました。そうです。宮沢氷魚(29)と黒島結菜(26)の事実婚発表です。 「か...
元モー娘。加護亜依様の“セクシー女優匂わせ”が冗談に聞こえないワケ
 モーニング娘。黄金期の人気メンバーだったものの、現在はお騒がせタレント化してしまっている加護亜依。昨年も週刊誌やネット...
堺屋大地 2024-01-20 11:16 エンタメ
シン・スズ子誕生!タナケンに「面白いね」と言わしめたヒロインの魅力
 喜劇「舞台よ! 踊れ!」の幕が上がる。タナケン(生瀬勝久)に稽古ですべてを受け止めると言われたとおり、スズ子(趣里)は...
桧山珠美 2024-01-19 14:45 エンタメ
タナケン(生瀬勝久)の決め言葉、「どうだろうね」に込められた真意
 スズ子(趣里)は、不安を抱えたまま喜劇王・タナケン(生瀬勝久)との舞台稽古を続けていた。  なんとかしようと、ス...
桧山珠美 2024-01-22 15:16 エンタメ
ブギウギ新章、タナケン役生瀬勝久の“顔芸”と「3枚の張り紙」が見もの
 小夜(富田望生)が付き人をやめると言って姿を消してから3カ月、愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業で働き始める。 ...
桧山珠美 2024-01-17 15:49 エンタメ
5年ぶり「おっさんずラブ」にコレジャナイ感?それでもいいと思うところ
 あの「おっさんずラブ」が5年ぶりに帰ってきました。2018年4月期にスタートした同作は、ピュア過ぎるおっさんたちの恋愛...
小夜(富田望生)の食い意地は国境を越えた!愛か、餌付けされただけか
 復学した愛助(水上恒司)は、スズ子の公演に触発され、いっそう勉学に励んでいた。  そして、公演が再開して以来、ス...
桧山珠美 2024-01-12 16:05 エンタメ
任侠ドラマ出演の高岡蒼佑様…小栗旬&芸能界批判に“かわいいチワワ”か!
 アウトローな役柄などで人気を博していた元俳優の高岡蒼佑。役者引退宣言をしていたものの、今年2月にリリースされる任侠ドラ...
堺屋大地 2024-01-11 06:00 エンタメ
朝ドラ名物の闇市、小夜の食い意地はタダモノじゃねえ!
 戦争が終わって3カ月、世の中の混乱は続き、スズ子(趣里)たちは未だ公演ができずにいた。  愛助(水上恒司)の病状...
桧山珠美 2024-01-09 14:50 エンタメ
歯に衣着せぬ小夜のキャラを生かしたブギウギ流「玉音放送」シーン
 終戦の日。スズ子(趣里)たちは巡業先の富山で玉音放送を聞く。りつ子(菊地凛子)は慰問先の鹿児島で敗戦を知る。  ...
桧山珠美 2024-01-08 15:50 エンタメ
原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ