お店でもやっている下処理作業
自家製干しダラのクロケットや豚とアサリのアレンテージョ、ポルト定番の肉のサンドイッチ・フランセジーニャなど、知る人ぞ知る存在だったポルトガル料理が、この店の登場で一気に身近になりました。
今回「酒のつまみは簡単に作れるものがいい」と教えてくれたのが、塩茹でエビ。
「塩でもんで、大根おろしで洗ったエビを、軽く塩茹でにするだけ、以上」
え? たったそれだけ? と拍子抜けするほどの手軽さですが、これがひと口食べてびっくり。異様なまでに甘いのです。
「実はこれ、店でやっている料理の下処理作業なんです。でも、この段階で食べても十分おいしい。オリーブオイルやレモンはお好みで。21/25サイズ(10センチ前後)のエビなら、バナメイエビでもブラックタイガーでも何でもいいし、カキでもおいしいですよ」
ポルトガルの微発泡の白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」の爽やかで軽やかな味わいが、エビのうま味をより際立たせます。
材料
・エビ(殻つき) 160グラム
・塩 ひとつまみ
・大根おろし 85グラム
・オリーブオイル、レモン 各適量
レシピ
(1)エビは尾を残して殻をむき、背側に包丁を入れてワタを取り除く。
(2)ボウルに1を入れて塩をふってもみ、ぬめりが出てきたら大根おろしを加えてさらによくもむ。
(3)氷水に2を入れて大根おろしを洗い落とし、塩少々(分量外)を加えた湯で1~2分茹でる。
(4)ざるに上げて水気をきり、好みでオリーブオイルをかけ、レモンを搾る。
本日のダンツマ達人…佐藤幸二さん
▼佐藤幸二(さとう・こうじ)
1974年、埼玉県生まれ。高校卒業後、武蔵野調理師専門学校で西洋料理を学ぶ。全日空ホテル勤務の後、98年に渡伊。イタリア各地、ロンドン、バンコクで料理の仕事をしながら6年間暮らす。帰国後、東京・松涛「アロッサ」の料理長を7年間務め、2010年に独立。代々木公園にポルトガル料理&ワインバー「クリスチアノ」を開く。その後、菓子部門を独立させた「ナタ・デ・クリスチアノ」、魚料理に特化した「マル・デ・クリスチアノ」、総菜ともんじゃの店「おそうざいと煎餅もんじゃさとう」を開き、カレーの店「ポークビンダルー食べる副大統領」やカツレツの店「貴族と平民」のプロデュースも。
▼クリスチアノ
ポルトガル料理とワインが4000~5000円で気軽に楽しめるポルトガル版ビストロ。現地の定番料理を、自家製調味料や自家熟成させたバカリャウ(干しダラ)で仕上げた“今、ここにしかない味”が人気。東京都渋谷区富ケ谷1―51―10。
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