嵐「紅白」歌手別視聴率トップ47.2%は感慨深イイの極み
20年末、最も大きなトピックといえば嵐の活動休止でしょう。嵐はもはや説明不要の国民的アイドルに成長しました。ですが、彼らがジャニーズJr.だった頃は、滝沢秀明さん(現ジャニーズ事務所副社長)、今井翼さん(39)、小原裕貴さん(2000年引退)というギランギランのトップJr.の“後ろ”にいる存在でした。
大方の予想を覆し99年、滝沢さんより先に、“Jr.の頂点・滝沢秀明の周りにいる少年たち”だけで結成された5人組の嵐。デビューこそ華々しいスタートをきりましたが、その後CDチャートでなかなか結果が出ず、1位をとるためにジャニーズとしては異例の握手会を開催したことも幾度かありました(AKB48登場以前)。それでも嵐の楽曲は一貫して良質なJ-POPであり続けたと思います。
その後、嵐には圧倒的エースがいないぶん、それぞれの個性を高め、お互いを補完し合い、奇跡のようなバランスの良さが生み出されました。昨年末、日本レコード大賞特別栄誉賞受賞、NHK紅白の歌手別トップ・番組瞬間最高視聴率47.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で締め、この21年をひとまず走り切ったことは感慨深イイの極みだと思います。
後藤真希の涙は重さが違う
昨年12月20日には元モーニング娘。の後藤真希さん(35)がデビュー20周年単独ライブをオンラインで開催しました。モーニング娘。時代の名曲「I WISH」やソロ名義の「愛のバカやろう」などを歌い上げていく中、さまざまな想いが込み上げて涙するシーンも。彼女の流した涙はそこらの涙と重さが違います。デビュー前にも、デビュー後にも大変痛ましい家族の不幸がありました。12年に一旦芸能活動を休止。その後結婚し、2児をもうけますが昨年初頭に自身の家族トラブルもありました。
それでもコロナ禍の昨年4月に開設した自身のYouTubeチャンネルで「モンスターハンター:ワールド」のゲーム実況を開始。“超強いモンスターを倒す用の強い武器を作るのに必要なパーツを集めるためにそこそこ強いモンスターを何度も倒す”といった非常にマニアックな内容が、マジもんのゲーマーさを醸し出し「モンハンの人」としてじわじわと話題に。
同年9月に「テレ東音楽祭」(テレビ東京系)でAKB48と一夜限りのコラボ出演を果たすと、現役アイドルを差し置いて、センターで35歳ながら圧倒的可愛さとオーラで存在感を放ち大反響を呼びました。自身のチャンネル上ではLiSAさんの「炎」歌ってみた動画が“うますぎる!”として2カ月で400万回再生のプチバズり。そんなプチ再ブレイクを果たした“ゴマキ”20周年の万感の涙は、大変感慨深イイものとなりました。
“アイドルに追い掛け回されたヲタク”
ちなみに同イベントには同じく元モーニング娘。の「ミキティー!」こと藤本美貴さん(35)もゲストとして駆けつけました。
10年以上前になりますが、筆者が参加していた女子フットサル大会にモー娘。メンバー含むハロプロのフットサルチームも参戦しており、対戦する機会がありました。筆者はたまたまポジションの都合、藤本さんをマンツーマンでマークすることになりました。当然、藤本さんがボールを持てば筆者が奪いに行くことになり、筆者がボールを持てば藤本さんが奪いに来ました。全国広しといえど“アイドルを追いかけたヲタク”は山ほどいるでしょうが、“アイドルに追い掛け回されたヲタク”は稀有なのではないでしょうか。
当時独身だった藤本さんが、後藤さんのママ友のような存在で20周年を祝っていたことも個人的には感慨深イイ画となりました。
昨年、初めて新型コロナの脅威に晒されたエンタメ業界。年を明けてもまだその戦いは続きますが、そんな中でも歩みを止めることなくさまざまな“感慨深イイ”シーンが生まれることを願っております。
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