“アイドル=偶像”に苦しめられた
平手は今回の対談の中で「アイドルって検索して偶像って出てきたときにちょっとゾッとして鳥肌立って怖いなって思って、そこからいろいろ考えたりもした」とファンや世間から求められるアイドル像への葛藤があったことを明かした。
長濱も「モデルプレス」(2020年8月22日配信)のインタビューにおいて、「この(休業中の)1年間、今まで制限や我慢していたものを1度ゼロにしたんです。深夜にラーメンを食べたり、アイスを食べたり、今までやってこなかったことを思うままにしていたら、不思議とカラダも心もスッキリしていきました」と語っていた。
またアイドル時代は黒髪ロングで髪を巻いてはいけなかったが、卒業後はいろいろなメイクや髪色にも挑戦しているようだ。偶像化されたアイドルという枠組みから離れ、“普通の人が普通にしていること”ができたことで自分を取り戻していったのだろう。
脱アイドルから作り手・表現者になった
長濱の「ACTION」出演で最も深く掘り下げられたのは、月刊誌「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)でエッセイの連載をスタートさせたことだった。以前より読書家でブログなどの文章力にも定評のあった長濱だが、文筆業の先輩でもある尾崎は「冒頭からパシッとハマっている。文章も凄くキレが良くてしっかり積み上げていく感じ」と絶賛していた。
一方の平手は野田との対談で、「モノ創りをしたりとか、クリエイターの方とひとつの作品についてディスカッションをする時間は、凄く好きだなと思える瞬間」と語った。
以前の記事(欅坂46武道館「影絵」指導者が語る秘話!平手も制作から参加)にもあったように、欅坂46のライブ構成にもメンバーで唯一深く関わるなどモノ創りにこだわりを持ってきた平手。脱退後は2本の映画撮影、Mrs. GREEN APPLEのMV出演、「2020FNS歌謡祭夏」(フジテレビ系)での森山直太朗(44)の楽曲に合わせたダンスコラボレーションといった仕事を経験。それらを通じて感じたモノ創りの楽しさや使命のようなものを「ROCKIN'ON JAPAN」(同)でも語り、脱アイドル後、より一層クリエイター、表現者としての側面が強くなったようだ。
本当はボケたりツッコんだりが好き
長濱は自身のエッセイについて尾崎から「(しっかりと簡潔に書かれた文章の中にも)ちょっとふざけるところがある。本当はどっちなんだろう」と問われ、「本来はけっこうボケたりツッコんだりするの大好きなんですけど、なかなかそういうのを出せなくて」と答えていた。
平手も参加した映画の共演者や自身のメイクスタッフなどからSNS上でいたずらっ子ぶりやおふざけを楽しむ様子がたびたび明かされてきた。
長濱は「優等生っぽい」、平手は「クールで笑わない」という世間のイメージから等身大の若者らしい素顔は連想されにくかった。大変なものを背負ってきたアイドルから離れ、2人がありのままの素顔をもっと自由に見せてくれる日もそう遠くないだろう。
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