サラダに入れてもおいしい
帆立ての身を口に入れるとふんわりとして軟らかい。でも、うま味が濃厚です。「寿司屋って材料を無駄にしないんですよ。はまぐりの汁に鰹だしを入れたものに帆立てを漬けています」と出口さん。
前回の煮はまぐりを作る際に使ったはまぐりの汁を今回は帆立てに使っています。久いちでは、はまぐりの汁をいろいろな料理に使うそうです。あらためてはまぐりの煮汁だけを飲ませてもらいましたが、おそろしく濃厚。これだけで酒のアテになりますよ。
「帆立ては火を通しすぎないことがポイントです。冷たいままでも常温でもいい。サラダに入れてもおいしいですね」
季節によってははまぐりの代わりに牡蠣の汁を使っても面白いそうです。
材料(2人前)
・生帆立て 2個
・花穂じそ(シソの花) 少々
・はまぐりの汁 100ミリリットル
・鰹だし 80ミリリットル
レシピ
(1)帆立てを殻から外し、軽く洗う
(2)はまぐりの汁と鰹だしを鍋に入れて沸騰させ、帆立てを10秒ほどシャブシャブさせ一度引き上げる
(3)2の煮汁の火を止め、器に移す。煮汁が温かいうちに帆立て全体が漬かるように入れて余熱で火を通していく。煮汁が冷めたら冷蔵庫に入れる
(4)帆立てを器に盛り、花穂じそを飾る
本日のダンツマ達人…出口威知朗さん
▽出口威知朗(でぐち・いちろう)
1987年、東京都生まれ。女性向け情報誌で食や美容・健康にまつわる編集を担当したのち独立。ナッツ料理研究家、フードコーディネーター、フードプロデューサーとして活躍し、2016年にナッツ専門店をプロデュース。2020年3月、東京・外苑前にグルテンフリーバインミー専門店「Bánh mi Tokyo 」をオープンさせた。マッシュルーム料理専門店「マッシュルームトーキョー」、江戸前寿司×現代アート「すし玲」など話題の店舗にも携わっている。
▽ひさいち
祖父の代から85年続く寿司屋を継ぎ、2005年10月に「久いち」として開業。焼き、〆、煮などの江戸前や熟成のお寿司がオススメ。寿司の合間には野菜や果物を用いた多彩な料理も提供され飽きない。四季を通じて暖簾をくぐりたい。東京都台東区浅草3―18―8。
(日刊ゲンダイ2021年8月26日付記事を再編集)
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