いしだあゆみさんを「苦しめた男」…常識人の彼女がなぜショーケンと?なんとも摩訶不思議だ
【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】
歌手で女優のいしだあゆみさんが亡くなられた。76歳になっていたとは感じていなかった。確か一度、映画かドラマの取材で会ったきりだが、非常に気さくで明るく話をしてくれた。常識的な、普通の感覚を持っている女優さんだという印象で、いつまで経ってもおきれいな方だと思っていたので、年齢を感じなかったのだろう。
僕の知り合いの記者はドラマのロケに密着した際、徒歩での移動時に飛び石になっている小川を渡っていたそうだが、すぐそばでいしださんも渡っていて、バランスを崩して倒れそうになる彼女をサッと手を握って支えたところ、その瞬間、いしださんが「ごめんなさいね。こんなオバちゃんで……」と言って笑ったという。記者は慌てて「いえ、すごくきれいな方で……」と恐縮したらしい。
僕ら取材側で記憶に残っているのは、すでに亡くなったショーケンこと萩原健一さん(2019年死去)との結婚と離婚だ。
盛大な披露宴を行った後に、ショーケンは大麻取締法違反で逮捕され、懲役1年執行猶予3年の刑を言い渡されたが、仕事のできないショーケンを支えたのがいしださんだった。
実はその逮捕時に“マトリ”こと、関東信越地区麻薬取締部に自宅へ踏み込まれ、家宅捜索を受けた時に彼女もいたそうで、たいへんショックを受けたという。しかも、ショーケンは執行猶予期間が明けてまもなく、飲酒で人身事故を起こし、また逮捕されてしまった。いしださんは記者会見で「私が彼を支えなければ」とけなげに語っていたが、同じ年に離婚している。
彼女としては「彼には自分しかいない」のだからという思いが強かったのだろう。ちなみに、正式に入籍はされていなかったことが後日、明らかになっている。
また、ずいぶん後になって奈美悦子さんから教えてもらったのだが、いしださんと事実婚をしている時のショーケンと道でばったり会い、ご近所だとわかって自分のマンションの部屋を指さして教えたことがあったという。数日後、ショーケンが予告もなく訪ねてきて、ドアを開けると押し倒そうとしてきたそうだ。
ただ、奈美さんも気が強いし、バレエダンスで鍛えた体でショーケンをドアから押し出して鍵をかけ、所属事務所に連絡した。後日、事務所の社長がショーケンを呼び出して抗議すると、ショーケンは平身低頭で謝罪したという。
やさしくて、常識人のいしださんがなぜショーケンと……。なんとも摩訶不思議でならない。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)
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