まるで本格的なメインディッシュ
「唐揚げはちょっとつらい」という時間帯に食べられる鶏料理。朝に仕込んで、夜に焼けばおいしく食べられる。ムネ肉よりモモ肉の方がオススメ。モモ肉は骨のないものを使います。
「通常はエルブ・ド・プロヴァンスという乾燥スパイスのミックスを使います。ない場合にはタイム、セージ、ローズマリーの3種類がそろえば問題ありません。スーパーなどで小さな瓶詰で売っています」(道野さん)
朝、鶏を包丁で切り、ボウルに白ワインとハーブ、塩と共に入れ、手でよく混ぜ、ラップをかけて冷蔵庫で保存しておけば、帰宅してフライパンで焼くだけ。この時、必ず皮の部分から焼くのがポイントです。できればフライ返しで上から押さえてください。そうすると表面がパリッと焼き上がります。熱々の鶏肉にレモンを搾って食べると、ハーブの香りが、鶏の印象を軽くしてくれます。サラダを添えれば、メインディッシュにも。
ビールを飲んでから唐揚げを食べたくなっても、油で揚げないといけないし、揚げ物の後片付けは面倒くさいですよね。そんな時はフライパンで焼くだけで、唐揚げぐらいおいしい鶏料理ができるんです。
肉の塊が大きく、フライパンで焼ききれない場合は、その後アルミホイルで包んでオーブントースターで火を通してもOK。
「料理が上手になる秘訣は、ひとつでもいいから得意な料理を見つけること。バカのひとつ覚えと言われようとも、一生懸命練習すると、その料理に関しては自信がつく。そうすると他の料理をする時も自信が持てるようになります」と道野さん。ありがたいお言葉です。
【材料】
(2人前)・鶏モモ肉 2枚
・白ワイン 大さじ3
・乾燥ハーブ(タイム、ロ ーズマリー、セージなど) 小さじ1
・レモン 1個
・塩 適量
【レシピ】
1. 鶏モモ肉は4等分に。
2. ボウルに入れ、白ワイン、ハーブ、塩を加えてよく混ぜる。冷蔵庫で3時間以上休ませる。
3. テフロンのフライパンを火にかけ、サラダオイルをひき、鶏をこんがりと焼く。まず皮目を下にしてパリッと焼き、裏返してからは弱火にしてじっくりと火を通す。
4. 皿に盛り、4等分したレモンを添える。
本日のダンツマ達人…道野正さん
▽みちの・ただし
1954年、兵庫県生まれ。同志社大学神学部卒業後、京都のフランス料理店「ボルドー」で7年間修業。31歳で渡仏。3つ星レストラン「ラ・コートドール」、1つ星「ル・ランパール」、2つ星「ジャン・バルデ」で研鑽を積む。帰国後は大阪の「シェ・ワダ」、北海道・旭川の「ハーヴェスト・ロード・ハウス」を経て、90年、大阪・豊中市でフランス料理店「ミチノ・ル・トゥールビヨン」を開業。2009年、大阪・福島区に移転、現在に至る。18年5月、自著「料理人という生き方」を出版。
▼「ミチノ・ル・トゥールビヨン」
この道40年のオーナーシェフは、今でも食への探求心は衰えない。類いまれなセンスとフレンチの概念にとらわれない料理は「前衛的」「異端児」と称され、全国から食通が集う。
「ボクはひたすら来てくれたお客さまのために料理を作ってきた。自分が納得し、自信を持って『これがボクの料理です』と言えるものを作ってきたし、これからもそうありたいと思っています」
大阪市福島区福島6―9―11 神林堂ビル1F
℡06・6451・6566
営業時間 昼12~15時、夜18~23時。月曜定休
(日刊ゲンダイ2018年8月25日付記事を再編集)
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