28歳で優良物件男とお見合いしたが、どうしても無理だった。

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2020-12-01 09:41
投稿日:2020-11-24 06:00
「結婚できるとは思っていなかった」「結婚願望がなかった」。そんな40歳オーバーの男女が結婚に至った経緯とは――。インタビュアー・内埜(うちの)さくらが、ご本人に迫り、赤裸々に語っていただく「40代50代の大人婚」です。

大人婚と不妊治療の“現実”

case4-1.橋本杏奈さん(仮名/45歳)

 橋本杏奈さん(仮名/45歳)は、40歳のときに未来の旦那様となる同い年の彼と出会い、41歳のときに同棲を開始。42歳で結婚。43歳で男児を出産。積極的に不妊治療はしていなかったものの、「結婚した年に流産を経験しているので、妊娠がわかったときも『また流産してしまうのでは……』と不安で、手放しでは喜べませんでした。だから、元気に生まれてきてくれただけで嬉しかった」と言います。

 厚生労働省の発表によると、「不妊治療を巡っては、年齢が上がるにつれて妊娠する確率が下がり、流産の確率が上昇する。厚労省研究班の調査によると、不妊治療を受けた女性が出産できる確率は39歳で10.2%。42歳で3.7%、45歳で0.6%に低下するとされる」とのこと。「無理をしてまで子どもをつくらなくてもいいのではないか」と不妊治療をせず、自然妊娠でお子さんを授かった杏奈さんは、稀有なケースかもしれません。筆者のように出産や子育てを結婚の目標としていない女性以外には、うらやましい例ともいえるでしょう。

結婚イコール出産ではない

 杏奈さんが「絶対に子どもがほしいと思っていたわけではありません」と語るように、大人婚は結婚イコール出産ではありません。以前インタビューした長瀬康太さん(仮名/47歳。ご本人は初婚、同い年の奥様は再婚)、椎名さとみさん(仮名/50歳。46歳のときに50歳の旦那様と再婚。ともに再婚)、佐伯京香さん(仮名/46歳。今月、同い年の方と入籍予定。ご本人は初婚、お相手は再婚)は、「夫婦2人で生きていく」という人生を選択し、実際にお話しを伺ってもとても幸せそうに見えました。

「28歳が若いなんて思うのは大間違いよ!」

 ですが、親世代の価値観は異なるようで。杏奈さんは20代後半の頃、お母様のツテで、2人の男性とお見合いしたといいます。1人目のお相手は?

「母の知り合いの、仲人さんに紹介していただきました。当時の私が28歳で、相手は一回り上の40歳。日本の三大重工業にお勤めで高収入。ご実家から車で5分ぐらいの場所に建てた、3階建ての持ち家に住んでいました。ご両親が資金を援助したのかもしれませんが、住宅ローンはなし。将来は義両親との同居も必要ないとのことでした。世間でいう“優良物件”だったかもしれません。

 第一印象はやさしくてマジメで、『いい人』でした。でも、彼は女性慣れしていないのか、話をしていても楽しくなくて、お断りしました。仲人さんからは、『28歳が若いなんて思うのは大間違いよ! 彼を逃したらアナタは行き遅れるわよ!』と嫌味を言われましたが、どうしても無理だったんです(笑)」

 杏奈さんの言葉で、筆者は2つの大事なポイントを見つけました。

1. 女性がお断りする代表例である、「話がつまらない」は言い訳では? 深部はもっと別の部分にあるのではないか、自身に問うてみるべき。

「話がつまらない」、「会話のキャッチボールができない」。交際をお断りした経験がある女性からよく聞くワードです。ですが、それがお断りする真の理由なのか。筆者は杏奈さんに尋ねました。「本音では、生理的に“それ以上の関係に進みたくない”と思ったのでは?」と。

「そうかもしれません」と、杏奈さん。「彼とは、手をつなぐことすら想像できませんでした」とのこと。

 婚活市場では男性は年収や肩書き、女性は年齢にウエートを置かれがちですが、筆者はたとえ自身が何歳であろうとも「生物としての嗅覚」をスルーしてはいけないと考えています。

“その先の想像ができない”相手とは、結婚生活も円満に営むことはできないと思うからです。結婚は、するもしないも選べる時代。理屈ではなく本能で「この人とは難しい」と感じたのであれば、無理をして縁をつなげる必要はないのではないか、と。

 相手を自分より下に見るという意味ではなく、条件抜きにして自身の「生物としての嗅覚」を信じる。だからこそ杏奈さんも、今の旦那様と出会えたのだと思います。

2. 仲人さんを介したお見合いを視野に入れてみては。もしくは、既婚者から独身者を紹介してもらう方法もアリ!

 杏奈さんは「私は仲人さんの紹介では結婚できませんでしたが」と前置きしつつ、「彼女のような“世話焼きおばさま”的な人が身近にいれば、マッチング数は上昇するかもしれませんね」と言っていました。先述の佐伯京香さんも、仲人さんを介して旦那様と出会っています。

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ラブ 新着一覧


その“オレ通信”いらんわ! 距離感バグってる男たちのLINE6選「オレに一番似合う色は?」「角栓の写真送る!」
 仲良くもない男友達から、毎日届く俺通信…。あまりにうざいと、「あの日LINEを交換するんじゃなかった」と悔やんでも悔や...
恋バナ調査隊 2025-08-24 08:00 ラブ
「妻が出て行けばいい」“無駄遣い”は原動力だと言い切る夫。資産形成や貯金の要望を拒否する呆れた理由
「冷酷と激情のあいだvol.260〜女性編〜」では、ミーハーな暮らしを好む夫との離婚を決意したミニマムライフを好む真琴さ...
並木まき 2025-08-23 11:45 ラブ
「人生設計が狂いました」妊活に失敗した妻、浪費家の夫といる意味が見いだせない。離婚願望が強くなる日々
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-08-23 11:45 ラブ
「宝塚の男役みたいで…」夫には秘密、女性同士の濃密な関係。昂ぶる想いが“執着と嫉妬”に変わるまで
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-08-22 11:45 ラブ
「ほんと、ちょろい」裏アカが暴いた彼の本性。優しい言葉は全部ウソだった…SNS二重人格男の恐怖
「優しそうで誠実な人がいいな」――そんな言葉を繰り返していた友人のマキが、「まさに理想通りの人に出会った」と目を輝かせて...
おがわん 2025-08-22 11:45 ラブ
イケメンより優しい人より「筋肉男子」好き! 今、そんな女性が増えているワケ。背景は“社会情勢”にあり?
 筋トレ男子が人気です。今までは「マッチョはちょっと怖い」と言っていた女性も、「やっぱり逞しい人がいい」と気持ちが切り替...
内藤みか 2025-08-21 11:45 ラブ
なんで付き合ってるの? 友達の彼氏に“ドン引き”したエピソード。カスハラに束縛男って無理すぎ!
 友達の恋愛は応援したいですよね。でも「その彼氏はやめておいたほうがいい!」と思うときもあるはずです。今回はそんな体験談...
恋バナ調査隊 2025-08-20 08:00 ラブ
「優しい男はモテない」説の真実…女が語る“ガッカリした”5つの瞬間。神対応は私だけじゃなかったの?
 多くの女性が理想の男性像に“優しい人”を挙げるものの、“優しいのにモテない男性”が存在します。この矛盾はいったいなぜ生...
恋バナ調査隊 2025-08-19 08:00 ラブ
彼氏に「見知らぬ土地で置き去り→バックレ」って最悪じゃん! 人間性終わってた男の最低エピ5連発
 恋愛は、人の数ほどストーリーがあります。胸が熱くなる純愛エピソードもあれば、時には信じられない最低最悪彼氏に出会うこと...
恋バナ調査隊 2025-08-19 08:00 ラブ
「ホテル行かん?笑」にキモッ!男友達との友情が崩れたLINE3選。冗談でもムリだけど
 あなたは、男女の友情はあると思いますか? もちろん「ある」と答える女性もいるでしょう。でも、友達だと思っているのはあな...
恋バナ調査隊 2025-08-17 08:00 ラブ
「女の役目でしょ」帰省を拒む妻がムカつく――47歳夫の譲れない家族観。絶対に同行させたい理由とは
「冷酷と激情のあいだvol.259〜女性編〜」では、コロナ禍に定めた「夫の実家にはもう帰省しないでいい」というルールを、...
並木まき 2025-08-16 11:45 ラブ
「夫と子どもで帰省してよ!」妻から“夫婦のルール”を破る男への抗議。義母と相性最悪なのになんで?
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-08-16 11:45 ラブ
「私と結婚してほしい」障害のある恋、成就した女が決めた5つのルール。捨てられる女との違いはどこに?
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-08-15 11:45 ラブ
鈴木亮平似のアドバイス男、“頼りがいがある”のは幻想だった。「いい女になれないよ」に絶句…!
「もっと痩せた方が可愛いよ」「笑うときに口元を押さえると品が出るよ」  そんな“アドバイス”を、あなたはどこまで許...
おがわん 2025-08-15 11:45 ラブ
ダメ男を“理想の夫”にアップデート! 5つの成功例を教えます。プライド激高→「洗濯したよ♪」に変えたテク
 夫に対して「家事を積極的にやってほしい」「考え方を変えて欲しい」と思っている女性は必見! 今回は、夫を進化させる方法を...
恋バナ調査隊 2025-08-15 08:00 ラブ
イメージと違う!“写真詐欺”をどう回避する? 肩にフケ、明らかにおじさん…プロにお願いする時のコツ
 近頃話題の女性用風俗。ドラマやマンガでは、イケメンが気持ちよくマッサージしてくれるので、利用したくなるかもしれません。...
内藤みか 2025-08-14 11:45 ラブ