投げ銭はしないけど…ある意味で“無償の愛”がすごすぎるひと

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-12-25 01:32
投稿日:2020-11-06 06:00
 ライブ配信は、まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうごめく世界。今日も今日とて、多くのライバーやリスナーは、配信をめぐってアレやコレやの大騒ぎでございます。メンタル心理カウンセラーであり、配信者としての顔も有する並木まきが、“ライブ配信にいるアレなひとびと”を解説するこちらの連載。第6回は「ある意味で究極の“無償の愛”がすごすぎるひと」でございます。

アレな人図鑑6:ある意味で「無償の愛」がすごすぎるひと

 ライブ配信の世界では、配信者は声援や投げ銭をいただきながら、いかに自分の人気を継続させるかが、プロライバーとしての腕の見せどころでもございます。

 スマホやタブレットを通して、リスナーに対して雨の日も風の日も語りかけるのは、ただならぬプロ魂があるからこそ為せること。ボランティアで配信者をしているひと以外は、日々、投げ銭のノルマや実績と睨めっこしながら、笑顔の裏で自分を高めているのでございます。

 しかしそんな配信者の苦悩はお構いなしに、究極の“セコい愛”を貫いて、投げ銭ゼロで嫉妬心や執着心だけをむき出しにする、ある意味で究極に“無償の愛”がすごすぎるひとびとも存在するのです。

 本来、“無償の愛”は、相手への見返りを求めずに自分の愛を貫き、相手に与えることに徹するひとにたいして使われる言葉。ではございますが、投げ銭が常識のライブ配信界では、むしろ“無償で愛を得ようとする姿”が際立ち、真逆の様相をあらわすのにもぴったりの言葉と言えましょう。

セコすぎる “無償の愛”を正当化できるカラクリ

 配信者への敬意のカケラもなく、投げ銭ひとつせずに「今度、俺とデートしてよ!」「こんなに毎日見にきているんだから、メッセージ交換くらいさせるべきでしょ〜」「俺ほど、君のことを応援している人はいない」などと、自分の主張ばかりを突きつけ、セコすぎる姿勢で相手に無償の愛を求めるリスナー。

 対面での出会いであれば、自分は何もしないままで、相手に「愛をよこせ」と要求するのは、よほどのオラオラ性分でなければできることではございません。ライブ配信の世界では、配信を閲覧するだけであれば、本名をさらさずに偽名や仮名で楽しめることから、このようなセコすぎる芸当を、平然とできるひとも出てくるのでしょうね。

 そんなセコさが暴走した挙句には、投げ銭をして正攻法で配信者を応援する別のリスナーに対して嫉妬心をむき出しにするひともいらっしゃいます。

「投げ銭をすることだけが応援じゃないだろ!」などと、自らのセコい愛を正当化するためにキレ出すツワモノもいて、ここまでくるともはや「アレな人」の極みと言っても過言ではないのではないでしょうか。

 毎日、同じ配信者の顔を見続けていると「ザイオンス効果」によって、画面越しに会っている配信者への好感が上がっても、なんら不思議ではございません。しかしそこで常識を逸してしまうアレなひとほど、相手に対して、並々ならぬ無償の愛を求めてしまうという暴挙に出てしまうのでございましょう。

おわりに

 こんなリスナーに狙われてしまった配信者は、投げ銭をしてくれる正当なファンを失う羽目にも陥りかねず、プロライバーとしては命取りにもなりかねません。

 さりとて、自身の配信を見に来てくれる人物が、アレなひとなのかそうでないのかは時間が経過してみないと見極めが難しいのも、また事実でございます。今日もまた一部の配信者たちは、画面越しに訪れてくれるリスナーの性分を見極めながら、笑顔の裏で苦悩を抱えているのでございます。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

ライフスタイル 新着一覧


なぜ出張ホストをしているの? この仕事を選ぶ男性の心理
 最近、出張ホスト(レンタル彼氏)のニーズが高まっています。おひとりさま社会と言われ、恋人がいない独身女性が増えているの...
保育園で暴言を繰り返す 5歳の男の子にとるべき行動とは?
 こんにちは、チャイルドカウンセラーの小阪有花です。今回は、私が保育園に勤めていた時に出会った、“暴言”を繰り返す5歳の...
がん専門病院への転院 “ダム”決壊で真っ先に浮かんだ顔は…
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
ここは僕の縄張りにゃん パトロール中“にゃんたま”をパチリ
 忙しいな忙しいな!日課のにゃんたまパトロール。  にゃんたまは、縄張りに自分の匂いを付けて回ります。  こ...
開運花師が解説します ピンクのバラを恋愛お助けアイテムに
 はじめまして。あなたを幸せに導く一番簡単で手軽な開運アイテム「花」を分かりやすく解説させていただきます、ワタクシ、開運...
焦らずに…赤ちゃんがハイハイで得られる3つの効果と注意点
「うちの子どもはハイハイばかりしていて。歩く気を起こさせるのにはどうしたら?」――。チャイルドカウンセラーとしても活動し...
この縄張りは渡さにゃい! 仁義なき“にゃんたま”抗争勃発中
 今回は、にゃんたま同士の決闘シーン。  きょうこそは、この縄張り問題に決着をつけにゃいと!  目を逸らさず...
別居、DV、酒浸り…IT起業家の暗黒面あるある“7つの習慣”
 起業家――。華々しい響きを放ち、西麻布、六本木、恵比寿、銀座など煌びやかな繁華街でシャンパンをたしなみ、有名女優との交...
真夜中に突然の大量出血で119番、緊急搬送され人生初のERへ
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
ハッシュタグは“いいね”を超える? 承認欲求の先にあるもの
 SNSで昨年あたりから、ハッシュタグの新しい使いかたに脚光が集まりつつあります。ハッシュタグとは冒頭に「#」をつけた言...
こにゃんたま君のパパ「タンク君」のご立派“にゃんたま”
 きょうのにゃんたまは、先日ご紹介した「こにゃんたま君」(奥に写る子猫)のパパです!  その名も「タンク」君! ...
悲劇はもう二度と…園児の外遊びの大切さと保育士さんの努力
 保育園の子どもたちや働く保育士さんにとって、あまりに悲しい出来事が続いています。園児2人が亡くなった大津市の事故のショ...
ゴロンゴロン♪ “にゃんたま”流ストレス解消法でリラックス
 気が付くとストレスで、体が緊張状態になっていませんか?  きょうは、体の力を意識的に抜いてコロコロしてみる、にゃ...
毎朝のお弁当作り 「苦痛→楽しい」に変える4つのコツ!
 手作りのお弁当って子どもの頃はもちろん、大人になっても嬉しいものですよね。でも、作る側はいつも大変!うんざりして、苦痛...
「SNSイタい女」とは呼ばせない オトナ女子のインスタ技3選
 InstagramをはじめとしたSNSは、今や日常生活に欠かせないコミュニケーションツールになりました。少し前までは、...
「え、悪性って…」病院を出たら子宮頸がん患者になっていた
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...